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学童保育所に理念は必要なのか

私は、必要だと思っています。(キッパリ

私は自分の職場で、「子どもも親も、いずれは学童保育なんか要らなくなるように…」っていう思いをゴールにして、子どもや親御さんに関わってます。

これが、私の(職場で、同僚との共有している)理念なのです。

今、学童保育を必要としている親子が、学童保育を必要としなくなれば、それが一番その家庭にとっての幸せでないのかな、と思うからです。

学童保育が必要な状態の時に学童保育を頼れないのは不幸だけど、必要な状態から脱することが出来れば必要ありません。

現に、家庭自体が成長すれば、学童保育の必要性がなくなる場合も多くあります。

だから、私たち放課後児童支援員は、家庭の成長そのものに関わりたいと思っているのです。

「家庭の成長」には色々あります。

子どもの自立もそうだし、子育てにおける頼り先を身の回りに増やすこともだし、親の精神的な自立や物理的金銭的な自立もそう。もしかしたら、まだまだ他にもあるかもしれませんね。

つまり、親御さんには、常に家庭の形も変化し成長することを前提として、学童保育を活用して欲しいのです。

そして、本当に必要な人のために利他的に、学童保育所を存続させていく努力を、支援員と保護者双方でしていきたいと思っています。

元々、学童保育ってそういう施設なんじゃなかったのか…。(サービス業の特色が強い民間学童保育はどうだかわからないけど)

そういう施設を存続させるために、親御さん達はいずれ学童保育に依存せずに済むように家庭を成長させる。そしえ、本当に必要な人のために学童保育を存続させる。

そして、私たち放課後児童支援員は、その家庭にとって、学童保育が必要じゃなくなるように子どもと親御さんの成長に関わる。そして、本当にこの場所を必要としている子を迎えていく…。

これが私の、そして私の職場で同僚達と共有しているゴールです。

この基本理念があるからこそ、学童保育の運営と保育の方法や手段が見えてくるわけなのです。

この説明をしてもなお、「学童保育にこんな大それた目標なんか、必要なの?」と言われることが多いのですが、子どもたちや保護者さんにとって安全であり居心地良く、安心感のある空間を作る「やり方」は、そんな大それた目標を立てることによって、やっと見えてくるものなのです。

そして、生活集団が大きくなればなるほど、小さな社会構造を成すので、理念なくしてはまともな運営・保育がままらなくなる…、ということになるわけです。

理念の共有がなければ、皆が好き勝手気ままに動いてしまいますし、「こういうふうに動いて」と命令しても、良いパフォーマンスは発揮できませんから、子どもに対する関わり方も、ねらいのない、受動的なスタイルになることもしばしば。

理念に基づいた、自発的な行動であればあるほど、パフォーマンスは向上しますからね。自発的な関わりは、子ども達や保護者さんとのトラブル対応に大変良い影響を与えます。

皆さんも、もし何かトラブル対応を求めた時、マニュアル通りに対応されるよりも、その人が自分で考えて行動を起こしてくれた方が、より信頼できるはずです。

人数が足りていれば、きちんとした場所があれば…、では、なかなか解消できない問題が、人間の集団生活には頻繁に起こりうるのです。

皆さん、学童保育での理念の重要性が、ご理解頂けたでしょうか。

民間学童保育所でしたらあるかもしれませんが、公設の学童保育所ではまだこういった考え方は浸透していないと思います。

興味を持たれた方は、この機会に、学童保育所の理念について考えてみられてはいかがでしょうか。

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