見出し画像

恋人ができて1ヶ月で別れた話

 昨日、数年ぶりにできた彼女と別れた。
 同じバイト先の子で、付き合い始めて1ヶ月も経っていなかったが、僕は別れを切り出してしまった。

 なぜそれしか経っていないにもかかわらず、別れたいと思ってしまったのか、自分でもよく分からない。
 だから、文章に起こすことで自分の気持ちに気付けるのではないかと思って、今の思いをnoteに記そうと思う。

「嬉しい」と「好き」は似て非なるもの

 彼女はバイト先の1個下の子で、ずっと業務上の会話しかしたことがなかったし、当然バイト先以外で会ったことなんてなかった。

 しかしある日突然LINEで「バイトが終わったら一緒に帰りたい」と言われ、そのときに「ずっと見てた」「推しみたいな存在です」と言われた。

 突然のことで、すごく驚いた。けれど、今まで女の子からそんなことを言われた経験は無かったし、中学以来恋人がいなかった僕は、大学生の恋愛への憧れもあってか、それ以来、彼女のことが気になるようになった。

 今思えば、彼女からそんなことを言われて感じた、「嬉しい」という気持ちを「自分も好き」と勘違いしてしまっていたのだと思う。
 相手が自分のことを好きだと知ると、自分も相手のことが気になってしまうことがあるが、それはおそらくこれが原因なのだろう。

 とはいえ、付き合うまではそんなことに気付くわけもなく、彼女の気持ちを知った僕は、両想いということもあり、すぐに彼女と付き合うことになった。

 本当にすぐだった。ちゃんと話すようになってから付き合うまで、1週間も経っていなかった。


付き合い始めの鬼門

 付き合い始めの頃はカップルにとってどんな時期だろう。

 友達期間の長さから、付き合い始めてもなかなか友達としての雰囲気が抜けなかったり、急に恋人として意識することで生じた変な空気感に違和感を感じ、友達の頃のほうが楽しかったと不満を抱く時期だろうか。

 あるいは、一緒にするほとんどのことが初めてで、何もかも楽しくてたまらないと感じる時期だろうか。

 僕は今回に限っては後者だった。友達期間が圧倒的に短かったから、友達から恋人への気持ちの切り替えも必要なかったし、長年恋人がいなかったこともあって、ようやく誰かと付き合えたことが嬉しくて、幸福感で満たされていた。

 けれど、そんな気持ちも落ち着いてくると、やがて倦怠期がやってくる。僕の場合はそれが以上に早かった。彼女のことをほとんど知らずに付き合ったせいで、相手の嫌だなと思う部分を見つけると、その一面にショックを受けてしまうし、付き合っていくうえではそういったことも受け入れていかなければならないと考えると、なおさら辛くなってしまう。

付き合う前は相手のいいところばかり見えていたのに、そう感じてからは、相手の嫌なところばかりが見えるようになってしまった。

 相手の嫌なところも受け入れていくことを「付き合う」と言うのかもしれないが、僕の場合、彼女のことをほとんど知らずに付き合ってしまったため、初めて知ることが多すぎて、気持ちの浮き沈みが激しく、疲れてしまった。

 そこで初めて気が付いた。僕が彼女と付き合いたいと思ったのは、誰かと付き合うことに価値を見出していたからだと。彼女のことをほとんど知らなかったのに、その子と付き合いたいと思うのはおかしい。きっと、”カップル”というものに憧れていただけなのだろう。

 それに気付かずに彼女にもその気があると思わせ、付き合って、別れてしまった。あまりにも自分勝手で最低だと思う。

恋愛不適合者

 僕はきっと恋愛に向いていない。とにかく一人でいることが好きなのだ。
 大学では一人で授業を受けて、一人でお昼を食べて、一人で帰る。カフェで一人、本を読むことが好きで、旅行も映画もお笑いライブも一人で行く。
 男友達どころか、家族でさえ一緒にいると窮屈に感じることがある。そんな僕に恋愛は向いていない。

 いつか、ずっと一緒にいても窮屈に感じないような人が現れるのだろうか。他人と一緒にいることに煩わしさを感じなくなる時がくるだろうか。そんなことを考えるたびに不安になる。

 とはいえ僕も彼女と付き合うまでは、一人でいると急に寂しくなって、誰かに会いたくなるときがあった。けれど、孤独を感じたところでどうすることもできずに、押しつぶされそうになる。そんな経験を何度も繰り返したが、いざ誰かと付き合ってみると、一人の時間が欲しくなった。

 ないものねだりのようなものだろうか。自分勝手だけれど、お互い距離感を保ちつつ付き合える恋愛がしたい。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?