子どもたちの「負の連鎖」を断ち切ろう
子どもたちのトラブルの中には、かなりの割合で「負の感情の連鎖」が存在しています。
例えば、「私のお母さんはお迎えが遅いけど、この子のお母さん優しそうでお迎えも早い、羨ましいな…」という感情。これは、意識していてもしていなくても子どもは素直ゆえに、言動に表出されがちなので、観察しているとよく分かりますよ。
ゲームや勉強でその子よりも優位に立とうとしたり。自分がリーダーのように振る舞い、従わせようとしたり。仲間外れにしたり。
言動だけ見てしまうと、単に意地悪としか受け取れないのですが、周りの大人が注意深く見守ると、家庭環境やコンプレックスの満たされない部分が見えてくるのです。
実は、子ども同士の関係における負の局面は、こういう負の感情が、連鎖し、複雑に絡み合ってる場合が多いんですよ。このケースだと、意地悪された子も、辛くなって泣いたり、誰かにいじわるして鬱憤を晴らしている可能性は高いですし。さらにその誰か、も…。
こういう「負の感情の連鎖」で起こったトラブルで一番気をつけたいのは、加害者と被害者を決めない、ということです。なんとなく悲しくて意地悪をしてしまったのに、「〇〇ちゃんをいじめたらダメだよ!」という声掛けをされても意味が無いのですよね。その子の心の穴は埋まらないので、また同じことをする可能性もあります。
かと言って「可哀想だったね、心の穴はこれで埋めてあげるよ」というのも違います。例えば「親代わりになる」などは、現実的には不可能だったり埋められない場合もあるので。
ホントは、子どもにはなかなか難しいけれど、自分が一番不幸だ!と思うのをやめれるといいんですよね。必ず自分よりもしんどい人がいるものです。人に指摘されて言われると、納得いかないと思いますが、結構これが世の中の真実です。
自分(や自分の子)の不幸に目が行き過ぎると、もっと辛い目にあっている子のことが目に入らなくなります。そうするとさらに自分が不幸に思えてくるので、ドツボにハマります。
逆に、少し冷静になって、ちょっと困っている人を助けると、今までぽっかり空いていた穴が塞がる感覚を覚えることがありませんか?人は、誰かのためのことを考えている時が一番幸せだったりしますもんね。
子どもたちにはまだ少し難しいかもしれませんが「どうせ分からないから」と適当にあしらわずに、「相手を思いやる気持ちを大切にすることが、自分の幸せに繋がるんだよ」と、丁寧に教えていく必要があるのだろうなと思っています。
こういうことこそ、大人だから、伝えることが出来ることなんじゃないかな、と。
「お母さん(先生は)、自分のことより、あなたのこと考えている時が一番幸せ。」
皆さんもきっと、心の底からそう思ってるでしょ?
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