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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#18

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • iSurgery、胸部レントゲン画像からのAI骨評価サービスを突然中止。AI新技術での医療サービスの難しさ?

  • (論文)2015-2023年にFDA承認された手術支援ロボットは49機。うち6%(3機)がレベル3・8%(4機)がレベル2のAutonomy機能を搭載。

  • 異なる波長帯で励起するICG類縁体を開発。ICGナビゲーションがメジャーな術中ナビゲーションになる日も?

です。


・医療AI

医療機関は大混乱! 消えたAI画像解析ソフト 適正なAI医療への警鐘に (2024.05.01)

iSurgeryの骨密度検査(その後骨評価検査に訂正)AIソフトChest Bone Indicatorが4/25に突然サービス終了。
同社ホームページからも製品・技術に関する一切の情報が無くなっています…

認証に関して何かあったみたいですが、他のAI SaMD製品・企業への影響も考えると早めに経緯など説明してほしいところ。

中小企業イノベーション創出推進事業 「AI(人工知能)ホスピタル実装化のための医療現場のニーズに即した医療 AI 技術の開発・実証」の開始のお知らせ | TXP Medical (2024.05.01)

スタートアップ13社ならびに公益社団法人日本医師会から構成されるコンソーシアムで実施。補助上限額はコンソーシアム全体で30億円。
「実装化」はイノベーションへの第一歩。実装→普及→定着まで進まんことを。

AI心電図 – リスク患者の特定により院内死亡を大幅に低減 | Medical AI Times (2024.05.02)

「死亡リスクを層別化し、全死因死亡率を予測するためのAI対応心電図(AI-ECG)による積極的な警告は介入群の死亡リスクを23%から16%に減少させた」

Medical AI Times

論文は
AI-enabled electrocardiography alert intervention and all-cause mortality: a pragmatic randomized clinical trial

Ubie、全国の病院を対象にした生成AIの新サービス(β版)の提供を開始 (2024.05.02)

問診AI等で医療分野のAIスタートアップとして先鞭をつけていたUbieも業務支援用生成AIサービス(β版)をローンチ。

「文章に加え、音声、画像などの複数の生成AIモデルを安全な環境で提供することにより、病院内の様々なユースケースに応じた業務効率化を支援します。」

Ubie プレスリリース

医療現場でも生成AI活用、「診断」にばらつき…日本人のデータもっと学ばせる必要あり : 読売新聞オンライン (2024.05.04)

文書要約・作成支援など働き方改革に資する一方、日本語の不自然な言い回し、診断のばらつき、情報漏えいなど多くの課題も。

「生成AIは進歩しても一定のミスは起こる。問題が生じた時の責任について議論が必要だ。日本人のデータをもっとAIに学ばせて質の向上を図り、医療のどの部分を担えるのか、患者にどう役立つかを検証するべきだ」(永井良三・自治医大学長)

読売新聞オンライン

MRIのAI活用加速…医療機器メーカー、検査・診断を効率化 | ニュースイッチ (2024.05.03)

キヤノン、GE、富士フイルムの製品事例紹介。

「医療機器のトレンドは医療の効率化」

「医療機器メーカーはこれまでも効率化を実現する技術としてAIやデジタル技術の活用を進めており、各社は画像の高品質化や検査業務の効率化などで機器の差別化を図る。」

ニュースイッチ


・手術支援ロボット

Surgical Robotics Technology Monthly Roundup Newsletter - April 2024 (2024.05.01)

手術ロボット関連ニュース集。
Intuitiveの取締役にDolby Labs 元CFOのLewis Chewが就任など。

MerilのHandX、定期的に勃興するハンドヘルドロボット鉗子には成功する未来はあるのでしょうか…

Levels of autonomy in FDA-cleared surgical robots: a systematic review (2024.04.26)

論文紹介。2015-2023にFDA承認された手術支援ロボットの自律性レベルについてのレビュー論文。

49機のロボットのうち86%がレベル1(Robot Assistance)。
レベル3(Conditional Autonomy)が6%(3機)。
FDAに認められている機械学習機能付きは宣伝されているより少なく実際は2機のみ。

レベル2・3のロボット一覧がTable1に。
Senhanceはレベル2なんですね。


・遠隔医療

キヤノンの移動病院、海を越える 富士フイルムはインドで:日本経済新聞 (2024.05.05)

