見出し画像

書籍紹介『ポイントマスター!ロービジョンケア外来ノート』

『ポイントマスター!ロービジョンケア外来ノート(神戸アイセンター病院)』という本の紹介です。

本当はもっと早く紹介したかったのですが…なんせ盲学校に寄付してしまい…こんな状況でなかなか訪問できず…で、先日訪問する機会があったので、無事に?手元で見ることができ、遅くなりましたが改めて紹介する次第であります。

この本は、神戸アイセンター編纂で、その理念でもある医療と福祉を繋げることを目的として作られました。眼科外来で眼科医や視能訓練士が“プラスワンのアドバイス”をし、福祉につなげる橋渡しをする助けとなる一冊がコンセプトです。

神戸アイセンター病院内には、NEXT VISIONが運営するアイセンターがあることでも有名ですね。

その網羅されている範囲はとても広く、僕の記事を全部合わせたよりも広いです笑。

僕自身も記事を書くのに参考にすることもありますし、この本のようにいろんな情報を発信していくのが僕の目標でもあります。

そんなこの本、『ポイントマスター!ロービジョンケア外来ノート』の目次を三輪書店オンラインショップより引用します。

Chapter1「視覚をフル活用しよう」
1-1使える視機能を評価しよう

視力
 視力検査の心得 / 視力検査の注意点 / 通常の視力表では測定困難な患者さんの場合
視野
 視野検査の心得 / 静的視野検査の注意点 / 動的視野検査の注意点 / 視野検査の結果からわかること / その他に知っておくべきこと / 通常の視野検査では測定困難な患者さんの場合
読書速度
 読書速度検査の心得 / MNREADの基本情報 / 読書速度から推察できること / MNREADの検査方法 / パソコン版MNREADの使い方
1-2視覚補助具を的確に選定しよう
拡大鏡
 拡大鏡の選定 (近くのものを拡大する) / 中間~遠くを拡大する道具
拡大読書器
 基本機能をひと通り理解しよう / 選定のチェックポイント / 自宅で一人で使う前に知っておいてほしい知識と技術 / 拡大読書器Tips
遮光眼鏡
 見えるのも光, 見えを邪魔するのも光 / 「明るすぎ」「暗すぎ」を評価 / 周辺光による見えにくさの評価 / 「遮光眼鏡」で邪魔な光から見やすさを守る / “遮光眼鏡以外の工夫”で邪魔な光から見やすさを守る / 明るさが不足するときの工夫
1-3視野障害への対策
視野と眼球運動
 視野機能と眼球運動の対応 / 情報探索特性からの視野分類 / 眼球運動の確認 / 視線と注意 / 同名半盲の右と左
中心暗点対策
 偏心視域 (PRL) って何 ? / PRLの推定法 / 偏心視と偏心固視 / 利き目って何 ? / 偏心視訓練の注意点 / 偏心視をする外見の社会的インパクトを考慮 / 超拡大を活用しよう
視野狭窄対策
 遮光眼鏡で視野狭窄をカバーする / 眼球運動で視野狭窄をカバーする / 膜プリズム眼鏡で眼球運動をカバーする / 象眼鏡で視野を広げる / 暗所視支援眼鏡で視野狭窄をカバーする

Chapter2「視覚以外の感覚を活用しよう」
2-1文字情報をゲットする

聴覚を使って読む
 プリントの文字情報取得 / 書籍の文字情報取得 / 教科書の文字情報取得 / その他の生活情報の取得
触覚を使って読む
 点字のいろは / 点字を読むには / 点字データの活用
2-2位置情報をゲットする
手元の確認
 凸シール / 食器の選定 / 家庭用電化製品を選ぶときのコツ / 飲み物を注ぐコツ / お金の弁別と財布
自宅での移動
 安全に歩くコツ / 住環境の整え方
安全な外出
 白杖について / 歩行訓練 / 歩行環境の整備 / 社会の理解向上 / 手引き者の技術向上 / 盲導犬 / 同行援護

