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2021 浦和レッズ マッチレビュー

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記事一覧

リカルドが目指した攻撃の構築 - 2021年 浦和レッズ シーズンレビュー

この記事でわかること

リカルドが何を目指していたのか

浦和の「攻撃」の進化過程

直面した課題と解決の流れ

大幅な補強が必要だった理由

残った課題と、来季への展望

浦和レッズの戦術を解説するレビュー。今回はシーズンの振り返り、攻撃の構築編です。

今季は3年計画の2年目、リカルド・ロドリゲスが監督に就任しました。

リーグは6位、ルヴァン杯は準決勝まで進み、最後は劇的な天皇杯優勝で目標で

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ポジションではなく役割 - 2021 J1 第38節 名古屋グランパス vs 浦和レッズ

ポジションではなく役割 - 2021 J1 第38節 名古屋グランパス vs 浦和レッズ

この記事でわかること

前節からの改善

金子の躍動と"あの頃"の関根

今のチームはポジションではなく役割分担で見る

役割の中でのポジション争い

この試合の勝敗以外の要素

浦和レッズの戦術を分析して試合を振り返るマッチレビュー。今回はJ1第38節、名古屋グランパス戦です。

リーグでのACL出場権獲得が不可能となった浦和は、怪我明けの選手たちの調整や金子のスタメン起用など、翌週に控える天皇

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【レビュー】足りない何かを求めて- 2021 J1 第34節 川崎フロンターレ vs 浦和レッズ

【レビュー】足りない何かを求めて- 2021 J1 第34節 川崎フロンターレ vs 浦和レッズ

この記事でわかること

・川崎の崩しを封じた浦和の対策
・その弊害としての保持率の低さ
・ユンカー不在の影響
・成長の実感と足りない現実
・必ずアジアの舞台へ

浦和レッズの戦術を分析して試合を振り返るマッチレビュー。今回はJ1第34節、川崎フロンターレ戦です。

優勝のかかった王者相手に、ACL出場権を狙う浦和がアウェイで挑みましたが、結果は引き分け。

内容的には互角に近づいてきていると思いま

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【レビュー】コントロールを取り戻す - 2021 J1 第30節 FC東京 vs 浦和レッズ

【レビュー】コントロールを取り戻す - 2021 J1 第30節 FC東京 vs 浦和レッズ

この記事からわかること

・浦和の主導権の握り方
・立ち位置で相手を縛りつける
・「ずっとこっちのターン」を生む循環
・焦らず慌てず、試合を掌握

「真実の時間」に突入した浦和は、ACL出場権獲得に向けてひとつも落とせない状況を戦っています。

前節・C大阪戦に完勝して迎えたアウェイFC東京戦。今回も相手が中2日と日程に恵まれている中で、きっちり勝ち点3を手にしました。

開始30秒で失点する厳し

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【レビュー】必然の積み重ね - 2021 J1 第29節 浦和レッズ vs セレッソ大阪

【レビュー】必然の積み重ね - 2021 J1 第29節 浦和レッズ vs セレッソ大阪

この記事でわかること

・凝縮された開始10秒
・相手に合わせて背後でフリーマンを作る
・シン・0トップとWGの関係
・タッチダウンパスの仕組み
・確率論的サッカー

好調を維持して迎えたC大阪戦は2−0の勝利でした。

無失点も継続、内容的にも試合を支配した完勝と感じた方も多かったのではないでしょうか。

ではなぜ、浦和がゴールを奪えて、良い内容と感じる試合運びをすることができたのか。

9月に

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【レビュー】相手にダメージを与える可変 - 2021 J1 第26節 浦和レッズ vs サンフレッチェ広島

【レビュー】相手にダメージを与える可変 - 2021 J1 第26節 浦和レッズ vs サンフレッチェ広島

この記事でわかること

・浦和の2つの可変システム
・広島を分断させる3バック
・広島の攻撃を封じるタスク割
・現実的な逃げ切り策

中断期間のコロナウイルス、怪我人、連戦と、厳しい条件の中で迎えたホーム広島戦。

天候もかなり蒸し暑く、時間の経過とともに運動量が落ちてしまうのは仕方ない試合でもあったと思います。

その中でも浦和は広島の特徴を捉えたうえで「可変システム」を採用。最後はしっかり逃げ

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【レビュー】今やれることと、やりたいこと - 2021 J1 第24節 浦和レッズ vs サガン鳥栖

【レビュー】今やれることと、やりたいこと - 2021 J1 第24節 浦和レッズ vs サガン鳥栖

この記事でわかること

・鳥栖の可変と成熟度
・リカルドの最適解
・浦和の保持の狙い
・新戦力の貢献
・「やり直し」の重要性

五輪中断期間明けの初戦を落としてしまった浦和は、駒場に鳥栖を迎えました。

前回対戦は第2節に遡り、この時は鳥栖の配置に前からのプレスがかけられず、敗戦してしまいました。

今節も主力を欠く中で酒井、平野がいきなりスタメンに名を連ね、どちらかというと守備の局面を重視して試

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【レビュー】コンディションと相性の悪さ - 2021 J1 第23節 コンサドーレ札幌 vs 浦和レッズ

