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本屋の魅力は〇〇にある。


キュレーションとは

キュレーション(Curation)とは

インターネット上の情報を、特定の視点を持って収集、選別、編集することで新しい価値を持たせ、それを共有することを意味する言葉。もともとは、芸術分野の専門知識を持ち、美術館や博物館で研究などを行う学芸員や、展覧会で展示する作品の企画から運用までを請け負う職業を意味するキュレーター(Curator)から派生したWeb業界用語です。

HRプロ(人事用語集・辞典)

大学生の頃に美術館のキュレーターの仕事をしている人と初めて会った。展示会のお題を決めて、その文脈に合った作品を集める。文字にすると簡単そうに見えるけど、ひとつひとつの作品が持つテーマや時代背景など必要な知識は果てしない。すごい仕事だなぁ、と思った記憶がある。

読んだ本でできている

今までの人生、読んだ本に影響されやすい人生を送ってきた。その時、無意識に手に取った本がまさに読みたい本であり、まさに読みたい本ほどその時の自分に影響を与えている。たまたまその本を選んだ訳ではなく、本に導かれているような感覚もあったりする。

中村文則さんの暗さにハマったり、宮台真司さんを読んで社会学に興味を持ったり、平野啓一郎さんから生きやすい考え方を得たり、振り返るとその時期と感覚が思い出される。

好きな本を教えてもらう

だからこそ、

「最近どんな本を読みましたか?」
「好きな本はありますか?」

という質問が、その人を知る上では結構クリティカルなんじゃないかと思っている。その人のことをよく知りたいなら、その人が読んでいる本を読んでみたらいいと思う。好きな音楽を訊ねるよりも効果はバツグンだろう。

大型店舗にはない魅力

西荻窪にある「旅の本屋 のまど」という店を気に入っている。"旅”に関する本をキュレーションしてくれる店である。

いわゆる旅の情報誌ではない、直接的に旅を感じさせないんだけども、どこかで感じるような本が置いてある。映画とか音楽とか宗教とかジャンルは違うけれど、旅を感じさせてくれる本が絶妙にセレクトされていて、買わずとも本の並びを眺めているだけで面白い。

丸善・ジュンク堂・紀伊國屋みたいな大きな本屋で、色々なジャンルの本を眺め歩くのも好きだけれど、街の小さな本屋も好き。その魅力は店の好きな本が集められている点にあると思う。

本屋の魅力はキュレーションにある。

オススメの本

旅の本屋 のまど」で最近買った本。3つ。

①『文化人類学の思考法』

文化人類学という学問の面白さがこの本に詰め込まれている。今度noteにまとめたいくらいに面白かった。調査対象の「近さ」と比較対象の「遠さ」。遠くの彼らを知ることで、彼らと私たちの比較を通して、自分たちがいったいなにを「あたりまえ」として生きているのか。この世界のあり方を捉え直すための学問が文化人類学である。

旅や留学の目的が
「価値観の破壊」
である所以がここにある。

②ふかわりょう『スマホを置いて旅したら』

以前の記事でも紹介させてもらった本。スマホが日常を構成する一部になり過ぎているので、デジタルデトックス大事だなぁと。

③西 加奈子『くもをさがす』

カナダにて乳がんを患った西加奈子さんの闘病記であり、体験記であり、日記のような本。自分の弱みをまわりと共有しやすい社会、当たり前のように誰かに頼れる社会。いい意味でドライに接してくれる社会。そんな社会がカナダには存在する。登場する医療者の姿勢もウラオモテなくてかっこいい。

「私は弱い。私は、弱い。
日々そうやって自覚することで、
自分の輪郭がシンプルになった。」

どれだけ自分の弱さをさらけ出せるか。弱さこそ、人間の味になる。
海外に居たからこそ気付けることが沢山ある。



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