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青色壱号は反転術式使い

青色壱号とは、ベーシスト・一ノ瀬がっしゃんのソロプロジェクトである。がっしゃーん!

2021年の夏、初めて「青色壱号」のライブに行った。青色壱号が始動してまだ数か月のこと。

当時はまだコロナがどうこうで騒がしく、対バン出演者がキャンセルしたり会場が変更になったりの末、最終的に「下北沢ろくでもない夜」という店での開催に。出演者のキャンセルのせいで実質がっしゃんが一人で回さないとならなくなったのだが、私はその辺事情がよく分からず(そもそもインディーズのライブに行き始まって3か月)、「第1部 一ノ瀬」「第2部 青色壱号」と書いてある入口のボードを見て「一ノ瀬ってどういうことw?」とちょっと面白がったりした。

しかし、その当日とその半月ほど後のライブで確信した。重めの荷物背負ってる人じゃんよ。反転術式使い・・・この手の人の作るものこそ私の胸を打ってやまないのだ・・・。

反転術式とは

反転術式とは、呪術廻戦という漫画に出てくる呪術技法の一種。高度な技術を要するため使い手は限られる。負のエネルギーである呪術を反転させてアウトプットし、肉体その他の治療を可能とする技術である。詳しく知りたければ呪術廻戦の原作や解説記事を見てくれ。

負のエネルギー × 負のエネルギー → 正のエネルギー

その後青色壱号のキャッチコピーを知り、ライブでの確信がさらに高まった。これ ↓ だ!

地上に最も近いアンダーグラウンド!

他にも、配信で「明るい闇」とかいっていたし。驚いたね、この手の術者を見つける自分の才能にW

ララァ、奴との戯言はやめろ!


ホント、やめようね

3.11の震災くらいからかな、日本人が表で話す内容が偽善的なキレイごとばかりになっている。ちょっと異常なレベルだからね。カルト宗教を笑えない。逃避なんだと思うよ。青色壱号の歌詞は、そんな社会と闘っているように見える(ちなみに、一ノ瀬がっしゃんの趣味は女子プロレスを見ることだ)。

例えば、私が一番好きな "LAST DANCE"の歌詞から抜粋しよう。

余命カウントダウンはもう止まらない どうせいつ死んだって同じでしょ

青色壱号 "LAST DANCE"より

このフレーズですぐ連想されるのは、有名な葉隠れの一節だろう。

武士道とは死ぬことと見つけたり

山本常朝「葉隠」より

これねえ、現代の日本人からもっとも遠い心持なんよ。特攻精神じゃないよ。「死ぬ」ってことをまともに見つめることでこそ、生が最高に活性化するという考え方だから。

次は、ベルセルクという漫画での主人公に対するドクロの騎士の指摘なのだが、これも通じるものがあるね。作品が作品だけに少しシビア過ぎるが。

お前は誰よりも死に近く、それゆえ死より逃れる術に長けている

「ベルセルク」より

"LAST DANCE"には、他にこんなモロの歌詞も入ってるよ。

さあ最後のダンスを踊りましょ
薄い美談で片づけないで

青色壱号 "LAST DANCE"より

がっしゃんの曲を薄い美談で片づけたら失礼。

Damian Hamada’s Creaturesへの参加

2023年後半、さらに一ノ瀬がっしゃんが反転術式の使い手であることが証明された。聖飢魔Ⅱの創始者であられるダミアン浜田陛下の率いる、Damian Hamada's Creatures(略してD.H.C.)にベーシストとして加わったのだ。

これねえ、私しばらく無視してたんだけど、千秋楽のライブの配信を見て反省しましたわ・・・凄くいいイベントでやんの。なんだこの浄化されたような気持ちは。悪魔じゃないのかよ・・・だから反転術式だっての・・・。

D.H.C.は今年もライブをやるってよ。行かずばなるまい。

もう一人の反転術式使い

ここでもう一人の反転術式の使い手を紹介しておく。星守紗凪ちゃんだ。

この演劇は紗凪ちゃんが主人公で、ナチスに参加している設定。どんな役どころかは、オープニング動画で歌っている次の歌詞でわかるだろう。

何だっていい どうだっていい 世界なんてものに興味ない
人が死ぬとき どんな言葉を吐きつけてくれるのか
それが知りたい

「女王虐殺」OP歌唱より

ただ人を殺したいからナチスに入ったといっているが、心底それだけではないことが伝わるのではないか。だからといって「本当はそう思っていない」というわけでもない、というのが味噌だ。この辺の苦悩がね・・・青色も・・・。

この演劇は、ナチスという集団を全員女子がやることで、演劇自体が反転術式として成立している。そこに主人公として張れるのは、星守紗凪ちゃんしかいまい。

地上に最も近いアンダーグラウンド

いまは漫画やアニメで、女子キャラがなぜか男子より「かなり」戦闘力のある存在として出てきたりする。アニメで勘違いするお子様が多くて困るが、現実では女子は戦闘向きじゃないから・・・どうなっても知らんよ。

しかし、一ノ瀬がっしゃんの闘いっぷりには心打たれる。本物だ。そもそもVo.専門家でなかった彼女が「ベースヴォーカル」を始めるにあたっては、死中に活を得る心持だったんでは?初期ではパソコンがきちんと動かなかったりという場面などもあり。

私事になるが、私は何度か死にかけた、というよりは長いこと死が間近にあった経験を持っている。よって「胸に無限の炎を抱き」ながら、”LAST DANCE”を踊る青色壱号を追うのだ。物販にはなかなか行きませんが(敬語)。

いまという時代、その場しのぎの明るい話をしていても腐っていくだけ。青色壱号の曲を聴いたりがっしゃんの独特の立ち居振る舞いを見て帰ったら、自分でも反転術式を生活で実行することをお勧めしよう。

私の願いを私が叶えるの

青色壱号 "LAST DANCE"より


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