見出し画像

温泉旅行に行った


先日記したように30歳になったので、自分へのご褒美として草津温泉に行ってきた。



   


感想、めちゃくちゃ良かった。

何がいいって、ザ・観光地というところだろう。ホスピタリティ最高の場所でした。
安い宿に泊まりましたが、温泉はもちろんご飯も美味しく、最高の時間を過ごせました。

行きは鈍行、帰りは長野原草津口駅から特急で上野まで乗ってきましたが、鈍行も良かったよ。鈍行の方が特急使うより半分の値段で行けるし1時間ほどしか移動時間に変わりはない。

なにより、鈍行の方が「田舎」を味わうことができてとても良かった。


田舎の学生同士の会話にはドラマがある。
東京の学生と違って、駅で友達同士で大笑いしながら話をしている学生を多く見かけた。東京の学生は、駅では1人静かに携帯を見てるか、英単語帳を見ていることが多い気がするが、田舎の学生は周りを気にすることなくエネルギーたくさんの「学生」をしていて見てて懐かしくなった。


 新前橋駅から長野原草津口駅に向かう列車での出来事。見るからに野球部のイガグリ頭がが雨に濡れながら、息をあげて列車に乗ってきた。これも列車が少ない田舎に見られがちな光景であるが、そのイガグリ頭の野球部はわざわざ飛び乗ってきた列車のドアから遠い席に1人腰掛けた。何かを察したように。

 数分ほどハァハァ息をあげて、パンパンのリュックからタオルを出して汗を拭っていたイガグリの彼のそばに、少し大人びた学生が近づき「これ使いなよ」と、汗拭きシートを渡した。イガグリは「お疲れ様です、これいいんすか?」と話をしているところを見たところ、2人は何かしらの関係のある間柄のようだった。
大人びた学生が「いいよ。」と優しく声をかけたあと、ぺこりとお辞儀をしてイガグリは汗拭きシートを開け、「彼女ですか?」と、大人びた学生に聞く。
 そう、大人びた学生の隣の席には女の子がいた。彼とその女の子はイガグリが飛び乗ってきた列車のドアの目の前に座っており、イガグリはそれに気を使って離れた席に座ったのだった。
大人びた学生は「いや、ただの同級生だよ。」と。そして続けて「オレいまキャッチャーやってんだ」と、無我夢中で汗拭きシートで顔を拭くイガグリに声をかけた。イガグリは「え?なんで?」と時間が止まったような悲しい顔をしていた。「左右の肩甲骨がズレちゃって、前みたいにできなくなっちゃったんだよね」と返す大人びた学生。どうやらイガグリと大人びた学生は、先輩後輩の関係らしく、おそらくイガグリは中学生(にしては体出来上がってたけどな)、大人びた学生のほうは高校生らしい。2人とも同じチームの野球部であったことが予想される。

「それ全部あげるから。頑張れよお前は」と優しく声をかけ、女の子の隣の席に移動する大人びた学生に、またぺこりとお辞儀をするイガグリ。イガグリはもらった汗拭きシートをアホのように何枚も使い、しばらく経った後は大きなラップで包まれたおにぎりを食べ出した。

そのおにぎりはどういう味だ?と聞いてみたい。彼女がいる先輩への憧れの味か?それとも昔みたいに満足のいくプレーが怪我によりできなくなった先輩に対して悲しい思いが募った味か?それともそんなこと考えてない、いつものオカンが作ってくれたおにぎりそのままの味なのか?

あとそこの大人びた学生の君にも聞きたい。汗拭きシートをあげることを目的にイガグリに話かけたのか?それとも、怪我の影響によって今キャッチャーをやってることを後輩に伝えたかったのか?彼女と話をしてる自分に対してに気を遣ってくれたことに感謝をしていることを教えたかったのか?


少ない会話の中だったが、2人の会話にはドラマがあったと思う。聞こえないふりをしていたが、その場面をはっきりと目で見て耳で聞いてしまったわたしは、本当はその場で2人はなにを話したかったのかが気になった。ちなみに、彼女(ただの同級生だよと言われていたが)は、可愛かったよ。

そんなこんなで考えていたらあっという間に長野原草津口駅に到着。降りると、もうゴールデンウィークだというのにも関わらず、田舎独特の澄んだ寒い空気が肺の中を巡ってきた。
この時はまだ草津温泉に到着していないのに、素晴らしいシーンを目の当たりにしてもうすでにわたしは感動していた。
田舎はこれだからいいんだよな。お風呂入っている間も少し考えたりした。野球部がんばれー!


今日は終わりー


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?