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地域でコミュニティファームを行うということ。Vol3 まとめ

 全く農業やコミュニティと作る経験がなかった状態から、コミュニティファームを行った挑戦と学びをVol.1、Vol.2と書いてきました。今回はVol1、Vol2の続きとして リアル⑤ と まとめ を書きたいと思います。読んで頂けると嬉しいです。


~過去記事~


リアル⑤ エリア問題

 エリア問題とは、自分達が使用している畝の場所のことです。「menuのスタート」の記事でも書きましたが、僕たちは2畝だけ借りて農作物を作り始めました。しかも、「畑の真ん中2畝」であり、区画整理された場所でも、農具の貸し出しがあったり、農業の指導員がおられる場所でもありません。直ぐ横の畝は土地のオーナーさんが野菜を育てられている場所であり、また更にその横は、土地の維持管理を手伝いながら野菜を作られているおじさんが使用しているエリアでした。

 最初の頃は、2人で管理するには、2畝(約20㎡)あれば十分と考えていたのですが、近隣で作物を育てられている方々から「あんたら一生懸命やし、これあげるわ」と数々の苗や、種を頂くことができ、土地オーナーさんに相談すると、快く畝の数を増やすことを快諾してくださいました。全体では、最終的には30以上ある畝の7畝程度までエリアが増え、たくさんの種類の野菜を育てることが出来ました。

 そもそもオーナーさんは農業従事者でもなければ、野菜で生計をたてられている訳ではありません。また、体調を崩されたことを機に畑に来る回数も大幅に減少し、雑草の維持管理に困惑していました。また、一緒に維持管理しているおじさんは、オーナーさんと親戚関係にある人なのですが大阪在住であり、滋賀県大津市南部までは移動だけでもけっこうな時間がかかります。
 従って、僕たちのような近隣に住んでいる現役世代が畑を使用することは、管理する手間が省けて好条件となるはずです。雑草が生えて森のようになってから年に2回程度狩ることを繰り返すだけの場所ではなくなるからです。

ただ、

 僕たちの使用している畝が増えるという事は、オーナーさんが管理する畝が減るという事になります。つまり、オーナーさんが植える野菜も減るということ。

 ここは、”オーナーさんそっちのけ”で農業をやらない様に細心の注意を払っているつもりでした。病気がちのオーナーさんがたまに畑に来る際、畝を綺麗に保てているのか、自分達のエリアだけでなく、通り道やあぜ道の草刈りもしっかりと行い、オーナーさんのエリアにも気を使いながら作業を行ったりしておりました。

しかし、ある季節の変わり目、冬野菜の収穫が終わり、春にジャガイモを植える季節に事件が起きました。

オーナーの親戚の農業を共に同じエリアでしているおじさんが、

「最近、(オーナーが)あんまり体調がよくないみたいやわ。このままやと夏は天気も過酷やから、畑あんまり来れへんやろなぁ。前に植えはった場所も野菜収穫せんと放ったらかしやし、こっちも使ったらいいよ」と。

 僕たちは、オーナーさんに確認した上で使用させてもらえたらと言ったのですが、おじさんに大丈夫と言われたので、オーナーさんに説明しておいてくださいと伝言をお願いし、自分達のすぐ横畝にもエリア増幅し、ジャガイモを植えました。

 すると、ある日、オーナーさんから

「どういうことや。あそこはわしが植える場所や。勝手なことしんといてくれ!そんなことするなら出ていってもらう!!」と怒りの電話がありました。

??????????

ん?おじさん(大阪)が説明してくれているはずで、許可をもらっているはずでは。。。

と思ったのですが、感情的になり、そんな話は聞いてない!と僕の話を聞いてくれる余地はありませんでした。

 電話を切った後直ぐに、おじさんに確認すると、

「実は、この前畑で会ったんやけど、植わっているのを見て、怒りだしたから俺が許可したことを言えへんかったんや。すまん」

と。

 さすがに僕も納得がいかなかったので、この事実をオーナーに伝えました。すると、ちゃんと僕たちの意向や経緯を理解してくれたのですが、おじさんに問いただすと機嫌が悪くなるので、僕たちからは何も言わないでほしいと。

 借りている立場なので、何も言えませんでしたが、色々な感情が沸いてきました。悔しさ、怒り、呆れ。そして僕たちは次の活動を意識し始めたのです。次の活動はまた改めて記事にしたいと思います。

ここでの学びは、「実験を握っている人」をしっかり把握すること + 「伝え方」です。

 1つ目は、使用者と所有者の関係性や、人間関係をしっかり把握しておく必要があると思います。
 通常、土地の所有者が権利行使をすると使用者はその場の使用権利を失います。(もちろん、契約期間やその他条件が設定されていれば別)しかし、今回は、使用者であるおじさんが、普段から来ていないオーナーに変わって、自分の土地のように権利行使していたのです。そのことを認識していなかったわけではありませんが、仲の良い関係性であったため、軽く見てしまっていました。
 2つ目は、誰にどうやって伝えるかをしっかり選択した方がいいという事です。もちろん、今回のケースでは、オーナーに直接伝えるべきでした。しかし、内容によっては、おじさんからオーナーに伝えた方が自分達のやりたいことが前に進むケースもあると思います。サラリーマンの方であれば、会社で稟議を通す際にも、社内の関係性を上手く利用し企画を前に進める場面があると思います。それに似ているように感じます。
 特に2つ目に関しては、地方においてはパッと見では、わからないこともあります。人によって使い分けが必要なケースもありで、難しいことのように思います。しかし、これを徹底すると上手くいくことが多いと思います。

初体験

まとめ

Vol,1、Vol,2に記載してものと合わせてまとめを下記に。

  • リアル① = 土地持ちではなく、「地主」を見つけよう

  • リアル② = 温故知新にてオリジナルを創造しよう

  • リアル③ = ゴミ箱を作ってしまおう

  • リアル④ = 雑草はコミュニケーションのひとつと考えよう

  • リアル⑤ = 伝え方を考えよう

 僕たちは農作業を通じて様々な学びを得ることが出来ました。上記以外にもホントたくさんの学びがあり、ここでは書ききれませんので、いつか書きますw

 そして、僕はこれまでのオーナーとの問題や地域の方々とのトラブルが嫌いじゃないですw
凄くめんどくさいです。凄くややこしいです。凄くやりにくいです。

でも、心から楽しいことは、大体、めんどくさいことの向こう側にあると思います。

 もしかしたら、この記事を読んでくださった方も、地域の方や地主さん、近所の方々との関係性の中で、困ったことや嫌な事があった方がおられるかもしれません。そんな時は、先ず相手や誰かのことを否定したり、反攻するのではなく、一度相手のことを考えたり、どうしたら双方納得のいく解決策が見つけられるのか考えてみてください。分かり合えなくても、それぞれ違う答えやったとしても、きっと、その向こう側に自分自身の楽しみがあるはず。

 引き続き農業や地域での活動で得た、経験や知見を記録していければと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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