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記事一覧

【お題:祈願上手】日本一参拝が美しい男

【お題:祈願上手】日本一参拝が美しい男

 あれが噂の日本一参拝が美しいとされている男だな。
 まずは……手水か。
 なんだと?!
 柄杓で水を上にバシャンと上げて、舞い降りる水滴で手を洗っている?!
 なんて鮮やかなんだ!
 おぉ、モデルみたいな歩き方で参道を歩いていく。
 ちゃんと端で歩いているのが高得点だな。
 で、本堂の前に立つと。
 う、嘘だろ?!
 紙幣でも硬貨でもなく金貨をぶち込んだぞ?!
 王族みたいなお賽銭をするなんて、

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【#青ブラ文学部】くされ縁

【#青ブラ文学部】くされ縁

おい、腐れ縁。
そんな所にいたのかよ。
またパチンコで負けて、ベンチで寝っ転がっていたのか?
いい加減、そろそろ目を覚ませよ。
社会はお前のために養っているんじゃないんだぞ。
確かに上司にセクハラされたのは辛いと思う。
だけど、毎日タバコと酒に溺れて、パチンコや競馬に行っていたら本当に腐っちまうよ!
なぁ、頼むよ。
頼むから、あの頃の可愛い緑に戻ってくれ!
黄金のアイドル時代のトップに君臨していた

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【#シロクマ文芸部】金魚鉢の思い出

【#シロクマ文芸部】金魚鉢の思い出

 金魚鉢を見て思い出す事がある。
 あれは確か私が小学生の頃だった。
 当時、生き物係というのを担当していて、私は金魚の世話をしていた。
 しかし、不器用な私は一匹死なせてしまった。
 当然先生にこっぴどく叱られてしまった。
「次、金魚を死なせたらしょうちしないですからね!」
 そうキツく言われてしまったので、私は二度と金魚を死なせないと誓った。
 新しい金魚が来てから、私は変わった。
 絶対に飢

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【お題:文学トリマー】文学サロン

【お題:文学トリマー】文学サロン

 こんにちは〜!
 今日はどんなカットをご希望ですか?
 うん、うん、はいはい……有名な作品の大幅カットをお願いしたいと。
 確かに文章は美しいですけど、長編になると胃もたれしちゃいますよね〜!
 では、ご提案なんですけど……例えば『吾輩は猫である』の最初の一文を『である』だけ抜き取って、『吾輩は猫』はいかがでしょうか?
 それ以降の文章ですか? もちろん、全カットです♡
 駄目ですか……でしたら

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【お題:山岳カルマ】山の女神、ブチギレ

【お題:山岳カルマ】山の女神、ブチギレ

 おい、人間。
 あなた達には心底うんざりです。
 神聖なる山に汚い缶やペットボトルを投げ捨てるは、動物達を猟銃で撃ってさばいて食うは、タバコを棄ててその火が引火して大火事起こすは、新参者を虐めるはで……あぁ、本当にどうしようもないですね。
 女神、我慢の限界です。
 あなた達に審判を下します。
 妖精さんと色々協議した結果、あなた方には山からの怒りによって怒る厄災で殺します。
 ただ、村の中で唯

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【#青ブラ文学部】門限は19時。

【#青ブラ文学部】門限は19時。

 家に帰りたいけど、妻に渡された買い物メモがどれもRPGのダンジョン並に難易度が高すぎて死にそう。

↓今回参加した企画はこちら

【#シロクマ文芸部】卑怯より努力を優先

【#シロクマ文芸部】卑怯より努力を優先

白い靴を落とした姫と同じサイズにしようとダイエットに奮闘する姫の姉。

↓今回参加しようとしたけど期限に間に合わなかった企画はこちら

【お題:記憶冷凍】あの頃を思い出してみませんか?

【お題:記憶冷凍】あの頃を思い出してみませんか?

何もかも楽しめた子供の頃。
人に振り回され、環境に抗いきれずに心をかき乱された青春時代。

しかし、時が経てば忘れてしまうもの。

あの頃を思い出したい……そんな願望を抱いた事はございますか?

