見出し画像

がん抑制遺伝子p53、老化が進む方が癌になりにくい??ある動物は癌にならない?

こんにちは。
Dr.Tです。

今回はまた面白い知見を話しします。

人間の体には、もともと細胞の癌化を抑制する遺伝子が多数存在します。

日々癌化を防いでくれていると解釈できますが、一方で癌抑制以外にももろもろ兼業しています。

その中でも、ちょっと素人の人が聞いても面白い遺伝子の話をします。

その遺伝子は

p53遺伝子

です。

この遺伝子は体の中でDNAの修復や、おかしくなった細胞をもう死になさいとプログラム化して、殺す役割を持っています。

じゃあこの遺伝子が大量にあれば、癌化防ぐ新しい未来が切り拓けるんじゃ無いか?

と思いますよね。

もう大昔から研究されていて、たしかにp53欠損モデルでは、ほぼ、100%自然発癌して、癌により死ぬことが分かっています。

一方で、p53を大量に発現させたモデルでは、癌になったのは全体の8%程度で、ほとんど癌にならずに死にました。

が、

一方で、普通のマウスとp53大量発現マウスの生存期間は、圧倒的に普通のマウスの方が高かった…

なぜ?

p53大量発現マウスは、あっという間に老化していることがわかりました。

なるほどーってなりますよね

細胞の処理を早めてるので、どんどん細胞が歳をとっていって、いわゆる老化に繋がって、死んでいくのですね。

これらの実験の数々により、身体でのp53の活性を自在に操らないと、どうしようもないという結論に至り、今はそのシグナルなどがまだまだ医学研究者により、解明されていってるところです。

でも、ある程度白髪や皺が若いうちから多い人は、もしかしたら癌の抑制力は強いかも…

余談ですが、動物のゾウは、ほぼ癌にならないことが知られていてて、p53発現量がとてつもなく多いらしいです。
たしかにゾウの皮膚とか雰囲気は老化そのものですよね。

逆に言うと、今アンチエイジングがずっと流行ってますが、サプリメントや薬などでp53をノックアウトさせるようなアンチエイジング薬があったとしたら…
(ま、そんな核心をつくようなレベルでアンチエイジングを出来る薬品があるかどうかは別として…)
危ないですよね。


ということで、今回は発癌抑制遺伝子の面白いお話しでした。

癌の治療や撲滅は、世界が克服すべき課題の一つです。

是非それらの研究に興味を少しでも持ってもらえたらと思います。


それては、この辺で。


少しでもためになったり、面白かったら、スキとフォローよろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?