見出し画像

北区 ~我がふるさと~#03

「十条」編

出典:TRABEL STATION「十条~かつての軍都は姿を変えて~」 https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/machi/akabane150304/

 お疲れ様です、三瓶大祐です。
 
 本日は金曜日。久々の休日に胸を躍らせている人々も少なくないはずです。せっかく一週間がんばったんですし、なにかご褒美が欲しいとは思いませんか?頑張った自分への些細なご褒美には……食べ歩きとかはいかがでしょう。
 
 そんなわけで、本日3回目のトピックは、気軽に来られる第二の銀座、食べ歩きの街たる「十条」でございます。
 
 十条は、前回紹介した赤羽をも上回る、北区最大のアーケード街たる十条銀座が存在する、古くは室町時代まで遡る長い歴史を持つ地域です。
 
 現在では活気あふれる商業の街というイメージで通っておりますが、そのイメージが定着し始めたのは実に1920年代のことです。
 
 1923年、9月1日に発生した関東大震災が原因で、それまで都市部で暮らしていたことに人々が郊外へ逃げ延びることになりました(*1)。避難先には十条も含まれており、それまで農村だった十条の人口が急増しました(*1)。これにより、食料品や日用品の需要も一気に増加し、それに対応する形で今の商店街としての十条の原型ができあがったのです(*1)。
 
 現在では再開発によって十条駅西口付近の再開発が進められており、十条銀座の在りし日の姿を残しつつも全く新しい町並みができあがろうとしています。例え北区一の商店街という称号を手にしようと、向上心を忘れない。それが十条の街なのです。
 
 というわけで、今回も十条の代表的な名所を、……と、言いたいところですが、今回は十条の代名詞たる「十条銀座」に絞って紹介をしていきたいと思います。
 
●      十条銀座解説

出典:tripnote「十条銀座商店街」 https://tripnote.jp/akabane-oji/shopping-jujoginza-shotengai

 前述の通り、十条銀座の歴史は関東大震災の後から続いています。
 
 1920年代に鉄道の開通や震災からの避難者受け入れを経て、徐々に大きくなっていった十条銀座は、1938年に正式に商業組合に登録。
 
 その後も順調に成長を続けた結果、1952年には152店舗がその商業組合に加入することになりました(*1)。
 
 現在ではアーケードも建てられて、赤羽に並ぶ北区屈指の商店街エリアとして、今もなお衰えることのない賑わいを見せています。
 
 十条銀座と赤羽一番街と比べると、赤羽一番街はどちらかというと居酒屋が多めに設置されている大人の街といった趣が強いです。
 
 一方、十条銀座はというと、どちらかというと惣菜屋を初めとした持ち帰り形式の店が多く構えられており、食べ歩きも出来る万人向けの街といった印象が感じ取れるでしょう。
 
 また、一見大体同じラインナップの惣菜屋を見ても、よく見ると商品にその店ごとの特色が強く表れている商品も少なくなく、自分のお気に入りの惣菜屋を見つけるだけでも楽しい街になっています。
 
 商品の値段も非常に安く、例えばチキンカツは、胸肉をまるまるつかっているのか、サイズは一般的なチェーン店のそれよりも遙かに大きいことが多いのですが、その値段の平均は約220円!
 
 赤羽が1000円でベロンベロンに酔える街であるならば、こちらは1000円もあれば好きなものを好きなだけ食べられる街と言っても良いでしょう。
 
 これらの特色から、安上がりでお腹を満たせる街として人気が非常に高いのも納得と言えるでしょう。
 
 さて、肝心のお薦めのお店なのですが、今回は惣菜屋というジャンルに絞って紹介していきます。少々ボリュームが少なめですが、そこは箸休め回ということでよろしくお願いします。
 
●      十条銀座の代名詞?いろいろな惣菜屋
 銀座十条と言えば惣菜屋ですが、その中でも特に私が気に入っている店は「塩家」です。十条駅側の入り口から入ってすぐ、「美容院ぱるこ」の1階部分で惣菜の路上販売を営んでいます。
 
 この店独自の商品には「チキン&ポテト」(でっかい鳥肉とポテトの串焼き)や「十条メンチカツ」などがありますが……それより目につくのが各種商品の大きさです。
 
 とにかくでかい。もう全部が値段不相応にでかい。チキンカツに至っては200円なのに胸肉まるまる使ってるんじゃないかってぐらいでかい。しかもどれもちゃんとうまい。これで人気が出ないわけがございません
 
 十条駅からかなり近い場所に店を構えているために、他の惣菜屋と比べてアクセシビリティに優れているのもポイントでしょう。
 
 十条銀座をしっかり回りたいけど、どうしても時間がないと言うときには、とりあえずここによるだけでも充分雰囲気は感じ取っていただけるとおもいます。
 
 ちなみに、連日人々が立ち並び、テレビでも何度か紹介された実績がある大人気店「鳥大」を初めとして、惣菜屋は十条銀座に数多く存在しており、適当に歩くだけでも4、5件ぐらい惣菜屋が見つかります。
 
 当然、これらはただ並んでいるだけではなく、それぞれが独自の個性を携えて皆さんを待ち構えています。なかには、惣菜を通り越して弁当まで売っている店や、ピーマンの肉詰めのようなこの手の惣菜屋としては独特なラインナップを持つ店なども。
 
 もしじっくり探索する時間があるならば、様々な惣菜屋を食べ比べて、自分のお気に入りの惣菜屋を探してみるのもオツなものですよ?
 
 
 いかがでしたか。十条にも大学や歴史など、ほかにもいろいろと十条特有の魅力はあるのですが、今回はあえて商品を食べ歩くという1点だけに特化させて紹介させていただきました。
 
 上ではまるで惣菜屋が十条の全てみたいに書いてますが、当然他にも食べ歩きにうれしい様々なお店が存在しているので、揚げ物以外のジャンルを楽しみたいという方にも安心して訪れていただけるでしょう。
 
 いずれにしても、「歴史とか背景とかは後回しだ!とにかくわかりやすい観光スポットをくれっ!!」という方には、十条以上にお薦めの地方はないと私は考えています。ここに立ち寄れば毎日が食欲の秋です。なんだかんだ言いつつ結局食べ過ぎてしまう不思議な魅力がこの町にはあるのです。
 
 ああ、書いていたら余計にお腹が空いてきた。今日は名所紹介もほどほどにして、これからまた十条銀座に行ってこようかな。
 
 というわけで今回はここまでで切り上げさせてください。また次回お目にかかりましょう。
 
三瓶
 
 
・お知らせ
 
諸事情につき次回作を書くことが出来なくなったため、急遽この回を最終回といたします。
長らくのご愛読、ありがとうございました。どうかご理解とご容赦をお願いいたします
三瓶
 
出典:
*1 『十条駅西口地区第一種市街地再開発事業』公式ホームページ 「十条の歴史」https://sumai.tokyu-land.co.jp/condo/jujo/history/