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コンビニ人間/村田沙耶香


気づけば10日以上noteを書いていませんでした。その間特にバタバタしていたというわけでもないのだけれど書く気力が湧かず、そろそろ書こうかなと今になってやっと思えてきたのでした。






積読本📚の中から、村田沙耶香さんの小説「コンビニ人間」を拝読しました📖´-
(2024,4,3 読了)




2016年の芥川賞受賞作品。
正直いうと村田沙耶香さんの作品にはあまり興味を持っていませんでした。
けれど、信頼のおける読書仲間さんが珍しく文豪以外の作家さんをおすすめしていたので拝読してみることにしたのです。



コンビニバイト歴18年の36歳独身女性が主人公。
幼い頃から異端者であった主人公。成長していくにつれて家族を悲しませないために普通を装い生きていく術を身につけていく。そんな主人公がコンビニでバイトすることになり、マニュアル通り働くことでこれまでの生きづらさが和らいでいく。



凄く端折っていうとこんな感じの物語です。
読了後には普通ってなんだろうと頭に浮かんだ人はきっと多くいるはず。私も同じく。
どことなく、前に拝読した「異邦人/カミュ」が思い出され、不条理という言葉が頭をグルグルしていました。
作風的にはこれもやはり前に拝読した今村夏子さんに似た雰囲気で今流行りの八つ当たり系ではないと思いました。
今村夏子さん同様積極的に好き!とは言い難いですが、他の作品も拝読してみたい作家さんであることには間違いなさそうです。


皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。




仕事人間を遥かに通り越してコンビニ店員であることでしか生きていくことのできない主人公は明らかに異端者なのですが、周りにいる普通と思われる人たちの方が気持ち悪く感じます。
でも、引用した文を見てゾッとしました。私もその気持ち悪く感じた人たちのような言動をしているのではないかと。



この主人公まではないにしても、私も異端な生き方をしてきたところがあります。今は普通と思われる社会で生きていますが、普通というものに違和感を覚えることも多々。
前にもどこかで書いたけれど、異端な世界の住人たちの方が実はまともだったんではないかと思うことも。
だから主人公の想いに共感する部分もありました。


そんな自分がいつのまにか気持ちの悪い普通を押し付ける人になろうとしてしまっているのは哀しい。目を覚ませ私。



この物語、手放しにハッピーエンドとは言えないけれど、私は主人公のこと少し羨ましく思います。ここまで突き抜けて、自分の生き方を見つけれて。
私は中途半端にぶらぶらしているから。
普通を好む人たちと同じ生き方もできていないし、かといって私は私!と堂々と割り切れている訳でもなくて。普通の世界で生きていくことにしたのに普通の生き方ができていない自分をなんとなく自分自身が責めてしまっています。



村田沙耶香さんの作品はまだ一冊目ですが、ズンときました。短い物語ですが濃かった。
次回は積読しているエッセイを拝読して、もう少し村田沙耶香さんという作家のことを知りたいと思います。








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