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無職、やめます。(私的福祉的就労のてびき)

長くなりますがよかったらお読みください。
福祉サービスの利用という形にはなりますがやっと働けることになりました。

この4月から就労継続支援A型の施設で利用者としてお世話になります。
昨日無事に事業所と雇用契約を結び、4月1日から働きに行きます。

私は11年ほど前から社交不安障害と二次障害の抑うつ状態にあると診断されて治療を続けながらパートで仕事をしていました。
ところが4年前の1月に家庭内のちょっとした出来事がきっかけで仕事に行けなくなってしまい、そこからずっと引きこもりに近い状態で過ごしてきました。
カウンセラーの先生・主治医の先生と話しながら「知らないうちに仕事で溜まっていたストレスが限界に来ていたのではないか」というあたりで原因の推察は落ち着いたのですが実際の原因はあまりわかっていません。
本当に心当たりがないまま突然仕事に戻れなくなったので自分でもどうしたらいいのかわからないまま数年を過ごしました。
ただ私の場合は家族から私への干渉が強いため、仕事で溜まったストレスを家で発散するのも難しくて溜まったものを発散することができなかったのも原因なのかなとは思います。

そういうわけで長らく塞ぎ込んで生活していたのですが、就労生活に戻ろうとするのは本当に大変でした。
いい求人を見つけても通勤時間が原因になり書類で落とされる。
オープン就労(精神的な病気のことを隠さずに就職活動をすること)にこだわってしまい、面接にたどり着けても病気と通院のことで即アウト。
面接を頑張ろうとしても家族からモチベーションを落とされる。
短期バイトにありつけても体力が落ちていて就業中に居眠りをしてしまう。

こんなことが続いたので、すぐに一般就労を目指すのではなくて福祉サービスの手を借りて家庭の外の支援を受けながら福祉就労を目指した方がいいのではないかと考えました。

大学で福祉の相談援助についてうっすらと勉強はしていたのでなんとなく仕組みは理解していました。
オープン就労にこだわっていたのも、病気を抱えていても働ける人が増える世の中になってほしいとただの1市民ながらに考えていたからでした(それで自分の首を絞めていたのだから本末転倒ではあったのですが)。
それがなかったら福祉就労という手段にすら行き着けなかったかもしれません。

まずはカウンセラーの先生と主治医の先生に相談して、現在の症状だと問題なさそうだということを確認してから自分でいくつか施設を探しました。
私の住んでいる地域にはそもそも精神障害者向けの就労継続支援施設が少なかったので県庁所在地であるA市に的を絞って探しました。
A市の自治体のホームページから福祉課のページに飛ぶと就労継続支援施設のリストがあり、嬉しいことに作業内容まで具体的に書いてリストアップしてくれていたので探しやすかったです。
私は主にパソコンの作業がしたかったのでさらに絞り込みをかけると、就労移行支援施設と就労継続支援A型施設が1件ずつピックアップできました。

どちらもWebサイトがきちんと整備されていたので、まずはお問い合わせフォームに「自分の病気」と「どのようなことに困っているか」を簡単に書いて送りました。
この時は一般就労の面接にも落ち、親からいつになったら働けるんだとせっつかれて落ち込んでいたのでそれぐらいのことを書くのが精一杯でした。

どちらの施設からもすぐに連絡がきて、最初の問い合わせから2週間ほどで見学に行きました。

先に見学と体験をしたのは就労移行支援施設の方でした。
こちらの施設は正確には工賃は出ないタイプで就労の前段階の訓練をする施設なのですが、自分の現在の能力がどれくらいなのかということを知りたいというのもあって体験もさせてもらいました。

その後に就労継続支援A型施設の見学と体験をしました。
就労継続支援施設にはA型とB型があるのですが、A型は労働基準法に基づいた雇用契約を結んで働ける施設です。
見学に行った時間はちょうど作業の時間だったのでとても静かで、集中して作業ができそうな印象を抱きました。
どちらの施設も明るくて、職員の方が丁寧に作業のことを教えてくれたりして過ごしやすかったです。

どちらに通うにしても施設は家から1時間車を運転した場所にあり、駐車場は月極のものを借りないといけないということでした。
経済的状況と今の自分の職業能力と照らし合わせて、結局はA型の施設を利用する方向で手続きを進めることにしました。

まずハードルになったのは精神障害者手帳の取得です。
私の病気は精神病の中でも軽い部類に入るものなのもあって今まで取得していなかったのですが、これを機に取得することにしました。

