同人誌の作成手順とその装丁に関して
同人誌を作るのって超大変だけど
同人誌を作るのは結構、いやかなり大変である。それは同人活動をした人間誰もが感じるところだと思う。でも、楽しい。それ故に、マゾい人間がやるには最適な趣味だと感じる。
一年を通じて小説本を数冊出してみて色々と勝手が分かってきたところがあったので、備忘録も兼ねてここに書き連ねてみることにする。
※はじめに、諸先輩方のnote等を参考に完成させることができたため、参照させていただいたアドレスを以下に示します。とても細かく記載されているので、初めて同人誌を作るという人にもとても参考になると思います。こうしたページを参考にしつつ、自分流の作り方みたいなものが見つけられると、以降スムーズに作成に漕ぎ着けるのではないかと。。。他にもたくさんのサイトを参考にさせていただきました。
①ナツメさん:「小説同人誌の作り方を毎回忘れるのでまとめた」
②アカツキユウさん:「【2022年版】磯野ー! 小説同人誌作ろうぜー! FINAL」
③たらにさん:「小説同人誌の版面設定(文庫/B6/A5)」
④もち子さん:「小説同人誌の段組を考える」
特に最初に本を作る際には、①のナツメさんの記事を隅から隅まで読んでから作成に取り掛かりました。それくらい、心の支えとなったホームページです。
作成手順(あくまで参考程度に)
モチベーションを上げる(本を読んだり、映画見たり)
「大体こういう話にしたい」というイメージをする
canva(後述)で表紙を作って更に気分を上げる
印刷所のページを死ぬほど見て、大体の装丁を決める
MAXで何文字書くか決める(再録等の場合は飛ばす)
とにかく書く
出来上がった文字数を計測して、文字数カウンター(後述)にぶち込む
概算のページ数を見て、×何冊出すかを検討、印刷所に仮予約をする
縦式(後述)に流し込み、レイアウトを大体決める
pdfで出力し、SideBooks(後述)で確認
canva→MediBang Paintで表紙画像を最終決定→psd出力
縦式に戻り、ルビ、改行等がおかしくないか訂正し、再度pdfで出力
ひたすら10と12を繰り返し、出来上がった原稿をフォルダにまとめて保存
入稿(やったー!)
イベント当日(大体会場直接搬入)
自分でもなんだこのごちゃり具合は……となっているが、大体こんな感じ。特に10と12を往復する辺りで大体毎回挫折している。頭の中は「こんな話誰も読みたくねえだろ」の嵐。ちなみに、小説で現ジャンルで一番はじめに出した本はオンラインイベントだったので、印刷所さんに自宅に発送してもらい、その後自家通販で頒布した。
同人誌作成に使用しているツール
Bear
私は執筆する際、Bearを主に使用している。このツールの便利なところは、総字数を表示できるところ。「そんなのどのツールでも同じだろ」と言われそうだが、これに加えて編集画面がとてもスタイリッシュで、かつメモ毎にハッシュタグで管理できるところがこのツールのいいところ。毎月150円課金して、複数デバイスで小説が書けるようにしている。iPadとiPhone、あとはたまにMacBook Airでも執筆することがあるため。こうしたデバイス間で同期されている安心感は凄まじい。
Canva
canvaは字書きにとっては超素敵な表紙を作れる神ツール。私は毎月課金している。少々値が張るが(月1,280円くらい)とても便利なツールである。
ちなみに、課金をするとキャンバスのサイズ変更ができるようになる。これが結構大事で、元々canva上でテンプレートとして存在していたものを改造して本の表紙を作ろうとすると、自ずと元キャンバスからサイズ変換をしなければならないタイミングがやってくる。そのため、自由にサイズが変更できる課金後はとっても使い易い。また、課金するとデザイン上で使えるフォントがめっちゃ増える。(嬉しい)
なおcanvaでいい感じに表紙を作ったあとはpngで保存する。その際に画像は何故かかなり小さめに、解像度荒めで出力されてしまう。解像度を変えることは現段階でかなり厳しそうなため、色々試してみた結果、2倍の大きさで出力するとちょうど良さそうという結論に至った。
この後、MediBang Paintで印刷所が配布しているテンプレートにはめ込む形でダウンロードした画像を配置、psdで保存する。
文庫本の際のカバーも大体同じ感じで、使いたいフォントがcanvaにしかない場合が多いので、ちまちまcanvaで作成してメディバンで最終調整、という流れになる。
canvaで元々アップロードされているテンプレートが本当に優秀で、少しデザインを変えるだけでかなりいい感じの表紙ができて、テンションが上がるのでオススメ。
縦式
お前のこと、好きだけど嫌いだよ(?)
