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多言語話者に起こる弊害

こんにちは!
前回の記事でエアライン・ネタについて書くといいつつ・・・
子ども達の夏休みに加え、出店の準備が楽し過ぎて、ついつい先延ばしにしていたら、「これはどうしても書きたい!」ことに出会ったので、こちらを先に書くことにしました( *´艸`)♥

さて、今の世の中、多言語話者も珍しくはなくなってきて、日常でついつい多言語が混ざってしまう人もいれば、中には翻訳や通訳、語学教師など、外国語を活かして仕事をされている方もたくさんいらっしゃるでしょう。

昔「通訳者になりたい!」と思っていたころに、現役通訳者さんがTVで「目に飛び込んでくるもの、耳に入ってくるものを自動的に訳してしまう。もう職業病です」とおっしゃっているのを聞いて、「ほえ~~~~カッコええ♥」と思っていたものです。

私も医療通訳を数年間(プロとしてではなく、仕事の一部に組み込まれていた)と、産業翻訳を1年ほどしていましたが、職業病に悩まされるレベルでは全くありませんでした。(ちなみに看護師をしていたころは、自宅で寝ていてもナースコールの音が聞こえるとか、今何時か分からない、っていう、ちっとも憧れない職業病に悩まされていました)

さて、私の多言語能力は職業病に悩まされるレベルではないとはいえ、外国語、特に英語はかなり長い期間仕事で使っていたので、最近これにより「とある弊害が起こる」ことに気が付きました。

それは「翻訳本が楽しく読めない時がある」ということ・・・。

私は産業翻訳の経験しかなく、出版翻訳がどれほど難しいのかは分かりませんので、私個人が感じたこととして聞いていただきたいのですが・・・

海外文化に長く親しんでいると、その国独特の表現が身に付きます。
その中には「日本では絶対こういう言い方はしないよね」という表現がたくさんあるのですが、海外の著者さんの翻訳本であれば、あえてそういう表現がある翻訳が楽しかったりします。
そういう表現を入れ、楽しませつつも、日本語ですんなり入ってくる読みやすい文章であり、尚且つ本の世界に引き込ませる魅力的な文章であることも欲求され・・・本を訳することがどれだほど難しいか・・・私には到底太刀打ちできる世界ではありません。

が、消費者というものはワガママです。
自分にはできないにしても、「他人の翻訳の欠点」は見えてしまうのです・・・(;´∀`)

そして、今読んでいる本が正にそんな感じで・・・

その国特有の表現をたくさん盛り込んであるのですが、「一語一語丁寧に訳した」のか、とても不自然で、原文が透けて見える・・・

こうなるともう本の世界には入り込めません(;´д`)

本を買う時(アマゾン率高し)、必ず評価を読んで買うのですが、翻訳本の場合、「翻訳が日本人にも分かりやすく読みやすかった」とか、「翻訳がしっくりこず、内容が入ってこない」と、翻訳について評価を書かれている方がチラホラいます。
同じ本でも評価が分かれるのは、恐らくその読者が「どれだけ外国語や海外文化に慣れ親しんでいるか」による違いなのではないか思うのですが・・・
こういう時、その本を買うかどうか、とても悩みます。
(今読んでいる本が、正に両方の評価が付いていた本でした。でも気になっていた本だったので購入)

こういう観点で見ると、翻訳本を買う際は「翻訳者の経歴」を確認してから買うのがいいのかもしれません(翻訳者自身が小説家だったり、文章を書く仕事をされている場合は安心)

オイ、そんなに文句言うんだったらオリジナルを読めよ、って思うかもしれませんが、いくら仕事で長く英語を使っていたとはいえ、海外で生まれ育ったわけではない私には、やっぱり日本語の方が断然良いのです・・・よ(涙)

現在、機械翻訳がかなり進化し、私が翻訳をやっていた2019年頃も、「ポスト・エディット*」という仕事がかなり増えていました。(*機械翻訳された文章を人間が編集する仕事)
AIも目覚ましく進歩している中、つい先日も「AIに書かせた論文」というのが話題になっていましたが・・・

この文芸翻訳に関しては、果たしてAIが入り込める隙があるのかどうか、注目していきたいと思います。

さて、この私が読んでいる翻訳本・・・・只今「まえがき」です・・・。この後、本の中に入り込めるか、途中で読むのを止めてしまうのか・・・

気になっていた本なので、できれば楽しく読み進められたらいいな、と思います。


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