君に届かない
君と一緒に住んで、もう何十年以上経つ
普段の食事は私が作る。
私が体調を崩すと、外でご飯を買ってきてくれる君。
一時期、天津飯を買ってきてくれることが多かった。
君がよく行く店は、中国人のマスターが経営。
天津飯は日本の呼び方で、中国では芙蓉蟹と呼ばれていると知ることになった。
ここで問題発生、中国人のマスターは卵の中にかなり大きめの玉ねぎを入れていて、あまり火を通さない仕上がり。
君には伝えてあったはずだが、私はネギ系は苦手なの。
普段なら我慢して食べられるものも、体調不良の時は無理でして。。。
そういうことが、数回続いた時に、芙蓉蟹はあまり好きじゃないと伝えた。
私が好きだと思っていつも買っていたと悲しい顔。
お互いの気持ちはすれ違い。
体調が悪い時は「こってり系」は無理と伝えたはずだったが、最近、私が体調不良になり、買ってきてくれたお惣菜。
コロッケ、メンチカツ、シュウマイは、ちょっと体調不良の時は無理なのよ。
私も今回は何も言わずに、ありがとうだけ伝えたが、どれも食べられなかった。
こんな私の思いが通じてか、君から思いもよらない言葉が飛び出した。
今日の夕飯はあっさり系のおでんにしようかなと。
大根とこんにゃくを多く入れてくれるように頼んでおいた。
でも、まだまだ、私の思いは君には届かなそう。
昨晩も、食欲のない私にと買って帰ってきてくれたけれど、体調不良の時は、和食に限る。
山根あきらさん
青ブラ文学部
「君に届かない」に参加させていただきます。
山根さん、よろしくお願い致します。
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