全ての関係に名前をつけなくていい
「友達以上恋人未満」
みたいに「友達」のカテゴリーにも「恋人」のカテゴリーにも属さない関係性って世の中には存在する。そういう曖昧さを世の中は良しとしない傾向にあるけれど、それってどうなんだろう。
全ての関係を既存のカテゴリーに当てはめる必要はあるのかな。
『52ヘルツのクジラたち』という本を少し前に読んだ。
人生に疲れた成人女性の主人公と、母親から虐待されて「ムシ」と呼ばれていた少年が出会い、心を通わせていく物語。
この主人公の女性と少年は性別も違うし、年齢も違う。ゆえに恋愛感情は二人の間に全くないけれど、心に傷を抱えた者同士が、出会って心を通わせることで生きていく気力を取り戻す。
年齢も性別も違う関係性は「友達」でもないし「家族」でもない。「恋人」とも違う。どのカテゴリーにも属さない関係性と言える。
私が言いたいのは、こういった関係性も現実にあり得るだろうし、あっていいってこと。
年齢、性別、国籍、宗教etc.
そういった側面を超えて、その時お互いがお互いを必要として寄り添うことで励ましあえたり、傷ついた心を癒したりできる関係。言わば既存の枠からはみ出した関係性。
男と女(異性愛者でないなら、恋愛対象の性を持つ方)の関係性1つとっても、全てがすべてきれいな形の「恋人」に収まるわけでもない。
体の関係はあるけど恋人ではない。逆も然りで、生理的には受け入れないけど心から信頼しているよきパートナー、なんて関係性もあり得るわけで。
人と人の関係性は個性と個性が創るケミストリー。個性の数だけ関係性も幅広くあっていいと思う。
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