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【695/1096】子どもがしてくれる内緒の話

子どもがしてくれる内緒の話が好きだ。
それはたいてい、唐突に始まる。
ものすごく唐突に。

そして、自分がしたことをすごく客観的に話す。
自分がしてよくないと思ったことも正直に話すし、そのときに自分はこう思っていたけれど、相手の態度はこうだったということも把握している。
この人の話す内緒話のいちばんすごいと思うところは、自分を良く観せるための言い訳を一切しないというところだ。
相手の気持ちも、すごくよくわかっている。
相手の気持ちがこれだけわかっていても、自分がどうしてそういう行動に出たかの理由もわかっている。

こういう話を、大人から聞いたことはいままでに一度もない。
どんな人も、このように正直に率直に話してくれることはないし、たぶん、このようには話せないだろうと思う。
もちろん、子どもだからと言って、誰もがこのように話してくれるわけでもない。

子どもが内緒の話をしてくれるとき、たいてい子どもは悲しかったり傷ついたりしているのだけど、話すことでそれが浄化されている。
話す前に、自分で自分の機嫌はちゃんと取っている。

心の壁がまったくなくて、すきとおっている。
尊い。

この尊い時間を共有してくれることが、たまに奇跡のように感じる。
この時間を味わうのは、人生のご褒美のようだ。
人の心に触れるというのは、すごいことなのだとしみじみ思う。ただそこにいられることに感謝する。

では、また。

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