【レビュー】コンディションと相性の悪さ - 2021 J1 第23節 コンサドーレ札幌 vs 浦和レッズ

この記事でわかること

・攻守ともにに後手に回ってしまった理由
・浦和の修正と必要だった大胆さ
・勝機はあったトランジション
・相性の悪さ

五輪中断期間を経て迎えた約1ヶ月振りの公式戦。大型補強を敢行した浦和は否応なしに期待が高まっていましたが、結果は2-1の敗戦でした。

その内容も事前の期待からすると落胆を感じるものだったと思います。

正直なところ、コンディションの問題もあったと思います。

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【レビュー】問われた柔軟性 - 2021 J1 第22節 大分トリニータ vs 浦和レッズ

【レビュー】問われた柔軟性 - 2021 J1 第22節 大分トリニータ vs 浦和レッズ

この記事でわかること

大分の前ズレ守備
完全に"嵌った"前半
後半に主導権を取り返した要因
幅を拡げるために

五輪中断前最後の試合となった大分戦。残留争いの最中にある相手でしたので勝ちたいところでしたが、1−0で敗戦してしまいました。

特に前半は全くと言っていいほど、上手くいかなかったと感じていると思います。

修正を加えて後半開始直後から試合を握りましたが、得点までには至りませんでした。

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【レビュー】何を狙うのか - 2021 J1 第21節 ベガルタ仙台 vs 浦和レッズ

【レビュー】何を狙うのか - 2021 J1 第21節 ベガルタ仙台 vs 浦和レッズ

この記事でわかること

・仙台のコンパクトな守備
・浦和の"横"の狙い
・使わなかった前回の方法
・興梠で加速させる縦の揺さぶり

福岡戦に快勝を収めて迎えた仙台戦。前回対戦時は前半に苦労し、後半に修正を加えて勝利しました。

今回はスコアレスドローに終わりましたが、得点になってもおかしくないシーンは多く作れました。

それとは別に、仙台のブロックを崩しきれなかった印象もありますが、その点を中心に

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【レビュー】平準化は成長の証 - 2021 J1 第20節 浦和レッズ vs アビスパ福岡

【レビュー】平準化は成長の証 - 2021 J1 第20節 浦和レッズ vs アビスパ福岡

この記事でわかること

・前回対戦から遂げた成長
・ビルドアップの平準化
・展開に合わせた選手交代
・リベンジで測る成長

ミッドウィークの柏戦を完勝して迎えた福岡戦。今節からシーズン後半戦がスタートし、今季2度目の対戦となります。

前回対戦ではミスもあり、福岡のゾーン守備の前に効果的な攻撃が行えず敗戦しました。しかし、今節迎えたリベンジマッチは快勝を収めることができました。

浦和が2ヶ月の間

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【レビュー】順当を順当に - 2021 J1 第19節 柏レイソル vs 浦和レッズ

【レビュー】順当を順当に - 2021 J1 第19節 柏レイソル vs 浦和レッズ

この記事でわかること

・柏の守備の特徴
・逆手に取るための浦和の攻撃方法
・飲水タイム後の配置の変化
・「あとは決めるだけ」の運び方
・順当勝ちの大切さ

逆転負けを喫した湘南戦からわずか中2日で迎えた柏戦。

心身の疲労も考慮してリカルドが選んだメンバーは、前節とは対照的に敦樹以外が昨年以前から所属している選手たちでした。

結果は0-2の勝利。前半飲水タイム後からは試合をほぼコントロールした

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【レビュー】リスクの捉え方 - 2021 J1 第18節 浦和レッズ vs 湘南ベルマーレ

【レビュー】リスクの捉え方 - 2021 J1 第18節 浦和レッズ vs 湘南ベルマーレ

この記事でわかること

・ 湘南の守備と浦和の配置
・トレーニングの成果、対3バック守備
・リスクとミスの捉え方
・サッカーで「全部取り」はできない

ルヴァン杯と天皇杯による中断を経て迎えた湘南戦。

これまでと違うところでは、金子と大久保がスタメンに名を連ねました。

試合は2度リードを奪いながら、自滅のような形で逆転を許してしまう残念な試合でした。

とはいえ、ほとんどの時間でコントロール権

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【レビュー】封じられた成功体験 - 2021 J1 第17節 浦和レッズ vs 名古屋グランパス

【レビュー】封じられた成功体験 - 2021 J1 第17節 浦和レッズ vs 名古屋グランパス

この記事でわかること

・消された背後の柴戸
・名古屋のリスクを抑えた攻撃
・HTの修正、別の経路を確保
・求められた試合中の対応
・チームの現在地

連戦最後の2位名古屋戦。リカルドがACL出場権獲得のための直接対決と位置づけた試合でしたが、スコアレスドローに終わりました。

リーグで2番目に少ない失点数を誇る堅守を前に、決定的なチャンスを生み出すことができませんでした。

特に前半は名古屋のペ

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