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2022年Femtechトレンド別予測:更年期障害

2022年2月9日(水)、Femtech Community Japan第12回イベント「Femtech総まとめ2021-2022:第2弾 世界&日本の重要ニュースと動向」において、2021年Femtech振り返りと2022年予測について話しをした。

当日は80名以上の方に参加いただいたが、2022年トレンドのひとつとして「更年期障害」があり、その内容をお伝えする。

岸田内閣で、女性の更年期支援策検討へ

2022年2月7日、岸田文雄首相が衆院予算委員会で、女性の更年期障害が日常生活に与える影響についての調査研究を2022年度から実施すると明らかにした。
英国ではすでに、更年期が社会問題へと発展し、国が対策に乗り出しているが、日本でも更年期支援に対する動きが徐々に広がりつつある。

米国の更年期サービス3選

昨年、六本木で開催された「Femtech Fes!」でも、更年期製品のほとんどが米国のものだったが、今回紹介する製品も米国のもの。
治療だけでなく、それに伴うセルフケアのサポートも考慮した製品・サービスが増加している印象を受ける。

gennev(オンライン診療+α)

オンライン診療+αの観点で紹介したいのが、シアトルのgennev。

Microsoftに勤務していたファウンダーが創業し、更年期向けのオンライン診療を提供しているが、無料アセスメントやサプリメント販売なども融合して行っている。

筆者は、更年期の女性たちにヒアリングをする機会があるが、40代後半の更年期症状が出始めの女性たちから「私は更年期(障害)なんでしょうか?」という質問を受けることが多くある。

以下の「Gennev Menopause Assessment」をインターネットで受けると、自分が更年期症状・障害のどの段階にいるのかわかる。筆者も実際に受けてみたが、上記のような「自分の状態を知りたい」というユーザーには響くと感じた。

Femtech Community Japanで開催したイベントでも、更年期は必ずしもソリューションの提供まで必要ではなく「自分の状態を知りたい」という悩みもあるのではという話しも出ていた。
こうしてアセスメントで自分の状態を把握。おススメのサプリメントをレコメンドしてくれたり、ノンストップでオンラインで相談できるサービスというのは、日本でも求められているのかもしれない。

Renovia(骨盤底筋)

骨盤底筋の観点で紹介するのが、ボストンにあるRenovia。

更年期になると骨盤底筋が弱まり、膀胱のコントロールがきかなくなることがある。その結果、尿漏れなどの症状がおきる場合がある。

同社では、骨盤底筋を鍛えるデバイスを開発。医師の処方を元に使用可能でFDAを取得。スマートフォンと連動させ、回復の度合いをチェックできるというもの。

筆者がお医者さまと話したとき、骨盤底筋のトラブルで受診された患者が治療して症状がよくなると、その噂を聞きつけた近所の人たちがこぞって治療にくるという話しをしていた。
また、とあるWebメディアの方も、更年期の特集をしたときに一番読まれたのが尿漏れに関する記事だったとのこと。

いかに秘めた課題を顕在化できるかがポイント。ユーザーとのコミュニケーションをうまくとれれば、解決策を見出せるかもしれない。

Bone Health Technologies(骨粗しょう症)

骨粗しょう症の観点で紹介するのが、サンフランシスコにあるBone Health Technologies。

日本において、40歳以上の骨粗しょう症の患者数は男性300万人、女性980万人と、男性の3倍いると言われている。

骨粗しょう症の予防には負荷の高い運動が有効と言われているが、デバイスを1日30分、週に4~5回腰につけることで同様の効果が期待できる。NASAが宇宙空間で行ったトレーニング技術を利用しており、特許も取得。

お医者さまと骨粗しょう症の話しをしたとき、更年期に限らず骨粗しょう症の予防によいデバイスがあったら使いたいという話しが出ていた。骨粗しょう症は注目すべき分野のひとつでもあると感じている。

Femtechを事業展開するうえでの注意点

Femtechは医療やヘルスケアの一部でもあるため、特に日本においては薬機法や医療法にもとづく厳しい法規制がかかっている。
その他、特許やビジネスモデルについても、より注意が必要な分野である一方、Femtechは新しい分野でもあるためエビデンスが確立していない部分もある。注意しながら業界を盛り上げて行きたい。

【2/19(土)イベント登壇】078KOBE EDU フェムテックや不妊治療の悩みを通じ、相互理解を深めよう

2022年2月19日(土)13:00~13:50、078KOBE EDU オンラインイベントでFemtechについて筆者が講演。
Femtech初心者向けの内容になっており、「なぜ今フェムテックなのか?」という観点で、グロービス経営大学院の仲間と一緒に話す予定。

オンラインかつ無料なので、土曜日のお昼、気軽に参加していただけるとうれしい。
このイベント案内をSNSで流したとき、反応してくれたのは神戸出身者&在住者。「078」は神戸の市外局番なので、わかる人は反応してくれるようだ。

↓申込はpeatixから!

【2/28(月)イベント案内】データ取得・解析・活用を加速させるマッチングイベント

2022年2月28日(月)19:00~。先日、岸田総理も来場されたCIC Tokyoにて、Femtechのデータ取得・解析・活用を加速させるため、Femtech企業とデータサイエンティスト・研究者のマッチングイベントを開催。

オンラインとオフラインのハイブリット開催。登壇されるFemtech企業は、日本を代表するFemtech企業ばかり。
ぜひ、会場&オンラインでお会いしましょう!