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ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム エンディング考察

注意! 本記事はストーリーの重大なネタバレを含みますので、ゲーム本編をクリアしてからお読みください。

 TotKのラスボス戦の後、どういう理屈で何が起きたのか、時系列に沿って整理してみました。
 初見プレイ時には何が何だかさっぱりわからないまま、必死で手を伸ばしました。それからもう何度もこのシーンを繰り返しプレイし、ムービーを見返し、スクショを撮って比較し、自分なりに咀嚼した結果です。想像で補っている部分もあるので、解説とは言えませんし、間違っているところや見落としもあるかもしれません。もし気が付かれましたら、教えていただければきっと喜びます。

リンクの右手の光り方

 本題に行く前に確認しておきたいことがあります。今作ではリンクの右手に様々な機能がインストールされ、使用時には右手が光りますが、その機能によって光り方が違います。一覧にしてみました。

リンクの右手の光り方いろいろ

 図の上段の左3種類(ウルトラハンド、スクラビルド、トーレルーフ)は始まりの空島でラウルから与えられた(ラウルの右手からすれば「取り戻した」)力。ラウルが元々持っていたゾナウの力。右手全体が青く光ります。スクラビルドのときだけモヤモヤが出ている理由は今のところ不明。ブループリントは遅れて取得しますが、光り方は同じです。
 賢者の分身の呼び出しは、一瞬青く光ります。モドレコは一瞬金色に強く輝いた後、光っているのは手の甲の刻印部分だとわかります。モドレコは操作法としてはウルトラハンド等の仲間ですが、光り方は分身の呼び出しと同じです。分身呼び出し・モドレコでは右手自体は光りません。
 以上のことからモドレコはゼルダの時の力を呼び出していると解釈できます。

秘石の光の色

 今作にはたくさんの秘石が出てきます。秘石は持つ者の力を倍加させる効果があります。なので秘石自体には属性はなく、持ち主の色に染まる。それぞれの秘石の色を見てみましょう。

秘石の光一覧(色調補正なし)

 ラウル・ソニア・ゼルダの秘石はいずれも金色、しかし微妙に色が違います。ラウルは白っぽい金色、ソニアは黄色っぽい金色、ゼルダはラウルとソニアの中間のような色。ゼルダは時の力と光の力の両方を持っているので、その二つが混ざった色なのでしょう。
 そして恐ろしいことに、ガノンドロフの秘石も金色に光ります。
 他はそれぞれの属性の色に光ります。チューリの良いスクショが撮れず、風だけ古の賢者にご登場いただきました。

黒龍討伐からの一連の流れ

 さて、では本題に入ります。黒龍を倒してガノンドロフ討伐コンプリートの、その後。

①ゾナウの力

 リンクの右手がひとりでに青く光ります。これはゾナウの力を使うときの光り方。リンクは自覚的にその力を使ってはおらず、勝手に光り始めています。なのでここではラウルの右手に残っていたゾナウの力が目覚めた、あるいはラウルがその右手を力の中継地点として目覚めさせた、という解釈ができます。

右手が青く光る

②ラウルの力

 手から金色の光が溢れ、異空間に入ります。光の色だけで判別は難しいですが、状況からここではラウルの力でしょう。右手を依り代にして、ラウルの力が発動し、異空間にリンクと白龍を連れて行ったわけです。ついでにリンクの上半身も脱がせました。

金色の光が溢れる
異空間へ
ハイラルの上空ではないどこか

③時の力

 リンクの右手が金色に光り、勝手に動き出します。この色は時の力の色です。明らかにリンクの意志ではない動きで、右手が白龍にかざされます。これも当然ラウルが操作しています。右手からはわずかな金色の光の粒が出ています。

右手の光は時の力の色
勝手に動く右手
出ている光の粒の量は少ない

④リンクの自覚

 ここで初めてリンクは気付く。そうか、モドレコを使えば良いのかと。

ひらめいた顔

⑤ラウル・ソニアの協力

 同時にラウルとソニアが出現します。それまでなすがままだったリンクが、今度は自分の意志で白龍にモドレコをかけます。ラウルとソニアが力を貸し、右手から出る光は圧倒的に多く強くなる。眩い光の中で白龍はゼルダの姿に戻り、リンクの右手も朽ちる前に戻ります。

すべてを理解している雰囲気の夫妻
明確な意志と目的を持ってモドレコを使うリンク
力を貸すラウルとソニア
光の粒は大量に
そしてゼルダは人に戻る

⑥ラウルの右手消滅

 リンクの右手が戻ったことにより、ラウルの右手は消えます。するとリンクはラウルの力の依り代として機能しなくなり、異空間にいられる力もなくなったため、夢から覚めるようにリンクは意識を失います。

意識も体も落ちる

⑦実在空間へ

 そして現実に戻って速攻で意識を取り戻す。その後はゼルダを追いかけて、あとはもう見た通りです。

戻った瞬間は意識を失っている
しかしすぐに意識を取り戻す
キャッチ!

疑問いろいろ

 起きたことを時系列に並べましたが、疑問はまだまだありますね。この後は私の解釈で根拠のようなものはありません。それとメタ的な話は今はしません。

異空間とは

 この世とあの世の間のようなものだと思っています。異空間に入った理由は、実在空間では万年を超えるモドレコの実行には無理があり、リンクに力を貸すためにはリンクにもラウルと同じ次元にいてもらったほうが効率が良いなどの理由があったのでしょう。

リンクの右手が戻った理由

 リンク自身にはそんなつもりはなかったと思います。自分の右手を見て驚いているので。
 ただし、ラウルは元々そのつもりでリンクの服を脱がせたと思います。異空間に送ると同時に服を脱がせるというような神技的なことができるのは、ラウルしかいません。その理由はリンクの右手を元に戻すため、しか考えられません。脱がせる必要があった理由は、外科手術をするようなものだと考えればなんとなく納得が行きます。
 モドレコにおいてリンクの役割は、ゼルダから借りた時の力を行使することと、「自分がどこにどんなふうにあったか思い出してもらう」ためのイメージを送ること。記憶を引き出すことにより、対象物は自分で元の姿を思い出して戻る、というのがモドレコです。
 ゼルダが悠久の時を龍として過ごす前、人であった時のことを思い出してもらうよう、リンクは強くイメージします。ゼルダはそれを受け取り、思い出す。自分がはるか昔に人であった時、その傍らにはいつもリンクの姿があったことでしょう。右手が朽ちてしまう前のリンクが。だからゼルダが元の姿に戻るとき、リンクもまた元の姿に戻ったのです。

おわりに

 この一連の奇跡は真エンドでミネルによりさらっと語られるのみで、何がどうしてどうなったかゲーム内で詳しく説明してくれるキャラクターはいません。私も長らくふんわりとした「奇跡」と思っていましたが、ムービーを見返すうちに理屈づけができるのではないかと思い立ち、やってみたら本当に細部までこだわって作られているのだなと感心しきりでした。
 そしてまたふんわりと「すごい人」という認識だったラウルがとんでもなく強大な力を持っており、それをここまで追い詰めたガノンドロフもまたとんでもない人でした。
 また記事冒頭でリンクの右手にインストールされた様々な機能を仕分けしましたが、それを使いこなせるリンクが本当に化物だということもわかりました。
 これを書きながら、また新たな疑問が出てきたりもしました。理解できたらまた何か書くかもしれません。

おわり。ご清聴ありがとうございました。

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