これまで作成した本は全て縦式で原稿を完成させています。
縦式くんは買い切りの存在しないMicrosoft WordをApple製品で使いたい人には最適なツールだと思います。ただ、癖はすごい。何と言っても、完成後のイメージをあんまり見ることができずに段組をしなければならないから(テキストエディタだからそれはそうなんだけど)
完成のイメージに編集画面を限りなく近付けることも可能なんだけど、私はそれよりかはさっさと出力して外部のアプリで出来上がりを確認したい派。
段組の話は後述するとして、縦式くんには本当に頭が上がりません。いつもありがとう。最近は、ちょっと仲良くなれた気がする。
自分の持っている文庫本を引っ張り出して、定規で測ってその段組を試すとか、あとはネットに書かれている段組を試したりと、めっちゃ試行錯誤した。その辺りの感覚は、もう自分で弄ってみるしか体得する方法はないかもしれんです。
SideBooks
縦式での作業が終わったら、このアプリにpdfを突っ込んでレイアウトの確認をする。Dropboxからアップロードできるから、アカウントを持っていると楽かもしれない。
こんな感じでiPad上で確認できる。便利。ペンツールで朱を入れることもできる。ノンブルやルビ、その他諸々の確認をここでする。
文字数カウンター
アカツキユウさんが作成してくださったサイト。https://tool.albalunaweb.net/pagecount/
本当にこのページが大好きすぎて、一時期ずっと文字数入れてページ数の概算を見てニコニコしてた。大体のページレイアウトが決まっていたり、印刷所が決まっていたりするとかなり便利。小説本だけの悩みではないかと思うけど、同人誌を作る上で本文用紙って結構重要なウェイトを占めていて、その厚さも込みで計算してくれるサイトってこの上なく重宝するんですよね。(某ひろゆき)
そんな訳で、印刷所に予約を取る際も、このページで概算してから検討することも多い。
iLovePdf
canvaで目次と後書きを作成、pdfで出力、縦式で本文を出力、その後全てのページを合体させるのに使う。このページで合体させたものを再びSideBooksで開き確認、という作業工程である。
以上が、私が同人誌を作成する際によく使っているアプリ、サイトである。
段組の話
とりあえずよくある小説同人誌で一通りのサイズは作成した(ハズ)なので、その同人誌毎の装丁の話も交えつつ、書いていけたら……と思う。
段組を考えるのが一番しんどい。他の人の段組も、試してみると意外とあっさりしすぎだとか、こってりしすぎだとか、色々思うところがある。自分にぴったりな段組は自分で見つけるしかないのか……という絶望感に、いつも苛まれる。
そして、まず謝らなければならないのが、縦式での設定が全て消えてしまっていたため、定規で改めて各本の行間などを測り直したということ。特にフォントサイズなどは全く当てにならない可能性があるため、あくまで「目安」として見ていただきたい。
ちなみに、紹介した本の半分以上がR-18本だが、性行為の描写のないページを採用している。
A5
多分小説同人誌だと一番デカいサイズなんじゃないかと思う。
これまで頒布した全ての本で2段組を採用している。レイアウトはギュッと詰まっている感じがして、個人的には読むのがちょっと大変。
ひとでなし(2023年1月21日発行)
MORGENROT(2023年5月4日発行)
白昼夢(2023年8月27日)
この心臓はアンタのもの(上と同日)
1.ひとでなし
2. MORGENROT
完全に表紙の紙はこのカップリングだったらこれ!で決めた気がします……。
3. 白昼夢
この辺りからちょっとずつ同人誌作りに目覚め始める……。
表紙のパールスノープラチナという紙はチラチラとラメっぽく輝くパールが素敵な用紙。クリアPPをかけると、よりそのザラザラが強調されたような気が。恐らく、この時から縦式標準装備の游明朝体ではなく、「源瑛こぶり明朝v6」を使い始める。
4. この心臓はアンタのもの
本文用紙、インクともにピンク色の本。まごうことなき、R-18本である。3.で紹介した本と同じタイミングで作成したので、レイアウトはほぼ一緒。
B6、新書、文庫サイズも紹介したいのだが、体力の限界がきたので、また次回ということで。というか、縦式の設定くらい保存しとけよと自分にツッコミを入れてしまうくらいには、毎度手探りで本を作っていて、もしこれが会社だったらマニュアル化しろよと指摘が入りそうな勢いを感じた。今回の反省です。
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