意味のない失踪
先日、仲間の20歳の誕生日ライブに出演した。
20歳。
その頃の自分はといえば、本当に若すぎたし勝手すぎたな。
ふと思いを馳せることとなったので、ここに綴ってみようと思う。
当時不真面目な大学生であった私は、20歳の誕生日を迎える1週間前に、大学の授業を丸々1週間ほどサボって失踪した。
4月生まれだから、学期が始まって2週目くらい。
サボるには早すぎる。
1人で旅に出た。旅といっても行きたい場所も車もなかったから、高速バスで行ける東京に行って、そこから電車で色んな街に行っただけだ。
インターネットの友達に会いに行ったり、好きなバンドのライブを観に行ったり、なんとなく名前を聞いたことのある街に行ったりした。
その頃もお金はなかったから、ホテルなんて取らずになんとかして飛び入りでネカフェに行ったり友達に泊めてもらったりしてその日の宿を探した。
そして誕生日だか誕生日に近い日だかに、所属していた軽音部の飲み会があったから、ノコノコ地元に帰った。
あれはなんだったんだろう。
衝動ひとつだろう。
何も得ていない気もするけれど、そういう若さが自分にもあったんだなと思うと可愛く思える気もする。
成人式は出席した。
長女だし、親戚でも最初の女子だったので親と祖父母に振袖姿を見せるという親孝行のためだけに出席することにした。
朝のヘアセットで、なんか前髪を全然似合わない感じで巻かれて
「よしてください…」
とボソボソ言うところから1日は始まった。
最悪。
式では挨拶は交わすものの居づらさが激しくて、やっぱり友達いねぇ〜!と思いながらすぐに会場を後にした。
送迎渋滞にも巻き込まれないくらいすぐにだ。
冴えない奴すぎる。
同窓会には行かずに、大学で知り合った多浪のマブダチと酒を飲んだ。
そんな友達が居て良かった。
20歳の時が一番捻くれていて拗らせていて人を妬んで憎んで斜に構えていた。
どうしたってそんなに捻じ曲がれるんだってくらい曲がりきっていた。
だから先日はステージの上でたくさんの愛に包まれて真っ直ぐに全身でそれを返す仲間を見て、めちゃくちゃ感激したしちょっと泣いた。
だって20歳だよ??
私ももっと早くから色々積み上げられていたら良かったのにな、とも思う。
意味もなく失踪して特に何も得ず帰ってきた20歳。
時間は戻らないけれどこの先は長いから、そんな頃の自分も抱きしめられるかっこいい大人になりたいな。
まだまともに生きていけてるとは言えないけれど、そんな気持ちはずっと忘れずにね。
りさこ
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