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子どもに関わる仕事とファッション

教育、保育業界では、ファッションについてはあまり語られていないと思います。むしろ、教育に携わる側は、暗黙の了解でフラットな感覚が求められており、無難で清潔感がある装いや、子どもと一緒に直ぐ動けるような服装が一般的になっているのではないでしょうか。

実際、教員時代に学校の教育現場でわっと思うような個性的で目立つファッションの先生はいませんでした。若い先生でこそ今風なスポーツブランドのジャージなどを着てはいるものの、年配のベテラン先生は、モノは良いけどもいつ購入したのかも分からないようなダブルボタンのスーツや、バブル期によく見かけた金ボタンのカーディガンにブラウスとタイトスカート…。今でもいません?そんな感じの先生。

では、オシャレというのは、教育にとって必要のない価値観なのでしょうか。

私はそうは思いません。

例えば、私の職場では、入社時にはみんな揃ってジャージを着ていました。おそらく、子どもと関わる仕事だから汚れてもいい格好じゃないと…という考えからそうしていたのかもしれません。確かに一理あります。汚されたくない服だったら思いっきり子どもと遊べない、と考える人も多いでしょう。

でも、汚れてもいい(もう既に汚れてる等の)服で人に会うって、よく考えたらかなり失礼じゃありません?子どもに対しても「あなた達といると汚れるのよね」って言っちゃってる感じします。

そして、よく考えてみてください。ドッジボールのように激しく遊んでも、ジャージである必要性ないでしょう。汚さずに遊ぶことも出来ますよね。

学生時代、私は工芸研究室にいたのですが、先生がよく「素晴らしい職人は、服を絶対に汚さない。服を汚すヤツはアマチュアだ。」と言っていたのを思い出します。

どちらかと言えば、子どもにも、思いきり汚してもいい服を着させるより、物を大切にし、服を汚さずに遊ぶ気遣いを、実際にお手本を見せながら教えていくのも大切ではないかと思うのです。

先生も、先回りして汚されてもいい服を着ていくより、「今日は先生の大切な服なんだ。汚さないでね。」と伝えて関わる方が、子どもにとって良い学びになると思いませんか?

また、「相手が子どもだからどんな服でも良いわ」と思っている方も多いと思います。休日だったらキメ込んでお出かけしていくのに、職場へはどうでもいいヨレヨレの服とか…。

いやいや、子どもは結構見てますよ。というか、周りの大人に影響されるわけです。無意識に周囲の大人の美的センス、ファッション感覚が子どもにとってのデフォルトになってきているからです。

私は今は化粧もかなり色とりどりにして、ファッションも割と派手めです。こんな感じにしてきた初期の頃は、職場の子どもたちに「うちのお母さんはそんな事しない。」「ギャルオバサン」「先生ならもっと普通にして!」と散々言われました。この言葉を聞いて、「うわー、めっちゃ価値観偏ってるやん。絶対に壊してやろう。」と心に決めたくらいなのですよ。

その日から、かなり私の外見は進化してます笑

お母さんも、先生も、もっといろんなファッションや化粧を楽しんでいて良くないですか?

挑戦してみても良くないですか?

そして、相手への思いやりで今日のコーデを決めても良くないですか?

実際に思い浮かべて欲しいのですが、オシャレで素敵な人って、余裕がありそうに感じますよね。実際に、ファッションを楽しむ心の余裕があるのです。そして、自分の見た目に気を配れる余裕のある人って、周りの人にも気を配れます。

オシャレで素敵な人って、ちょっとした変化を感じとって、褒めてくれたりするでしょう?

同じように、子どものちょっとした変化を感じとって、声をかけられるのは、人に気配りできる余裕があるからなのです。

そんなの、私はファッションに興味ないけど、出来てるわよ!という方も、オシャレに気を使えば見た目プラスで、さらに説得力があがるのです。保護者さんからの評判も、もしかしたら上がっちゃうかもしれませんよ。一度試してみてください。

いかがですか?ファッションと教育って、どうやら関係アリ…というよりも、組み合わせればもっと教育効果が高まる…って感じがしてきませんでした?

そして、一番基本で大切なこと…。お母さん、お父さん、先生たちが、イキイキと個性を生かしたファッションや生き方を見せることで、子どもたちに未来の明るさが伝えることができるんじゃないかなと思っているのです。

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