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AIと道徳的著作権について(榊正宗)

こんにちは、榊正宗です。

今回はAIと著作権について、少し真剣に考えてみたいと思います。

AIの進化は、私たちの創作活動に新たな可能性をもたらしていますが、同時に著作権という大きなテーマについても考えさせられることが増えてきました。

まず、著作権には二つの側面があります。一つは道徳的な著作権、もう一つは財産権的な著作権です。道徳的な著作権は、作品の真正性や作者の名誉を守るためのもの。一方、財産権的な著作権は、作品から得られる経済的な利益を保護するためのものです。

例えば、売れている作品のキャラクターをAIで模倣して商品化するような行為は、著作権侵害にあたり、法的な問題に発展する可能性が高いですね。これはAIに限らず、一般的なコピー商品にも当てはまる話です。

しかしながら、AIを使った絵柄の模倣が、必ずしも法的な問題にはならない場合もあります。これは、財産権的な著作権に触れていない場合が多いからです。たとえば、ある絵師のスタイルをAIで学習させて作成された作品が、その絵師の著作権を直接侵害していない限り、刑事罰の対象にはなりにくいのです。

ただし、これが合法であるとしても、道徳的な問題は残ります。不倫や映画のネタバレが合法であるように、合法であっても必ずしも良いこととは言えないのです。ここで大切なのは、社会的なマナーや倫理観の問題になります。

著作権は、どんな作品にも平等に与えられる権利です。しかし、その扱いには微妙な差異があります。売れている作品とそうでない作品では、著作権の保護の度合いや社会的な認識に違いが出てくることもあるのです。

AIによる模倣を一律に禁止すると、創作の自由にも影響が出てしまいます。創作活動における模倣は、AIに限らず自然なプロセスの一部です。模倣から新たな創造が生まれることも多々ありますからね。法律は、このような創作活動を守るためにも、ある程度の柔軟性を持っている必要があります。

AIの画像認識能力は、絵を描くだけでなく、様々な場面で私たちの社会を豊かにする潜在力を持っています。このため、AIの能力を過度に制限することは、社会全体の損失につながる可能性があります。

もしAIを使った嫌がらせが問題になった場合、著作権だけでなく、名誉毀損として対処する方法も考えられます。これは、作品そのものではなく、その使用方法に問題がある場合に有効な手段です。

最後に、AIを使った創作活動には、法律的な側面だけでなく、社会的なマナーや倫理観が大切だということを強調したいと思います。それぞれの創作者が責任を持って、健全な創作活動を行うことが、これからの社会において重要になってくるでしょう。

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