ITEMやMedtecで毎度移動手術室(トレーラー)の展示があるけど、個人的には将来の主要ターゲットは国内僻地離島でなく海外と予想しています。

補)
キャノンじゃなくてキヤノン、富士フィルムじゃなくて富士フイルム。
これがカメラじゃなくヘルスケアの話題になる日が来るとは思わなかった、日立・東芝にお世話になっていたあの日々…


・大学・研究

東京大学医学部附属病院 トランスレーショナルリサーチセンター
特任助教[特定有期雇用教職員(常勤)]・特任研究員/特任助教[特定短時間勤務有期雇用教職員(非常勤)]募集 (2024.04.25)

バイオデザイン部門で特任助教(常勤)・特任研究員/特任助教(非常勤)を募集しています。ヘルステックスタートアップを対象とした研究PJだそうです。〆切は5/19(日)。

特任助教[特定有期雇用教職員(常勤)]

特任研究員/特任助教[特定短時間勤務有期雇用教職員(非常勤)]

生体深部を観測できる短波赤外蛍光色素を開発、がん診断への応用に期待:医療技術ニュース - MONOist (2024.05.02)

922nm・1010nmの波長で発光するインドシアニングリーン(ICG)類縁体ICG-C9・ICG-C11を合成。

  •  短波赤外領域で蛍光イメージングを可能にするラベルを開発。乳がん腫瘍のマルチカラーイメージングを可能に

  •  ICG-C9・ICG-C11修飾抗がん剤により腫瘍消失も観測可能

ここまで観察可能領域が増えると、更に画像処理&AIを組み合わせた術中蛍光ナビゲーションがメジャーになる日が来るかもしれません。

北大のプレスリリースは

論文は
Biocompatible and water-soluble shortwave-infrared (SWIR) emitting cyanine-based fluorescent probes for in vivo multiplexed molecular imaging.

https://doi.org/10.1021/acsami.4c01000

超低周波磁場がうつ病症状を改善、新治療法に期待=名古屋大学 | MIT Technology Review (2024.05.03)

「うつ病患者4名が頭部装着型の超低周波微弱パルス磁場環境(ELF-ELME)装置を1日2時間、8週間使用」

「8週目にはすべての参加者の抑うつ症状が有意に改善されたことが確認」

MIT Technology Review

名古屋大のプレスリリース(2024.04.15)は

論文は
Extremely Low Frequency, Extremely Low Magnetic Environment for Depression: An Open-Label Trial

https://doi.org/10.1016/j.ajp.2024.104036


・スタートアップ

超精密3Dプリンターの「BMF」、中国発の技術力で世界をリード 日本でも活用広がる | 36KrJapan (2024.05.04)

中国からの最先端技術をもつテック系スタートアップが世界を席巻。
精密加工が日本ではなく中国のお家芸となる未来も?

「解像度1〜20μmの3Dプリンターに関しては、BMFが世界市場を独占しつつある。世界でも25μmあるいは50μm以上の3Dプリンターを手がける企業は多いが、BMFは2μmという圧倒的な高解像度で加工公差±10μmの3D造形技術を開発し、産業の各分野から大きな注目を集めている」

「BMFは2023年11月時点で、世界35カ国にある2000近くの科学研究機関や企業と提携。米ジョンソン・エンド・ジョンソンや米GEヘルスケアなど世界トップ10に入る医療機器メーカーのほか、世界トップ10に入るコネクターメーカーなども顧客に抱えている。」

36KrJapan


・企業・マーケット

24年3月期好調のソシオネクスト、脱日本加速で26年度再成長へ (2024.05.02)

ソシオネクストは先日のMedtecでもワイヤレス超⾳波ソリューションの専用LSI・プロトタイププローブを展示。



・行政・規制

フィリップス、米で和解 睡眠治療機器リコール巡り 1700億円支払い - 日本経済新聞 (2024.04.30)

睡眠時無呼吸症候群に関する治療機器の装置内不備についてFDAと合意に達していた(下記事)。

大学病院本院の時間外特例は78病院、連携Bが最多 札幌医大、東海大、国際医療福祉大成田病院は指定受けず | m3 .com (2024.05.05)

指定外の3病院はホワイト勤務条件で運用できるのかそれとも他の理由があるのか非常に気になるところ…


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