見出し画像

ちぐはぐ

十数年働いた会社を休職した

休職といっても有給が約2ヶ月分あるので
正確には有給消化。

急に何もしなくてよいわけではなく
仕事はグラデーションのように目の前から消えていった
うっすら見える仕事もあるが、そこも時とともに消えていった

「今日から休めるー!」
となるわけがない。
いつも通り起きて、いつも通りパソコンを立ち上げるまでは
癖になっていた。
意外にも暇がなかった。
暇がないというより、何をしていいかわからない時間はなかった。
なにかしらやっていた。

なにかしらを

やっていないと気になってしまう。
LINEやツイッターなどのSNSから仕事の状況がわかってしまう

ついアドバイスのLINEを部下に送ってしまう

ダメだ、休んでいる意味がない
それに気を使わせてしまう

気を紛らわせるために
なにかしらをがんばった


ある日、心療内科の先生に聞いてみた
「これにゴールはあるのですか?」

「ありますよ」

即答だった
最近は睡眠時間も増えたし、体も元気
一体ゴールはどこなんだろう

「あなたはまだ頑張ろうとしている。
 心と体がちぐはぐな状態なんですね。
 だからちゃんと心を休ませてあげてください
 何もしない
 ただ本を読むだけの1日を過ごしてください
 それを1週間続けられるといいですね」

後頭部が一瞬重くなった。
脳が体に送った信号だ

「では、新しいお薬出しておきますね」
次回の予約をして病院を後にした


そんな1日が送れた日は、まだ1度もない。


誰かと比較しているわけではない
ただ頑張っている人は応援したい
自分もそうなりたいから頑張る
だから誰かと比較しているわけではない

仕事から離れることで
業界から取り残されないか不安といえば不安
でも、その不安を払拭できるくらい
十数年間培ってきた経験と努力で追いつける自信はある
+αで違う世界の知識と経験を積みたい
積んで生かしたい
大切な人たちの世界を支えたい
期待に応えたい
今以上に守りたい


気持ちは全然休まらない
むしろエネルギーになっているとさえ思う


死に物狂いで
毎日泣きながら闘って
でもできることは少しずつ増えて
喜びと悔しさが、1:9だったのが
3:7くらいになって
その繰り返しを続けてきた十数年



「あと10回~15回は来てもらうかもね~」




仕事は簡単に消えたのにね


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?