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最強姉妹の末っ子

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『最強姉妹の末っ子』第34話

『最強姉妹の末っ子』第34話

 いや、あんたが助けてって言ってきたんでしょうか。
 そう突っ込もうとしたが、私が答える前にムーニーが話し続けた。
「普通見棄てるよね? だって、あなたに酷いこといっぱいしてきたじゃない。
 殺せばよかったのに。殺したいほど憎いんじゃないの?
 なんで……なんで助けたの?」
 ジッと見つめてくる彼女に私は口を開いた。
「それケホッ、ケホッ! ムーニゴホッ、ゴホッ! うへっ、ケハッ、ベッ!」
 駄目

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『最強姉妹の末っ子』第33話

『最強姉妹の末っ子』第33話

「ふぎゃぁっ?!」
 予想外の事に驚いたのだろう、ムーニーは素っ頓狂な声を上げ、ドラゴンを一歩二歩後退させた。
 一度口の中に入れて多少は温度が冷めているかもしれないが、熱い事には変わらないようで、ドラゴンのボディが段々ぎこちなくなってきた。
「な、なに……なにこれ? 操縦が……きか……な……」
 モニターに映るムーニーの顔が歪み始め、姿が見えなくなってしまった。
「ケホッ! ケホッ!」
 さすが

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『最強姉妹の末っ子』第32話

『最強姉妹の末っ子』第32話

 岩のゴツゴツとした足の裏にダイレクトで感じながら歩いていくと、城壁が近づいてきた。
 私の膝ぐらいだったので、跨いで入る事ができた。
 だけど、何度も言った通り、家や人形達がミニチュア並に小さいので踏みつぶさないよう細心の注意をはらいながら向かった。
「はぁあああああ?! まだ死んでないの?!」
 しかし、チンタラ歩いていたので、当然ムーニーにも気づかれてしまった。
 うーん、どうしよう。
 ま

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『最強姉妹の末っ子』第31話

『最強姉妹の末っ子』第31話

 なるほど、ロリンがなぜ普通のドレスに着替えさせたのか、分かった。
 確かにあの格好だったら、大勢の人形達に私のイチゴパンツを晒される事になる。
 そんなの死ぬより嫌だ。
 モニターに映っているムーニーは口をあんぐりと開けていた。
「おま……え? なんで?……そ、そんな……きょだ……はぁ?」
 明らかに突然私が現れた事に動揺していた。
 私は人形達の家を踏まないように慎重に正面を向いた。
「ムーニ

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『最強姉妹の末っ子』第30話

『最強姉妹の末っ子』第30話

「まぁ、いいや。それより、ティーマスとティーロは?」
「そこのベンチにいるよ」
「ベンチ?」
 私はロリンの背後にベンチが並んで置かれている事に気づいた。
 横一直線にティーロとティーマスが目をつむっていた。
「どうして眠っているの? あなたを助けるまでは元気だったじゃない」
「えっと、城から出してベンチら辺まで連れて来た時に力尽きちゃったんだろうね……そのままバタンと倒れて……」
「え?! 死ん

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『最強姉妹の末っ子』第29話

『最強姉妹の末っ子』第29話

「……え? どういう事ですか?」
 私の発言に驚いているのだろう、目を大きくさせて瞬きをしていた。
「えっと、あくまで仮定の話なんだけど、仮にもし人形の心……それは形であるものなのかどうかは分からないけど、感情をコントロールする部分をいじって、自分達に逆らわないように改造して……。
 ムーニーの事だから、絶対に戻らないように作るはずなのよ。
 万が一何かの拍子で戻ったら反撃されるかもしれないから。

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『最強姉妹の末っ子』第28話

『最強姉妹の末っ子』第28話

「うぐっ、むぐぐ……プハッ!」
 起き上がろうとしたが、手脚が沼にハマったかと錯覚するぐらい思うように動けなかった。
「むぐ、ふぐ、うぐぐ……」
 私は懸命にジタバタして、どうにか仰向けの体勢になる事ができた。
「ふぅ」
 安堵の息をついたのも束の間、私の視界に逆さまに写った男女がこちらを見ていた。
「うわっ!」
 私は起き上がって、水に浮かんだアリみたいにバタバタした後、ようやく雪のない所に足を