その願い、叶います。

弊社は企業秘密の特殊なヘルメットを装着して、記憶の奥底に眠っている幼少期や青春の記憶を取り出し、それを液状化して冷凍保存する事で、いつでも必要な時にあの頃の記憶を鮮明に思い出す事が

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【お題:二億斉藤】二億斉藤さんに取材

【お題:二億斉藤】二億斉藤さんに取材

 本日はこんな足元がお悪い中、お越し下さり、ありがとうございます!
 どうぞお掛け下さい!
 では、早速ですが、どんな健康法を実践されているんですか?
 ふむふむ、へー、朝食をたらふく食べる……それだけですか?
 それで長生きできるなんて凄いですね!
 ……え? まだ30歳?
 いやいや、ご冗談を。
 だって、あなたは……あ、『二億歳藤』ではなく『斎藤二億』さん……あ、単純に役所のミス……そうです

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【#青ブラ文学部】大事な話

【#青ブラ文学部】大事な話

〜〜〜〜!!!
〜? 〜〜〜!!
〜! 〜! 〜!
〜〜〜〜? 〜〜〜!!!
〜〜〜〜???
〜〜〜〜?!
〜〜〜〜!?

……あ、ごめん。マイクをミュートにしたまま喋っちゃった。
 これじゃあ、いくら話しても君に届かないよね! アーーハッハッ!
 ハハハ……え? 何を話していたのかって?
 あぁ、それね……今なら100%儲かる株の話が……って、あれ?
 もしも〜し? もしも〜し!
 マイクのミュ

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【#シロクマ文芸部】風薫るカレーの香り

【#シロクマ文芸部】風薫るカレーの香り

 風薫る黄昏時。
 学校が終わった僕は夕焼けが眩しいと感じながら下校していた。
 家の近くまで来た時、普段は閉まっている窓が空いて、そこから美味しそうな匂いが漂ってきた。
 その香りで今日の夕食がカレーだと分かった。
 ただいまと言うと、案の定エプロンを着た母が「カレーを作ったから手を洗ってきなさい」と言ってきた。
 僕は鼻歌をうたいながら泥の付いた手を念入りに洗った。
 僕は母の作るカレーが大好

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【お題:放課後ランプ】我ら、学校放課後お助け隊!

【お題:放課後ランプ】我ら、学校放課後お助け隊!

 よいか、諸君。
 我々『学校放課後お助け隊』を数年やってきた訳だが、ある問題点を抱えていた。
 何度も警察を呼ばれてしまう事だ。
 確かに平均年齢46歳のおじさんが小学校や中学校に上がり込んで、告白や課題の手伝いをしたりするのは、傍から見たら不審者だ。
 そこでこのランプを導入した。
 名付けて……放課後ランプ!
 これさえあれば助けが必要になった時にランプが光……むっ?! もう光った!
 よー

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【お題:真夜中万華鏡】万華鏡ワールド

【お題:真夜中万華鏡】万華鏡ワールド

 深夜3時に万華鏡を覗くと、不思議な世界に連れて行かれる。
 そんな都市伝説を僕は半信半疑でやってみた。
 たまたま部屋にあった万華鏡の中を覗き込んでみると、僕の身体が吸い込まれるような感覚がした。
 気がつけば、周囲がきらびやかになった。
 赤、青、黄、緑の妖精達が僕の周囲をまわりながら歌を歌ってくれた。
 歩く度に世界は変わっていった。
 最初は砂漠だと思っていたが、一歩進むと都会になったり、

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【#青ブラ文学部】永久欠番のあなたへ最高の名誉を

【#青ブラ文学部】永久欠番のあなたへ最高の名誉を

永久欠番のあなたへ

 あなたが私達に与えてくれた恩恵は計り知れません。
 まず、人をぶん殴る事以外使い道がないと思われた木の棒をバッドという魅力的な道具にしてくれました。
 次に水分補給や防具ぐらいしか価値の無かったヤシの実をボールという画期的な使い道がある事も教えてくれました。
 他部族との抗争に疲弊しきっていた我々に野球という刺激的なスポーツを教えてくれたあなたに我々から永久欠番の名誉を送り

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