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必要なのは少しの勇気と行動力なんだと思う

彼女と私は2人とも転勤族の妻だ。

知り合ったのは息子が小学1年生の時だった。
私が住むマンションに彼女の家族が越してきたのがきっかけだった。

彼女は3人家族。
息子さんがいた。
偶然うちの息子と同じ歳というのもあり自然と親しくなった。

翌年の春、我が家が転勤で他県に引っ越した。
僅か1年間のお付き合いだった。

この20数年間で我が家が3回転勤に伴う転居をしている間、彼女の家族は遥かに上回る6回の転居をしていた。

その後県を越えたにもかかわらず数回一緒にランチをしたことはある仲だ。

お互い年賀状のやり取りだけは欠かさず今もずっと続いているのは幸いなことだった。
そして昨年届いた年賀状には、私が住む県に再び転勤で戻ってきたことが記されていた。
初めて出会った時と同じ県。
当時に比べたら、住む場所はかなり離れてしまったけれどすぐに会おうと思えば会える距離になれた。
それまでは彼女からの年賀状は、毎年住所が変わっているイメージがあった。
関東、関西、そしてようやく九州に…。

今年の元日も同じ住所の年賀状を確認して安心していた。
(ただ安心しただけで何も行動はしていなかったのだが)

そんな数週間前のある日…。

突然知らない人からLINEが届いた。
トーク画面を開いたら彼女だった。

「ずっと連絡を取ろうと思ってたけど今になってごめんなさい。
良かったら登録お願いします!」

嬉しくて速攻で返事をした。

「土曜に会いませんか?」
とお誘いしてみた。
私は嬉しさの余りすぐに会いたくなっていた。

彼女からの返事には
「ごめんなさい。予定が入っていて…。翌週の土曜日はいかがですか?」
と再び返事が来た。

私はあいにくその日に限って土曜日は出勤日。

「次の週の土日、どちらかでどうですか?」
と再びお誘いしてみた。

しかし、速攻でやって来た彼女のLINEを見て私は思わず声を上げてしまった。

私が出勤日だと断った翌日の日曜日に彼女はなんと引越しだというのだ。


またまた旦那さんの転勤が決まったらしい。
もう土日で会える日がなくなってしまった。

でも私はどうしても会いたかった。
久々にLINEをくれた彼女の勇気に報いたかった。

部署が変わったおかげで午前中出勤して午後から休みというのも割と簡単に取れる。
それを伝えたところ、ようやく平日午後から会えることになった。

彼女は会えることを喜んでくれた。
それと同時に私が休みを取ったことについて恐縮していた。

私は
「あなたとの再会は数時間のパート代とは比べものにならないくらいプライスレスだと思っているから全然気にしないでー!」
と返事をした…。



実は彼女に会ったらひとつお礼を言いたいことがある。

私が息子の不登校で悩んでいた最中に、何度か日帰りで彼女の住む県まで出向いてランチをしたことがあった。

その時、息子の修学旅行について聞かれたのに、どうしても不登校でーと言えず、有耶無耶な返事をしたことがあったのだ。

穏やかな彼女はいつも1人息子さんをふんわりとした雰囲気で子育てしていた。

当時の私はそんな彼女に対して、自分の息子が不登校で昼間家に置いたままこうして自分だけ遊びに来ていることなど言えなかったのだ。

そして当時の私にとって、彼女と過ごすこの数時間はとても気分転換になっていた。

会うたびにうちの家族のことを根掘り葉掘り聞いたりしない彼女に本当に救われていた。
(今もまだ何も知らない彼女は当時そんな風に私が思っていたなんて、ゆめゆめ思っていないだろうけど…)


だから今度再会した時にはきちんとお礼を言おうと決めている。


ご縁がある人とはまた会える。


50代も後半になった私はそう実感することばかりだ。

たった1年間。
一緒のマンションに住んでいた彼女。

だけどこうして時間をやりくりして再会出来るというのは、やっぱり彼女とはご縁があったんだ。

そして、再会するためには少しの勇気と行動力。
それも必要なんだなぁと思った。


LINEをしてくれた彼女の勇気に感謝したい。
そして、当日は楽しい時間を過ごしたい。

あ〜しかし。
空白の年月に私や家族に起こったいろんな出来事…。
数時間で話しきれるだろうか?


ところで私にはまだ転勤族の友人がいる。
彼女の勇気を見習って、久しぶり友人に連絡を取ってみようと思う。


読んでくれてありがとう。
出会えたご縁に感謝します。




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