この手順にもスムーズな流れがあって、本来は
自分が住む役場の福祉課で手帳を取得したい旨を伝える→必要な書類と診断書のテンプレートをもらう→主治医にテンプレートを渡して診断書を書いてもらう(その場ではもらえない場合が多い)→診断書が出来上がり次第受け取って支払い(私の病院では5500円)→記入した書類と診断書を役場の福祉課に提出→都道府県の審査を経て手帳発行→受け取り
という流れなのですが、私はまずいきなり主治医の先生から診断書をもらおうとしてしまい、予定より初動が3日ほどずれ込みました。
なのでこの順番はかなり大事です。

役場で手帳に必要な書類をもらうのは少し緊張しましたが、私の住む自治体は規模が小さいのでアポなしで行ってもなんとかすぐもらうことができました。
ただ、そういう自治体は少数派だと思うので基本的には電話で様子を伺ってから行くのがいいみたいです。

さらに主治医の先生が遅筆なのと年末の多忙な時期だったのもあってなかなか診断書を仕上げてもらえず、受け取りに3〜4週間ほどかかることに。
私は時間がかかること自体はよかったのですが家族があまりにも「いつなのか」「早くしろ」とどやすので何回も催促の電話をかけることになってしまいました。
ごめんね先生。

手帳の受け取りにかかる時間は自治体にもよるのですが私の場合はあまり忙しくない県のあまりいそがしくない自治体(外から見た感想)で申請したからか、1ヶ月ぐらいで手帳が家に届きました。

手帳が届いた旨を就労継続A型施設に連絡して手続きの再開をお願いしました。
実習を2日行って、通勤に時間がかかるので運転のあと働いても大丈夫かとか、続けて何日も働いて大丈夫かといったところを見てもらいました。

実習の後の面談で話を聞いてもらい問題なさそうだったので、実際の雇用契約の段階に移ります。
私は手帳の取得も初めてなら福祉サービスの利用も初めてだったので、まずは「サービス受給者証」をさらに取得しなければなりません。

A型施設から相談支援事業所を紹介してもらって、相談支援員さんと面談。
利用計画を作成してもらったりするための契約を結びました。
また、自治体の福祉課の担当者とも同じように面談をしました。

自治体や事業所によって多少変わるのかもしれませんが、だいたいは家族構成や生育歴、現在の症状や生活リズムについて質問があります。
あと、趣味についても聞かれました。

私の場合は家族との関わりに不安があったので実家で家族同席のもと行われた相談事業所の支援員さんとの面談のあとにこっそり電話をして、家族との関わり方に不安がある旨を伝えました。
そういった場合でも支援員さんは明るく受け入れてくれて現状とても助かっています。

これを通じて私の相談支援計画というのが相談支援事業所の支援員さんの手で作成され、自治体に提出されることでやっとサービス受給者証がもらえます。
私の場合は4月1日からサービスを受けることができそうだというのがわかったのでその日付で正式に雇用契約を結ぶ運びとなりました。
そこでもう一度お世話になる就労継続支援A型施設に行って契約書や重要事項説明書などの書類に目を通して記入することで必要な手続きが完了し、晴れて福祉サービスの利用という形で働くことができるようになりました。

私の場合は家族が手帳の取得に否定的だったりしたのもあり、自分が調子のいい時に自分で積極的に動いて施設を探したり必要な手続きをとったりしたので結構大変でした。
でも正直いって一番厄介だったのは家族が否定的なのに作業に対して遅いだとか色々強い口調で口を出して私のモチベーションを削り取ってきたことで、家の外にいるお世話になる人はみなさん人当たりが良くて相談しやすそうなので助かっています(それが仕事だからと言われたらそうなのですが)。

私は精神病の中でも症状が軽い方なのでこういった手段で施設の利用に踏み切ることができましたがもちろん自分でここまでやる気力なんてないという方もいると思います。
そういう時は遠慮せずに主治医の先生やカウンセラーの先生に相談したり、お住まいの自治体の福祉課に電話で相談してみたりするといいかもしれません。


一般的な新生活とは結構変わった形にはなりましたが、こんな道のりを経て私なりの新しい生活を始めることができそうです。
仕事をするのも数年ぶり、実家から1時間運転して通うのは初めてなのでいい年こいて緊張もしています。
エッセイを書きながら仕事に通うためにいろいろ頑張り方を模索していきたいところですがどうなるかはぜひ更新を通して見守っていただきたいです。
とりあえずは通勤時間を楽しむために、面白いラジオ番組でも探してみようかなと思います。



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