マッチングアプリで出会った男性のこと⑥の2

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家に帰り、言われた通り、無事に着いたことを交換したLINEで報告した。
その日の夜中に、隣の県に住んでいる娘が、仕事が終わってから帰ってくることになっていたので、
「これからT市に住んでいる娘が帰ってきます」と送ると
『えー!T市は俺昔一人暮らししてたよ。駅から徒歩10分くらいのとこ!
なんかさすがに運命感じちゃうな』との返信。
そんなにメジャーな市ではないし、娘も徒歩10分のところに住んでいるので、私もビックリ!(駅からの方向が同じとは限らないけど)

次の日、私は、本名と自分の仕事を知らせるメッセージを送った。
会った日の会話の中では話さなかったけれど、彼T君は、最初から何も隠さずに話してくれたからだ。

次の日から、少しずつ質問のLINEなどを送るようになった。
メッセージはマメじゃないけれど、質問にはリプライ機能を使って返信してくる。丁寧な返事だった。
でも、気になったのは、こちらは何も質問されない、ということ。
誕生日を聞いても、
「そっちはいつなの?」とは聞かれない。
あまり私に関心がない、ということだ。

とりあえず、胃袋を掴むと良いと言われた本人に、
好きな食べ物を聞いてみた。
『チャーハン、ピーマン肉詰め、焼き魚、かな』
珍しいお返事だ。
「焼き魚の種類は?」と聞くと
『鮭、鯖、秋刀魚』とのこと。
つまり、季節のお魚なのね。
ピーマンの肉詰めなんて、10年以上作っていない。
子供が小さいときには作ったりしたけれど、食べるときに結局お肉がペロッとはがれてしまうから、
「手間かけてもこれなら、ハンバーグでいいじゃん」っていう気持ちになってしまって、わざわざ作ることがなくなった。

そこで数日後、練習してみようと作ったみた。
改めて考えると、
私はハンバーグの変化形だと思っているから牛肉を使うけれど、
家庭によって違うもの?
豚肉とか、鶏肉とかもあり?
となり、牛豚が混ざったひき肉と、鳥ひき肉の両方パターンを作ってみた。
また、炒めた玉ねぎを混ぜたものと、炒めない生のままの玉ねぎを混ぜたものとを、つまり4パターン作ってみた。
そして、食べるときにまた、
「え、かけるものはソース?醤油?ケチャップ?デミグラス?」
と、考えてしまった。
とりあえず、話題が出来たと思い、作った物を写真に撮って
「練習してみました」「何をかけて食べる?」「嫌いな食べ物は何?」
と、聞いてみた。
かける物はソース。嫌いな食べ物は、私が嫌いな物とほとんど同じだった。
もしかしたら、食べ物の好みは似ているのかもしれないな……と思った。

数日後
『今週の金曜の夜って空いてる?
肉詰め食べに行こうかな!』と、メッセージが届いた。
行動が早いのと、
『行っていい?』ではなく
『行こうかな』という前向きな感じに好感が持てた。

そこから金曜日まではまた大変だった。
仕事の合間に部屋の片付けをして、掃除をして、
付け合わせる物を考えて材料を買って……

当日T君は、20時40分に、家に来た。
高速を使って来てくれたようだ。
「人が作ったもの食べるの、久しぶりだな~!」
と言って座った。
付け合わせた野菜なども
「え~!俺の好きな物ばっかりだ!」
と言って喜んでくれた。

お味噌汁を一口飲み「あ~美味い!」
野菜を食べてもご飯を食べても
「ご飯も凄く美味い!お世辞じゃなくて本当に全部好みの味付けだよ!」と、どれもおかわりをしてくれた。

1人目のM君に、
「母と元カノ以外の人が作った物は食べられない」と拒否されて悲しかった私は、ちゃんと自分の手作りの食事を食べてくれるだけで嬉しかったのに、どれもこれも褒められて、とても満足だった。
「M君よ。。。ほら、私は料理が上手なんだよ!」
と、伝わるはずもないけど、心で思った。
  (M君が気になりましたらこちらへ)

T君は、手土産にコンビニのデザートをいくつも買ってきてくれた。
賞味期限が近いペットボトルの水とは違う、常識ある手土産だ。
でも、私はデザートに梨を用意していたので、それを出した。
「俺、梨も大好き!」
と、喜んで食べてくれた。
「買ってきてくれたスイーツも食べる?」と聞くと、
「もうお腹いっぱいだから、あとで○○ちゃんが食べて」と、食べなかった。なんか、たくさんあったけど……

その後は、お互いの家族の事や、若い頃の職歴などを話し、
あっという間に時間が過ぎた。

次の日もお互い仕事があったから、23時頃にはさよならをした。

T君が帰ってから
「どんなスイーツを買ってくれたんだろう?」
と、見てみると、いろいろな種類のものがあって、どれも私の好みの物で、
これまたビックリだった。


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