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ハッピバースデートゥーミー

17歳の頃は、38歳のことをおばさんとは思っていなかったけれど、42歳のことはおばさんだと思っていた。

今日、その42歳になった。

友だちに教えてもらった剥がせるジェルネイルを試して、ウキウキで写真を撮る。爪はつやつやになったのに、指がどう撮ってもしわしわでしょんぼりとする。

このあいだは朝起きたら上の子どもが、「ママのあしのうらはどうしてしわしわなの」と興味深そうに自分のと見比べていた。君のはぷりぷりのぱつんぱつんだもんねえ。その日から、一応クリームを塗るようにしたけれど。

夜は下の子にお願いされて髪をとかしていた。この子の髪は夜どんなに絡まっていても朝起きるとストンとさらさらストレートになっている。対して私は、数年前CMでやっていた「大人になると髪がゆがむんです」という意味がわかるようになった。

お腹も背中もなんだかぴしっと収まらなくなったし、二の腕も不安定なご様子。たしかに私は〈おばさん〉といって差し支えない形状になっているのかもしれぬ。と、ここにきてもなお断定表現をなんとか避けようとする。

おばさんとなることに、全然、潔くなれない。

ただ、救いはある。

40歳からどんどん人生楽しくなっているのだ。

17歳の、手も足も髪もつやつやのぴかぴかだった自分より、断然今の方が、自分のことを好きだし、好き放題やってるし、自由奔放だし、リラックスしてる。ワクワクしてるし、なんでもできる気がするし、どうとでもなる確信がある。自分が自分の人生を運転している実感がある。

それに比べたら、あちこちの形状変化もなんてことない。いれものはどうにかこうにか取り繕うことができる。それよりも中身がキラキラしてることのほうが大事だ。私といういれものはくたびれ始めたけれど、中身はむしろ赤ん坊のようにどんどん天衣無縫になっていってる。

いいぞ、私。もっとやれ!

お誕生日おめでとう







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