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限界を超えて太った人間は何を着て暮らすのか

母の元に届くセシールのカタログ。
大きめサイズのカタログが冊子形態からチラシ形態になってしまった。
最初は一時的なものかと思ったけど、もう半年ぐらいチラシのままなのでどうやらこういうものとして受け入れるほかないらしい。

限界を超えて太った人間には服を買う場所がない。

正確に言うとおしゃれでちょっといい服は基本的に店頭に置いてないと思ったほうがいい。
少なくとも私が住んでいる街にはない。

しま○らには大きなサイズの服を取り扱うコーナーがあり、そこになら多少は置いてあるがしま○らの服は基本的に生地が弱く1シーズン着倒すともうよれよれの毛玉だらけになって部屋着ランクに降格してしまう。
ファストファッション服は寿命が短いのだ。

そこで重宝するのがセシールの大きな服カタログだったのだが、冊子からチラシになって圧倒的にお取り扱いの種類が少なくなってしまった。
さらに私はガーリーな服は好まない。
できればマニッシュな服を着ていたいのでなおのことお取り扱いが少ない。

この間おおきめサイズの人専門のファッション誌があると聞いて書店にて拝見させてもらったがはちゃめちゃにガーリー路線だったのでそっと本棚に戻した。
ぼる塾のあんりちゃんと田辺さんなら着こなせるだろうが私にはきっと難しい。
可愛い服を着ている自分がまるで想像できない。

ただ、ありがたいことにここ数年はオーバーサイズのファッションが流行していてほんの少しだけ「なんとかがんばれば、着れるんじゃないか……?」という服を見かける機会が増えた。
それでもいいお洋服となるとそれなりのお値段がしてしまうので厳選して選ばないといけない。

そして私の辞書にオーバーサイズという言葉は載ってはいるが載っていないようなものである。
何を言っているのかと思われるかもしれないがオーバーサイズの服を買っても私のような人間が着るとただの普通の服になってしまうのである。

そしてここまで書いてみて初めて気がついたのだが私は普段着とおしゃれ着の区別があまりはっきりしていないのかもしれない。
着たら着たまんまで部屋着と外出着の区別もあまりないような気がする。
めちゃくちゃいいオシャレな服か、めちゃくちゃゆるいオシャレじゃない服しか持っていない感じがする。

みんな服って各シーズン何着ぐらい持ってるんだ?
そもそもなんかこう、お出かけ用の服ってどんなの選べばいいんだ?
そしてそう言う服で私が着れる服ってどう入手したらいいんだ?

いけない、話が逸れてしまった。
なんにせよオーバーサイズブームでオシャレな普通サイズの服を裏技的に手に入れることはできるようになったのだがそれでも着る服を入手する手段は限られている。

着てる服を全部 PUNYUS(渡辺直美プロデュースのファッションブランド)にするぐらいのファンキーさと財力があればまた違うのだろうがあいにくこちらは就職リハビリ中の安月給である。
ファンキーはギリいけるけど財力を持ち合わせていなかった。

太っている状態で服を着るとまずズボンの内腿の生地が死ぬ。
腿と腿が擦れ合いやすく、生地がすぐに薄くなってしまい穴が早く開きがちなのだ。
トップスも伸びやすい薄めの生地でできた服を選びがちになってしまう。
あと、重ね着をするのが難しい。
オシャレ着は基本丈夫な厚めの生地でできているので体格が大きめの人が着るとどうしてもドスコイ感がぬぐえなくなってしまうのである。
単純に暑いというのもある。
脂肪を一枚すでに着ているようなものなのでどうしても何か1枚オシャレなやつを着ておわり、という感じのファッションに偏りがちになってしまう。

そういうわけで限界を超えて太っているマニッシュ嗜好な人間には着ることができる服が少ない。
しま○らのおおきいサイズコーナーかセシールのチラシの中かちょっとお金を出してファンキーなPUNYUSを選ぶかといったところである。
限界を超えて太ってしまうとメンズですら入らないものも増えてきて本当に今自分のだらしなさのヤバさを感じている。

ああ、結局はダイエット、ダイエットが全てを解決するのか。
せめてはやく二桁の体重に戻さなくては。



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6/16(日)に岩手県産業会館7Fにて!
エッセイ合同誌を出す予定です。
よろしくお願いします。

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