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#映画感想文317『貴公子』(2023)

映画『貴公子(原題:The Childe)』(2023)を映画館で観てきた。

監督はパク・フンジョン監督、出演はキム・ソンホ、カン・テジュ、キム・ガンウ、コ・アラ。

2023年製作、118分、韓国映画。

韓国ノワールアクションと銘打たれているが、正しくは韓国ノワールアクションコメディと言っていいぐらい、緩急のある作品だった。

マルコ(カン・テジュ)は、フィリピンのボクサー。フィリピン人の母親と韓国人の父親を持ち、コピノと呼ばれている。母親は病に伏し、マルコはその治療費の金策に奔走している。そんな彼のところに、韓国人の弁護士がやってきて、とある韓国の財閥の理事長の息子であったことが告げられる。父親も危篤状態であり、資産の相続ができるのだろうかと淡い期待を抱き、マルコは韓国へ旅立つことになる。

韓国に到着すると、殺し屋の貴公子(キム・ソンホ)がマルコを捕えようと追いかけてくる。それ以外にもマルコの命を狙う勢力がいて、マルコはずっと走って、逃げ続ける。観客は「マルコ、頑張れ」と手に汗握って見ることになる。

アクションがすごい、というレビューを見かけ、観に行ったのだが、いやはや、キム・ソンホのさわやかなサイコパスっぷりが見事だった。笑顔でへらへらしながら、容赦なく人を殺していく。ブランド物のスーツが雨に濡れるのを嫌がったり、靴に血が飛んだりすると、ブチ切れる。

そして、韓国の金持ちが絶対的な悪として描かれているところも、清々しいほどだった。

笑えるところと、笑えないシーンの塩梅が絶妙で、すんごいエンターテインメント作品を観てしまった。もう一回、映画館で観ておきたい。

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