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抹茶パフェとカフェラテと、借りてきた本

まさかエアコンのよく効いた部屋でぬくぬくと毛布にくるまりながらお昼寝する生活が戻ってくるとは、思ってもみなかった。少し前にはまだ8月よ!?と快適な気温に驚いていたというのに、今はもう9月よ!?とその暑さにげんなりしている。

明日の卒論中間発表の原稿を無事提出したから、今日はやりたかったことをする日だと決めていた。午後を過ぎると雲が出てきて、日差しが少しずつ和らいできたので相棒の自転車に乗り、図書館へと向かう。

しかし今日は風がひどかった。幸い真夏みたいな熱風ではないものの、真横や正面からの風が私の相棒を煽る。図書館に着く頃にはさすがにへとへとになってしまって、予定変更して近くの抹茶専門のカフェで休憩することにした。

抹茶パフェとアイスカフェラテを注文して席に着く。冷房の効いた店内でひんやりとしたパフェを食べきってしまえば、来たときには止まらなかった汗もすっかり引いていた。
そしてカフェラテを片手に、以前図書館で借りた本を開く。西ヨーロッパの食事をテーマにした、4人の作家さんによる短編集だ。つい今まで抹茶パフェを食べていたものだから、チーズの塩気と豆のスープのあたたかさが無性に恋しくなる。

いつまでも席を占領するのも申し訳ないから(店内のお客は常に私ともう一組だけだったのだけれど)カフェラテを飲み干し、図書館で本の続きを読むことにした。


前にも書いたような気がするけれど、SNSに何もかもを逐一報告することが少なくなった。というより、必要な情報なのかどうかを選ぶようになった。取るに足らない、の中でも特にいらないものの基準が私の中にあって、そうやって取捨選択できるようになってきた。みんなが当たり前にしていることでも、以前の私にはできなかったことだ。

即座に表に出すんじゃなくて、自分の中でじっくり咀嚼する時間のほうが楽しくて大切だと気づきはじめている。この文章だってほとんどがスマホを触っていないときに頭の中を巡っていた言葉たちで、私は今、そのときの記憶を頼りに文字を打ち込んでいる。つまりは全部、過去の出来事と思考にすぎない。

ゆっくり口の中で転がしていれば、たとえ噛み砕くことができなくても、なんとなく味が甘くなったり、苦くなったり、固かったものがとろけていったりする。この感覚が味わえるのはスローペースで生きている証だと、私は自分の中の指標をもって言える。

毎日がどんなに慌ただしくても、呼吸のテンポさえ整っていればとても健康的に生きられる。このペースが乱されるようになってきたら、一旦立ち止まって自分を労らないといけない。ということが頭でわかってはいても、いざとなるとなかなかできないのだけれど。


とはいえ、こうして落ち着いて本が読めているということは、今のところの私は大丈夫だ。現実から完全に逃げていたあの頃とは確かに違うし、だけど直視しすぎて目を眩ませることもない。それは私にとって、とても大きな変化だと思う。

さて、そろそろ別のスタイルの文章が書けるようになってきたかしら。インプットを重ねつつ、もう少し変わったことがしたくなってきた今日この頃です。

(その後どうしてもしょっぱいもの欲が抑えられなくなり、マクドの月見バーガーを買いました。おいしかったあ)


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