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農地を借りる”不便益”

 農業初心者の僕たちは、「畑に向いている農地」なんてことは全然知らずにスタートさせました。始めてからたくさんの問題に遭遇してますが、挑戦しているからこそ気付いた学びをここに書けたらと思います。


僕たちが借りた農地

僕たちが借りた農地について先に結論から言うと、
農業を行っている人なら誰でも容易く想像できることだと思いますが条件的にはかなり厳しい場所です。

  • 耕作放棄地かつて田んぼ

  • 四方が田んぼに囲まれている

  • 年間通じて水源が確保できない

  • 隣地の田んぼを通らないと当該地に行けない

一つずつ説明していきたいと思います。

≪耕作放棄地≫
 僕たちが新しく農業を始めた場所は、10年以上何も利用されていない耕作放棄地でした。現地主さんのご両親が農業をされていたとのことであり、かつては田んぼとしてお米を作られていたようです。しかし、先代がお亡くなりになってからは年に数回雑草処理を行うのみで、作物は育てられていませんでした。大きな木まで育成しており、田んぼの真ん中に木があるという、不思議な光景でした。
また、地主さんは、周辺農家さんから米育成のため雑草処理を頼まれ、渋々雑草処理を行っている状況だったそうで、地方には良くありそうな話です。

≪四方が田んぼ・年間通じた水路なし≫
 立地状況は、当該地を囲むように、近隣地主さん達が所有する田んぼに囲まれており、四方を田んぼが囲っています。三方に水路はあるのですが、周辺が田んぼしか無いため、稲作時期にしか流れておらず、近くに水源はありません。夏の時期においても、田んぼをされている方が上流の用水路から水を流している時にしか流れてこず、僕たちが水路を操作できるわけではありません。(後に知ったのですが、稲作している方からすると当たり前かもしれません。)

≪隣地の田んぼを通らなと行けない≫
 上記の通り、四方を囲われているため、当該地に行こうとすると、他の地主さんの土地を通らないといけません。他の方が管理されている畦道を通ることは凄く気を使うことになります。

初めてやのに似合う

農地を借りる”不便益”

そういったこともあり、地主さんは借り手が見つからず、苦労していたのだと思います。
ではなぜ、僕たちがその場所をわざわざ借りて畑をやっているのか。

それは、『居場所』を作りたかったからでもありますが、『不便益』みたいなものの価値を信じていたからです。

もちろん、倉庫が一緒に借りられるからとか、以前の場所より広いからということはありましたが、何より、不便がもたらす利益みたいなものは必ずあると思っていました。

もちろん、
もともと畑 = 土が肥えていて栄養たっぷり、野菜が育成し易い 
隣も畑 = 土が肥えていて栄養たっぷり、野菜が育成し易い
水路が近く、水が自由に使える = 水やりに苦労しない
道路に面している = 気を使わない・農具やその他荷物が持ち込み易い

ですが、僕たちは、

■耕作放棄地(かつて田んぼ) 
= 過去の農薬や化学肥料は流れ、自然の状態に戻っている
■四方が田んぼに囲まれている
= 畑にすることで夏場だけでなく冬も仕事がある
■年間通じて水源が確保できない
= 水確保のために工夫する、水を大事に思う。
■隣地の田んぼを通らないと当該地に行けない 
= 隣地の人とコミュニケーションを大事にする。

こんな風に考えて、挑戦しています。

渋い

便利であることは、農業をするのにとても重要であり、最低条件みたいなものかも知れません。でも、僕たちがやっているのは「コミュニティファーム」です。野菜を育てているだけの場所ではありません。ここでは不便がたくさんの利益を生みだしてくれます。

不便だからこそ考え、不便だからこそ相談し、不便だからこそ会話が生ま
れ、そして行動する。

操縦不能シーン

世の中が益々便利になり、賢い人達が便利な道具を次々開発してくれます。生活を豊かにしてくれる道具は本当に有難い。

ただ、便利であることは必要であると思いますが、「重要」であるかは別の話だと考えます。

重要なのは、ないものを欲しがるのではなく、あるものを活かそうとする力または、挑戦しようする力ではないかと思います。失敗してもいいから。

みんながmenuを通じて、そんな事を感じながら、たくさんの挑戦をしていくことが出来ればと思ってます。

遊び場



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