24-1-30 子どもに「教えすぎない」「信じて待つ」こと
教育方針とかそんな大それたものではないのですが
なんとなく心がけていることはあります。
それは「教えすぎない」ということです。
それは私の中から ”そうしよう” と生まれた考えというよりも
娘が生まれてから日々彼女と接してきた中で
少しずつ培われていったもののように思います。
娘は「人から教えられる」ということがあまり好きではありません。
ほんの小さなころからそうでした。
子どもとはそういうものなのか、娘の性質なのかはわかりません。
娘が何かをしようとしている時に
大人から見れば「もっとこうした方が上手くいくのに」とか「こうしたほうが効率がいいのに」とか思って、つい助言したり手を出したりしてしまいます。
そういった時、娘は必ずとても怒りました。
「自分でやるから手を出すな」
というようなことを、まだしゃべり始める前から身ぶり手ぶりで私に訴えました。
私は娘を怒らせないように、娘のやっていることにはできるだけ口や手を出さないようにしました。(例外は危険なときだけ)
何かにひとりで挑戦して、挙句上手くいかなくて泣いたり怒ったりしている彼女を観察して思ったことは、
大人から見て上手くいくとか効率がいいとかそういうことの何百倍も、子どもにとって自分ひとりでやるということの方に価値があるということです。
そして、娘は先週5歳になりました。
気が付けば、少し前はできなかったことがいくつもできるようになっていました。
たとえば、数字を100まで数えること。(まだところどころ怪しいけど)
オセロのルールを理解して、対戦すること。
絵本をひとりで読むこと。
私が手伝わずにお友達に手紙を書くこと。
どれも、何かを教えた記憶はありません。
心がけたことと言えば、ひとりで何かに取り組んでいるときはそっと見守ること、できたことに対して「すごいね!」と驚いてみせること、間違っていても訂正しないこと、などです。
もちろん、何かを教えてあげることもあります。
でもそれは娘が「教えて」と頼んできたときだけにするようにしています。
それ以外は、できなくても、間違っていても、信じて待ちます。
大抵のことはいつの間にかできるようになっています。
このことは、精神的な面についても同じかもしれないなぁと最近思うようになりました。
たとえば、娘は最近いろいろなことを人のせいにするようになりました。
先日は、「もう今日はおかしやジュースは買わないよ」と約束していたのに、アイスを買ってほしくてグズっていたので、静かにするように「シーッ」というと
「おかあさんのせいでうるさくしてるんだよ!!!!」
と言いました。
自分がグズっているのは、アイスを買ってくれないお母さんのせいだ、というわけです。
うるさいし屁理屈だしでムッカーーーと腹が立ったのですが
おそらくここで理論立てていかにお母さんのせいでないか、いかにあなたが変なことを言っているかということを諭しても、意味がないだろうと思って「はぁ……そうですか」と力なく答えるだけにしておきました。
アイスも「約束なので買いません」と言ってその日は帰宅しました。
こういうことがあった時って、
「人のせいにしてはいけません」
ということを親としては子どもに教えなければならないのかな、と考えます。
もちろん最終的には “なんでもかんでも人のせいにしない大人” になってほしいという思いはあります。
でも、5歳の段階では、論理的な言葉を介したよくある説教のようなものってほとんど意味はないんじゃないかなと思うのです。
少なくとも、いまの娘には言葉は届かないな、と親の感覚として感じました。
それよりも経験値として
「人のせいにしてもアイスは食べられなかった」
「お母さんのせいにしたら悲しそうな顔をした」
などの経験を積み重ねて、言葉が届くタイミングを信じて待つしかないのかなと思います。
もしくは、家庭の外も含めて様々な経験が積み重なれば、親の言葉を尽くすまでもなく「人のせいにしてもいいことはないな」ということを理解できる日がくるかもしれません。
身体的な面も、能力的な面も、そして精神的な面も、子どもには自分で成長できる力を十分に持っているのだと思います。
それをないがしろにせず、信じて見守って、いいタイミングがあれば少しだけサポートして、というくらいが親にできることではないでしょうか。
親にできることはそんなに多くない、と自戒しておくことが必要かもしれません。
とはいえこんなことを考えてはいるのですが、その通りに娘と接することができるのは5回に1回か、10回に1回か……。
上手くいかないことだらけです。
すぐに娘の言動にイラっとしてしまうので、まだまだ未熟だなぁと思います。
娘の成長のためにはこちらが教えないことを心がけていますが
親である私の成長のためには娘に教えてもらってばかりです。
おしまい
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