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2022年第1四半期・日本のFemtech(フェムテック)ニュース振り返りと予想

筆者がチェックしているニューヨークのヘルスケア資金調達レポートが、第1四半期のレポートを発表。すでに2022年の4分の1が過ぎたことに驚いている。

3月8日の国際女性デーをきっかけに、Femtech事業をリリースしたり、調査レポートを発表する企業もあることから、Femtechにとっては動きの多い第1四半期。
そこで、2022年第1四半期の日本のFemtechニュースや、今後の予想を考えてみた。

【振り返り①】大手企業のFemtech進出

Flora×東洋紡

2022年1月、女性の健康課題の解決に取り組むFloraが、妊婦や産後女性のメンタル不調をスマートテキスタイルを使って検出。適切なタイミングで対応することを目指す実証実験を開始した。
東洋紡が手掛けるスマートテキスタイルを活用して、妊婦や産後女性の心拍や体温をモニタリングしながら、メンタル状態と組み合わせて解析している。

コロナ禍において、産後うつは3倍になったというデータもある。また、生体情報のモニタリングに関しては、腕時計型などが一般的だが、衣類を使ってモニタイングするとのことで、より正確なデータが取得できる可能性もあり期待したい。

イオンモール

2022年3月、埼玉県越谷市にあるイオンレイクタウンに、フェムテック専門店「byeAUS(バイアス)」をオープン。
2022年8月31日までの期間限定だが、フェムテック製品は手に取って、説明を受けてはじめてわかることもある。
このような専門店が地方部にも広がることで、フェムテック製品をより身近に感じてもらえるきっかけになれば、市場も広がっていくのではと感じる。

【振り返り②】不妊治療の保険適用影響

損害保険ジャパン

2022年4月、損害保険大手の損害保険ジャパンから、法人向け「不妊治療と仕事の両立支援プラン」の販売開始。
体外受精・顕微授精または男性不妊治療を受けた法人の従業員およびその配偶者に対し、企業等が社内規定に基づき、不妊治療給付金をお支払いした費用を保険金としてお支払い。

不妊治療を受けている従業員およびその配偶者を、企業が福利厚生として金銭面で支える。

海外、特に米国では、不妊治療の福利厚生はテック企業を中心に増加しているが、日本でも「不妊治療×福利厚生」のサービスは増加傾向にあるようだ。

グレイスグループ

2022年4月、卵子凍結サービス等を提供するグレイスグループが、サイバーエージェントより約2.8億円の資金調達を実施。
グレイスグループは、2022年4月15日に「グレイス杉山クリニックSHIBUYA」をオープン。情報発信の拠点として、女性の妊よう性についてのリテラシー向上に向けた啓発や情報発信も行っていく予定。

【振り返り③】イベントやムック本

フェムテック推進EXPO ONLINE

2022年2月、企業向けのフェムテック推進EXPO ONLINEが開催。
フェムテックに限らず、育児と仕事の両立など、50社を超える企業が3分間のライブピッチを実施しており、筆者もオンラインで拝見した。

国際女性デーには、フェムテック推進EXPOアンバサダーが東京駅をジャック。ミモザの花を持ったアンバサダーの方々が、東京駅に彩りを添えていたのは記憶に新しい。

anan特別編集 私たちのフェムケア2022

2022年3月、マガジンハウスから「anan特別編集 私たちのフェムケア2022」が販売。
ちょうどこの販売にあわせて、新宿マルイ本館でも、フェムテックイベント「Well-being Village」が開催。ゲストによるトークベントやセミナーなどが実施された。

【振り返り④】保険×フェムテック

ニッセイプラス

2022年4月に日本生命100%子会社として設立された少額短期保険「ニッセイプラス」で、妊婦向けの母子医療保険を販売。
少額短期保険の分野では、産後うつなど含め、女性向けの保険が増えてきている。
これまで大手の保険会社が対象としていなかったユーザー層を取り込むことで、新たな顧客を開拓するのが狙いと、筆者は推測している。

住友生命保険相互会社

2022年3月に開催された「女性からだ会議大賞2022」で、住友生命保険が大賞に選ばれた。
住友生命の健康増進型保険「Vitality」。健康増進型保険が、日本の生命保険の主流になりつつあるが、Vitalityは約20年前に南アフリカで生まれたもの。

「Vitality」を中心に、住友生命保険では、保険サービスの部分でフェムテックサービスを展開。

海外では、保険テック投資額が過去最高を記録。特に生命・医療保険関連が拡大しているため、この傾向は日本にも来るのではと推測。

【まとめ】2022年これからの日本のFemtech予想

最近のメディアで注目している「更年期」。これまではNHKを中心に報道していたが、国際女性デーをきっかけに民法各局でも報道を始めた。

今年のトレンドは間違いなく「更年期」だと思っている。これからどのようなサービスが生まれてくるのかチェックしていきたい。

【情報共有】経済産業省フェムテック等補助金

昨年に引き続き、令和4年度もフェムテック等サポートサービス実証事業費補助金の公募が開始された。
2022年5月11日(水)正午締切とのことで、詳細は上記リンクをチェックしてください。