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『最強姉妹の末っ子』第27話

『最強姉妹の末っ子』第27話

「待ちなさい!」
 私は裸足のまま追いかけようとしたが、回転し過ぎて三半規管が狂ってしまったのだろう、突然視界が歪んだかと思えば、頭の中が揺れた。
「おえ……」
 一気に吐き気が押し寄せてきて、まともに立っている事もできずに、その場で倒れてしまった。
 あぁ、追いかけなきゃいけないのに、気持ち悪くて動けない。
 心臓は高鳴り、耳鳴りも聞こえてきた。
 三ツ頭対策用に作った剣と火のポーションを組み合

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『最強姉妹の末っ子』第26話

『最強姉妹の末っ子』第26話

「な、何をボゥっとしているの?! 早く何とかして!」
 ムーニーの怒声が聞こえる。
 途中、熱くなったり寒くなったり痺れそうになったが、回転しているからか、受け流されて、全く影響を受けなかった。
「おりゃおりゃあああああ!!!」
 私は遠心力を利用して軽くジャンプした。
 フワッと浮かんだかと思えば、そのまま上昇していった。
「ボボ〜〜〜!!!」
 私がそう叫ぶと、手が急に熱くなった。
 流れるよ

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『最強姉妹の末っ子』第25話

『最強姉妹の末っ子』第25話

「私を騙したの? お姉様」
 ムーニーは唖然とした顔でロリンを見ていた。
「違うわ。ムーニー」
 ロリンは首を振った。
「あれは最終手段よ。魔機を停止させ、この国の人達を元に戻して、チャーム王子の居場所を教えてくれたら、何もしない。
 本当よ、私を信じて」
 ロリンはそう言ってムーニーの両手を握った。
 彼女は一気に顔を赤らめて、サッと違う方を向いた。
 しかし、ウーンと唸っているだけでなかなか口

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『最強姉妹の末っ子』第24話

『最強姉妹の末っ子』第24話

 ムーニーの手にボタンの付いた小さな箱を持っていたので、私はすぐに取った。
 縦一列に二つ並んでいて、『拘束・解放』と書かれたボタンと『放電・停止』と書かれたボタンがあった。
 私は両方押した。
 すると、椅子の装置が止まり、ティーロとティーマスを拘束していたものが外れた。
 二人ともほぼ同時に倒れたが、意識はあるようだった。
「グオオオオ!!!」
 主を倒されて怒っているのだろう、三ツ頭のドラゴ

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『最強姉妹の末っ子』第23話

『最強姉妹の末っ子』第23話

「アハハハハッ!! アーーーハーーー!!」
 ムーニーは高らかに笑うと、パフパフとサイズの大きい靴を鳴らしながらティーマスの方に向かった。
「どう? そろそろ言う気になった?」
 ムーニーがニヤニヤしながら聞くと、ティーマスがキッと首だけを動かして睨みつけてきた。
「黙れ! この略奪者!」
 剣士の言葉にムーニーは首を傾げた。
「略奪者? 私のどこが?
 私はお前らを人にさせたんだ。人と同じように

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『最強姉妹の末っ子』第22話

『最強姉妹の末っ子』第22話

 だけど、城内は迷宮だった。
 部屋数も多い上に、工場みたいにガラス窓で中の様子を確認できないから、一つ一つ扉に耳をあてないといけなかった。
 その上、巡回している魔機達の相手をしないといけない。
 一匹でも見逃したらすぐさまムーニーに報告されてしまうので、確実に仕留めて、出来るだけ発見が遅れるように空き部屋に隠したりしながら、彼らを探した。
 階段を見つけたら、上へあがるようにした。
 国の偉い

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『最強姉妹の末っ子』第21話

『最強姉妹の末っ子』第21話

「ところで、メタちゃん。ドレス、ボロボロじゃない?」
 満足するまで私の抱擁をしたロリンが聞いてきた。
 確かに変態生脚……じゃなかった。
 黒い騎士との戦闘で、ドレスが所々破れていた。
「新しいの無いの?」
 私がそう聞くと、ロリンは「ちょっと待ってて……」と二つの丸いものを置いて、リュックの中を漁った。
 待っている間、私はロリンが応援している時に持っていた丸いものを拾った。
 これは一体何な

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