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長文エッセイ

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有休いただきます!車なし女子一人旅in沖縄の記録

前回(そんなものはない)までのあらすじ まずは東京を飛び出すんだ。 社用PCも持っていかず東京を出るんだ。とにかく沖縄に逃げるんだ。やることは沖縄に行ってから決めたっていい。そんな気持ちでチケットをとった。 シーズンとはいえぬ4月の沖縄。むしろ閑散期といわれているそうだ。ただ、海水浴したいタイプの人間ではないのでむしろ暑さが本格的になる前に沖縄で遊べる、わたしにとってはベストシーズン。 「車なし 女 ひとり 沖縄旅行」で検索し、なんとなくの旅程をイメージしようと思った

ありがとう、整くん

※このnoteには末期がんだった父の最期の様子が含まれます。苦手な方はまた別のnoteでお会いしましょう! ミステリと言う勿れをまた観ている 地上波に心惹かれない日が続いて、Tverを立ち上げてみたら、ビションフリーゼみたいな菅田将暉がいた。 既に2022年の冬に一度観終わったシリーズだけど、菅田将暉演じる久能整(くのう・ととのう)くんのキャラが好きで、また観てみようと再生ボタンを押した。 まさか泣かされるとは思わずに。 第一話、伊藤沙莉が演じる風呂光聖子(ふろみつ

生活はつづく

星野源さんの書籍に「そして生活はつづく」というタイトルのエッセイ本がある。 私は最近、この「生活はつづく」というワードを人生のスローガンのように脳内で連呼している。 昨日、父が緩和ケアへの移行を医師から勧められた。 次の検査は奥さんと一緒に来てください、と言われた時点で覚悟はしていた。 転移したがんも大きくなっており、治療薬を増やしたところ副作用で足の痛みが出て歩けなくなった。これ以上の積極的ながん治療は父の身体への負担が大きくなるだけです、とのことだった。 母からL

住む場所としての「浅草」のメリットデメリットを語ります

おはようございます。 いつか書きたい書きたいと思っていた「住む場所としての浅草」ってどうなん?をまとめました。 大前提、 私は熊本から上京し、環状7号線と世田谷通りに挟まれし大都会でしばらく過ごしているなかで「もうコンクリートジャングルは嫌や……!」と弱っていました。あと全部お店がオシャレ。なんかもうちょっと純喫茶みたいな場所があっても心のオアシスになるのに……。 そんななか、コロナ禍突入初期のころ、弊社もフルリモートワークに。これを機に、当時にわかに流行りだしたワーケー

母の性別を"母"にするな

母。ゆみこ。 私が生まれたときにはもう母は「母」であり、1人の「ゆみちゃん」という女性であることを私は意識せずに30年生きてきたように思う。 何年醸造してますか?と疑問に思うほどの年月、実家の洗面台には菊正宗の化粧水ボトルが置いてある。いつ見ても残量が似たような位置にある。 服は、もらうか、セール時のユニクロかしまむら。3000円の服を買う勇気が持てず棚に戻す。 ブランド名には詳しくない。一方で、なぜか我が家を台風の目のようにして親戚一同がやたら裕福なため、ブランド価値を

父がステージ4と言われまして

これは、ある日、父の癌宣告を受けたアラサーの娘が感じたことの長い長いメモです。 ふとしたときに感じるが、人生というのはいかに適度に『見えないふり』をしながら目の前のことを楽しめる時間を延ばせるか、だなあと思う。年齢や、時代と共に避けられない課題ーーーたとえば親の老いであったり、世間一般で言われる呪言のような結婚・妊娠の適齢リミットだとか。 アラサーである私にとって少なくともこの2つは、常に脳の一部にドンと鎮座し、見えないふりをしつつも確実に私のストレージをすり減らし続けて