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【915/1096】「悪い私」はいない

内的家族システムモデル(IFS)の創始者であるリチャード・C・シュワルツ博士の新しい本が翻訳されて出版された。
そのタイトルが「「悪い私」はいない」である。

まさにこのタイトルどおり、自分の中に悪者をつくらないというのが心底大事である。

IFSは、家族療法家だったシュワルツ博士が、クライアントとの対話の中で、個人の内側にも同じようなシステムが存在するということに気づき、その内側のパーツと自分自身(IFSではSelfと呼ぶ)との対話をしていく手法である。
自分自身とパーツとの関わり方が、そのまま外側の人間関係にも反映されている。私がIFSが好きなところは、基本的に人間を善と見ていて、非常にやさしいところである。慈愛に満ちている。

しかし、このSelfの感覚がつかめないで手法だけマネすると、絵空事のように感じたり、どこか他人事のようになってしまったり、ゲームのような感覚になったりしてしまうことがある。妄想がすぎる・・・みたいな感覚になったりとか。
心理学はすべて仮説である、というのはほんとそうで、心には実態がないので何でもありと言えば何でもありだから。

このSelfの感覚は、身体に落とし込むもので、私はこれはIFSでは得られず(頭では十分理解できたし、知的に理解しているだけでも作用する部分もある)、
呼吸・整体の学びの中でつかんだ。
自分の中心感覚。
これはやっぱり実態である。
実態がないところでいくらやってもつかめないだろうなと、自分の実感として思った。
実態としてつかんだら、誰になんと言われようと、ここであるとわかるけど、実態がないと人に「それは違うよ」と言われたら、「違うかもしれない・・・」と途端に不安になったし。そうなると、間違ってるかも、わかってないかも、と彷徨い始める。どこに真実があるの?!みたいな。
(だからといって心理療法がまったく実態を得られないと言ってるわけではない。念のため)

実態として中心感覚をつかんだうえで、自分と言う全体を見てみると、分離しているところ、感じないようにしていたところとつながりなおすという作業が必要で、それはメンテナンスとして続けていくことなのだなと思う。
あと、気づいていないものはメンテナンスすらできないので、そこに気づく力をあげていくことも含めて。

自分の中に悪者をつくると、そこがずっと分離、分断しつづけてしまう。
全か無か、白か黒かはなく、完璧もあり得ない。
だけど、自分につながっていれば大丈夫なのである。
そして、つながった自分で自分を育てなおしていく。
死ぬまで学び続けるというのは、そういうことだなと思う。

では、また。

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