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Apple Vision Proについて(榊正宗)

こんにちは、榊正宗です。先日私はApple Vision Proについて、少し物議を醸す内容を投稿しました。

説明不足な点もあったので、このデバイスに関する私の見解を、もう少し掘り下げて説明したいと思います。

まず、Apple Vision Proが非常に高性能であることは間違いないと思います。しかし、私が批判の矛先を向けたのは、その性能自体ではなく、その使用方法に対してです。多くのデモで、この先進的なデバイスを従来のPCのコンテンツに使っている点に、私は大きな違和感を覚えます。

例えば、最近購入したXrealとの比較をすると、Apple Vision Proが性能面で優れているかもしれませんが、メガネ型デバイスやVRデバイスは、PCモニターよりも視覚的に大きく映る特性があります。Xrealを使っても、手元を見ることができ、作業を行うことが可能です。しかし、大画面テレビでPCの画面を表示して作業するような、微妙な違和感があるのです。

これをもう少し具体的に言うならば、Kindleをメガネ型デバイスで使うことにより、その問題がより明確になります。小さな文字を長時間読むのに、これらのデバイスは適していないのです。事実、メガネ型デバイスは、カテゴリーとしてはPCモニターではなく、むしろテレビに近い位置付けにあると言えます。

この観点から、Apple Vision ProがPC操作をより快適にするデモを見て、私は強い違和感を感じました。確かに、小さな文字が読めるデモや、モニターよりも広い空間に奥行きを含めてウィンドウを配置するデモは、一定の説得力を持っています。しかし、実際に使用してみると、やはり操作が厳しいのではないかと思います。

この問題を解決するためには、現在の技術で即座に実現可能なことの一つが、テレビモニターで使えるブラウザの開発です。しかし、テレビは日本の企業が規格を設定しているため、スマートフォンのような進化を遂げていません。どれだけ画質を改善しても、根本的には昔のブラウン管テレビと変わらないのです。

例えば、PlayStation 5はこの点であまり改善されていません。ボタンの多いコントローラーでの操作は気軽に使う日常のブラウザ操作には向きません。Fire TV等は若干マシですが、こちらもブラウザ機能が弱いため、限界があります。これは、HTMLの限界、特にテレビ向けのHTMLレイアウトの概念が存在しないために起こっている現象です。スマートフォンでもHTMLは微妙な位置にあります。ほとんどの人はアプリを使用しますよね。これは、HTMLがスマートフォンサイズに最適化されたコンテンツを作れないという、ある種の敗北宣言です。

テレビにスマートフォンアプリに相当するアプリストアを持つプラットフォームがあれば、テレビの映像以外のコンテンツはもっと充実していたかもしれません。しかしテレビには映像だけで十分という確固たるポジションがあるため、これまで全く進化してきませんでした。

このような進化の停滞の中で、Apple Vision ProにPCコンテンツを持ち込むのは非常に危険だと感じています。この予想が外れる可能性もありますが、現在の物理的なテレビで不快に感じることは、Apple Vision Proでも同様に厳しいとしか思えないのです。

私の新しいテクノロジーに対する批評は、しばしば毒を含んだものになりがちですが、それは時に必要なことだと思っています。技術の進歩は、常にユーザーのニーズと快適さを最優先に考えるべきだと私は信じています。というか、まともに使えるTV用ブラウザをだれか開発してください🙇‍


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