ティール組織といけばなに共通すること
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ティール組織といけばなに共通すること

(写真:坂上彰啓)

先日、"Reinventing Organization"・邦訳名「ティール組織」の著者であるフレデリック・ラルーさんが来日され「ティールジャーニーキャンパス」が開かれました。この一日に向けたくさんの方が心を込め時間をかけて準備され、ラルーさんの強烈な知性とそれを上回るあたたかなお人柄も加わり、とても素晴らしい時空でした。

準備の中心にいらっしゃった方々からのお声がけで、舞台装飾としてのいけばなを担当することに。さらに少しだけ壇上でいけばなについてお話させていただく、という光栄な機会をいただきました。

日本でティールがブームとなった後(人口比での本の売り上げが世界でもダントツらしいです)、原書のReinventing Organizationsを読んで、なんだか勝手にいけばなの活動を進める勇気をもらっていました。ティールのような考え方がこれだけ社会に受け入れられる時代なら、いけばなもいけるぞ、と。それはティールといけばなの間に、とても似ているところがあると思ったからです。

ティール組織とは何か。私なりの理解では、ある与えれたパーパス(目的)の実現のために組織があり、そこにいる人たち一人一人のパーパス(何のために生きるか)もその組織のパーパスと一致している、というものです。だから上から「こうせよ、ああせよ」という指令や、「これを達成せよ」という数値目標を出さなくても、それぞれが自律的に動くことで、自ずと組織のパーパスの実現に近づく。そしてそこにいる人たちはそのままの丸ごとの自分で働き、だからこそ力を発揮している。

(ちなみにちゃんとした解説は、この本の監修である嘉村賢州さんのこちらの記事をお読みください。)

いけばなとは「人は花を『いける』のではなく花を『いかす』」というもの。花をいかすには、心をまっさらにして、頭の声を消して、花と向き合う。そうすると花の声が聞こえ、それに従うと花がおのずといかされる。

とりわけ二つの点がティール組織のあり方に似ていると思っています。

第一に、個と全体の関係性です。いけばなでは、一つ一つの花をいかす、その先に全体の調和が創られる。個々の花がいきなければ、全体の調和はない。また、全体の調和がなければ、個々の花もいきない。

これはまさに、一人一人がその人の全体性を持って自律的に動くことが、組織の輝きにつながる、というティール組織と同じなのではないかと。

第二に、ビジョンのあり方です。いけばなでは、最初に「こういうふうにいけよう」というビジョンを持って始めるのではなく、一つ一つの花をいかしていくと、その先におのずとビジョンが立ち現れる、というところがあります。

ティール組織では、上からの一方的な戦略というものは存在せず、組織で働く人一人一人が、感性を最大限にして時代のセンサーとなって動くと、自然と組織の方向性が定まっていく、と言われています。うん、同じ!

といったことをティールの会議でもお話ししました。

そして、この会議でラルーさんがおっしゃっていたことで、さらにいけばなとの親和性を確信。ラルーさんは、「パーパス(人生の目的)はどう探せばいいのか。パーパスの声はどうやったら聞こえるのか」という質問に対して、こうおっしゃっていました。

自分のパーパスは外に向かって探すものではなく、自分を整えて美しい人間であるようにしておくと、パーパスの方からやってくる。自分をその声が聞こえる状態にしておくことが大切。(筆者のあいまいな記憶から)

人間中心で花をいける、ではなく、あくまで花主体で花をいかす、花の声を聞く、という心で花に向き合う。それを続けると、花の声だけでなく、パーパスも聞こえてくる、パーパスの方からやってくる状態になるのではないかと。

このいけばなの叡智を広げるという人生を生ききろうと改めて力をいただきました。妄想的仮説ではありますが。

ちなみにこちらが会場にいけた花です。開演前にコスモスやススキなど秋の野原のような作品をいけ、セッション中に会場のエネルギーを集めたような作品をつくりました。

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