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猫アパート

3月に関東から福岡に引越してきたのだけど、福岡で今は狭い賃貸にぎゅうぎゅうと住んでいる。(以下その経緯つらつら)

そもそも移住しようと決めた時、こどもたちを転校させてしまうことがネックになっていた。せっかくできた友達と離れ、また福岡で一から人間関係を作っていかなきゃならん。人生の早いうちに越したことはないとはいえ、これがとても申し訳ない。

そしてもし移住した後に家を買いたいとなった場合、福岡内でさらに転校させるなんてことになれば酷だよな…と思っていっそ移住のタイミングで家を買ってしまうことにした。なお我々に福岡の土地勘はあまりない。

年末と年始に転職先の面接を受けに行った時、ついでにハウスメーカーの人と候補地を見て回り、良さそうなところがあったので場所を決めた(この時期に猛烈に忙しかったのはこのせい)。

決めた場所はまだ土地の状態だったので、家が建つまでの間の今は同じ学区内の賃貸住宅に住んでいるというわけなのだ。以上説明おわり。よくわかりましたね。

同じ学区内で賃貸を探す時、わが家には猫が2匹いるので「ペット可」の条件で絞り込む。そうすると候補が2件しかなかった。ペットを飼う人は引越しの時マジで気をつけたほうがいい。住宅街ですら物件が全然ないから。

そうしてなんとか見つけた2階建ての賃貸アパートは2LDKで、家族4人で住むには決して広くなかった。というか狭い。お風呂で足を全然伸ばせないし、プライベートな空間が皆無なので1人でゴソゴソできない(なにがとは言わないが)。こどもたちがまだ7歳5歳の今だからなんとか住めているんだと思う。

しかしこのアパート、「各部屋に猫(たまに犬)がいる」という点においてだけはたまらなく良い。近辺にあまりないペット可賃貸だから、猫を飼う民が集う猫アパートとなっている。駐車場から見渡すと、各部屋の窓にそこで飼われている猫が佇んでいることがあるのだ。

窓辺に佇む猫ほど良いものがあるだろうか(いやない)。私が松尾芭蕉なら見かけるたびにそこで一句詠んでしまう気がする。あの澄んだ瞳と丸みを帯びたフォルムの芸術性といったら!芭蕉ではないから詠まないだけで危なかった。もふもふのぉ〜とか駐車場で吟じるところだった。

今のところ全部で6匹の猫を見た。私の推しは1階の真ん中へんにいる黒猫だ。この部屋は窓の下の方に断熱シートを貼っているのが悔やまれるが、少し細身でうつくしい。雅だのぅ、と思う。別の部屋で一度だけ長毛のサビ猫を見かけたのだが、あまりの気品にこの部屋に王家が住んでるのかと思った。かと思えば2階に住む茶トラ猫のだらしなさもまた愛くるしい。

駐車場に行くたびに家族でキョロキョロと不審な動きをしているので通報されないように気をつけなければと思うのだが、猫アパートにハマってしまっている。家が完成してからもまた覗きに来てしまうと思う。

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