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あての夏休み③パジャマを着ろ


 
3日目 パジャマを着ろ

 高校からつい最近までわたしは、ジャージや変なTシャツなどを寝巻きがわりにしていた。冬はスウェットで寝ているものの、パジャマというものをわざわざ着ることを完全に忘れていた。小さい頃はよく着ていたが、それは親がジャスコやしまむらで買ってきてくれたものだったかと思う。自分からパジャマが欲しい!と言ったことはないと思う。

 パジャマの需要があまりよく理解できていなかった。寝るだけなのにわざわざ「パジャマ」を着るのがわからない。捨てようか捨てまいかのレベルのヨレヨレのTシャツが一番着心地よくないか。

 また、そもそもあまり好きではなかった。ふわふわのパジャマの毛が、首元をサワサワするのも気持ち悪いし、露出が激しいものだと起きてすぐゴミ出しに行けない。ジェラピケのパジャマは確かに可愛いが、寝る前の「妖怪・眉ナシおばけ」には似合わない。いや、わかる。あれは可愛いよ。素材もいいし。でもいいかな、高いし。
 
 そんなわたしの生活の中で、非常に優先度が低い「パジャマ」だったのだが、なんと去年あたりからパジャマを着るようになった。
 
 去年の夏、わたしは寝ている間に大きな寝違いを起こして体を痛めた。
その日は超ベリーベリービッグサイズのアメリカン農夫が着るようなTシャツを着て寝ていたわけだが、なんとそのTシャツの裾が、寝返りをうっている間に、体に巻き付いてしまい、身動きが取れずになってしまったのだ(これガチなんです)。よく人質にされた人間がロープでぐるぐる巻きになっている画がよくアニメや映画で目にすることがあるだろう、あれに近い形だった。
変な姿勢から身動きが取れないまま長時間寝ていたので、起きた時は体がバキバキになっており、また体の下敷きになっていた手の指は血が止まっており紫色になっていた。特に被害が大きかったのが首と肩、腕。1週間ほど、痛みは治らなかったかと思う。

この出来事をきっかけに、自分の寝巻きスタイルを振り返ろうと思った。そしてやっとわたしは「パジャマ」という市場が、この令和の時代になっても、廃れることのない社会的需要性があるということを理解することができた。わたしの感覚は、やっと令和に追いついた。以降、パジャマ生活になったのだ。
 意外と着心地はいいし、寝るだけと言っても少しでも可愛いものを着るだけでも心がワクワクする。ふわふわの毛が首にまとわりつくデザインはそもそも買わなければいいし、露出が激しいパジャマはその分洗濯してもすぐ乾くから結構便利。
「パジャマ」っていう衣類なんですけど。みなさんおすすめです。


妖怪・眉ナシお化け、可愛いパジャマを着て
今日もぐっすり眠るとします。



今日は終わりー!

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