見出し画像

【ウクライナ情勢】関心は薄れているのか?

 表題の疑問だが、自分のことを振り返ってみても、ここ1カ月はウクライナ情勢についてnoteに書いていない。ウクライナ頑張れ、プーチンの横暴を許すなと散々書ち散らしておして、長期にわたり放置かよ、というお叱りは甘んじてお受けします。

 新聞でも、現地の戦況を紹介するいわゆる「戦況本記」の扱いは小さくなっている。1面から落ちて総合面3~4段ぐらいとなり、場合によってはむしろ、米欧の軍事支援がどうとか、トルコのエルドアンがこうとか、サイドストーリーの方が大きく紙面を取っていたりする。

 ただ、これを評して、既存メディアのウクライナ戦争への関心が薄れている証左と見なすのは、メディア動向の読み方としてはちょっと表層的と言わざるを得ない。

 ウクライナ情勢の扱いが小さくなっているのは、単純に戦局がここ数週間膠着しており、「ニュース」があまりない、ということが大きい。だから例えば、ロシアがえらく執着しているセベロドネツクが陥落すれば、ウクライナ情勢は再び1面トップに戻ってくると考えてます。

 私が沈黙しているのも、新聞と同じ理由。4月30日に「プーチンはウクライナで、数カ月から場合によっては数年の時間軸で、軍事的大失敗を回避する形で、セオリーにのっとった作戦を展開していくと予想される」と書いたが、現状は大枠でこの予測に沿って推移しており、付言すべき大きな展開はない。

 それでも例えば、現地の兵士や市民のヒューマンストーリーなり、ぎりぎりとねじを締めるようにロシア軍が包囲網を狭めるセベロドネツクの苦境なりを現地報道を基に紹介するとか、できることはあるだろう。

 でもそういうのは、私なんぞが書かんでももっと影響力あるメディアが世の中には幾多もあるわけで、それでメシ食ってる人たちと張り合う気力は起きない。改めて、怠慢へのご批判があれば甘受します。

 さて、先々の戦況をざっくり予想すると、セベロドネツクが万一持ちこたえたら、ウクライナ東部からロシア軍を追い払える可能性が出てくると思う。確実に、とはとても言えませんが。

 一方、セベロドネツクが落ちても軍事戦略上は大きな転換点とはならず、ロシア軍は制圧が進んでいないドネツク州の完全掌握を目指し非人道的な「無差別砲爆撃」を継続するだろう。

 どちらのシナリオにしても、戦闘は最低でも数カ月、場合によっては数年続き、和平について真剣に話し合おうという機運はこの間生じない。

 戦争が長期化する中で最も不安なのは、米欧の姿勢だ。仏独伊は早期和平が本音とみられ、頭のよろしいスマートなマクロン仏大統領に至っては「ロシアに屈辱を与えてはならない」とのたもうた。もう半日にわたってプーチンのたわ言を我慢して拝聴し続ける拷問はごめんだ、ということですかな。

 マクロン氏には同情するが、ウクライナ側の戦意が衰えないという前提で、最低でもウクライナ侵攻開始時点(2月24日)までロシアの支配地域を削り取るまでは、和平のわの時も口にすべきではない。侵略者が非道な暴力で報酬を得たという先例をつくってはなりません。ならぬものはならぬのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?