Chapter3「支援制度を活用しよう」
3-1ロービジョンケアの心構え

あなたも支援制度の一角を担っている !
3-2支援制度を使いこなそう
身体障害者手帳と社会福祉サービス
 補装具と日常生活用具 / 受けられる社会福祉サービス (身体障害者手帳の等級別) / 身体障害者手帳に紐づかない支援サービス
経済支援
 障害年金の対象かを確認しよう / 生命保険の高度障害保険金 / 優遇措置 / その他の福祉制度 / 望ましい方法はリハビリテーションして就労
頼るべき人
 視覚障害のことで困ったときの相談窓口 / 頼りになるリハビリテーション施設 / 視覚特別支援学校 (盲学校) とつながろう / 点字図書館 (視覚障害者情報提供施設) は何をするところ ? / 社会保険労務士 (社労士) に相談しよう / 視覚障害者の就労のキモ / 身体障害者相談員を探してみよう / 当事者団体とつながろう
3-3心理サポートの押さえどころ
心理サポートのゴール
 喪失したものを取り戻すには… / 支援者のメンタルヘルス
障害告知
 告知後の変化
カウンセリング・相談
 相談支援に携わる人の資質 / 相談できる専門家にはどんな人がいる ? / 眼科の患者さんを心理相談につなぐには ? / カウンセリング・相談の専門分野における役割の違い / 自助グループ・患者会の役割

Q&A ロービジョン外来でよくある質問とその答え方
付録
身体障害者手帳認定基準 (視覚障害)
 視力障害の認定基準/視野障害の認定基準 / 障害等級の加算 / 視野障害の判定方法 / こんなときどうしたらいいの ?
障害年金認定基準 (視覚障害)
 たとえばいくらもらえるの ? / 障害年金申請の注意点 / 障害年金認定基準 (視覚障害) / 障害手当金の支給対象
サンキューカード (NEXT VISONの挑戦)
 サンキューカードのしくみ
視覚リハビリテーション用語について
 ロービジョン支援ホームページ
ロービジョンエイドカタログ

どうですか?幅広い範囲ですよね。

まぁ僕も自分の記事には、自分の経験談やマニアックな知識を入れたりするようにはしているんですけど…まぁ負けじとぼちぼち頑張ります笑。

Chapter 1「視覚をフル活用しよう」では、ロービジョンの患者さんがもつ視力・視野・読書速度を引き出して測定する方法や、患者さんの視機能を評価する方法が紹介されています。

Chapter 2「視覚以外の感覚を活用しよう」では、生活するうえで必要な情報を得るために、聴覚と触覚を活用する方法が紹介されています。拡大読書器やアプリ、点字や白杖から、お金の弁別やコップへの注ぎ方まで本当に幅広く掲載されているんです。

Chapter 3「支援制度を活用しよう」では、身体障がい者手帳と社会福祉サービス・支援制度を活用するために、知っておきたい情報がまとめられています。近隣の盲学校や施設、視覚障がい者団体などを記録する欄もあり、医療から福祉と教育へ繋げるという気持ちが伝わってきます。

特にChapter 2「視覚以外の感覚を活用しよう」とChapter 3「支援制度を活用しよう」は、眼科医や視能訓練士だけでなく、視覚障がい当事者や周りの家族の方などにとっても役立つ情報ではないでしょうか。

サンキューカードのおまけもついてします。10枚集めるとプレゼントをもらえるらしいですよ。

画像1

(画像はNEXT VISIONより)

そんなとにかくおすすめの一冊です。

眼科医さんや視能訓練士さんにも、当事者の方にも、盲学校教員にも、福祉関係の方にも、周りの家族や友人の方にもです。

気になった方は一度手に取り、読んで、「なるほど、確かにメガネくんの言う通りとっても役に立つ便利な本だな」と共感してみてください笑。

そんなおすすめの一冊の紹介でした。

さらにこの本には続きがあります。

神戸アイセンターに関わる専門家が執筆した「ポイントマスター!ロービジョンケア外来ノート」の行間に込められた著者の思いや予備知識をセミナーという形で補充する「ポイントマスター!行間セミナー」が開催されているんです。

AdvancedとBasicの2コースがあり、申し込みはNEXT VISIONのホームページから。

過去の行間セミナーについてはYouTubeで公開されているものもあります。

こちらも覗いてみてはいかがでしょうか。



表紙の画像はAmazon.co.jpより引用しました。