松野農園

仕事に関連して農業と経営、趣味の読書感想について綴ります。

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最近の記事

羊飼いの暮らし(読書感想)

羊飼いの暮らしイギリス湖水地方の四季 ジェームズ・リーバンクス 著 濱野大道 訳 早川書房 2018年 春夏秋冬の4つの章に分けて、羊飼いのリアルな暮らしが描かれています。 イギリス湖水地方の羊飼いは、近代化以前の暮らしを連綿と続けています。 移ろいゆく季節、生と死が当たり前の世界。 そこには都市住民とは異なる価値観で生きる人がいます。 羊とともに生きることの楽しみと苦しみ、家族との関わり、歴史に対する誇り、自然の明媚な色彩だけでなく畏怖の念が強く伝わります。 本書を

    • 兎の眼(読書感想)

      灰谷健次郎 1978年 理論社刊 小学校の先生と生徒、保護者の物語。 とてもシンプルな文章で物語が展開していく。 小学生でも読めるまっすぐな文章です。 こんな直球の文章で、心温まる物語をかける小説家がいたことに驚きました。 45年前に書かれたものですが、今こそ読むべき小説だと思います。 著者の灰谷健次郎は、人の心を信じている人です。 人ができるだけ関わらないように避けようとするもの、ゴミ、ハエ、廃棄場、発達の遅れた子供、野良犬、ネズミ、浮浪者。 これらと、小学生や先生の関

      • ラジコン草刈機のメンテナンス

        ラジコン草刈機の赤丸(勝手に命名)を何度か使用したので、メンテナンスしました。 今回は「刃の研ぎ方」と「クローラの調整方法」を記載します。 フリー刃を研ぐ赤丸には2枚のフリー刃が付いています。 刃は一方向に回転するため、草刈の際に草や石、切り株などの障害物で摩耗します。 そこで、刃を外して定期的に研磨する必要があります。 モンキーレンチと六角レンチを使って、刃を取り外します。 写真の刃は右側だけが欠けています。 そこで右側をグラインダーで研磨します。 刈払い機の刃と比

        • ビール麦の刈取り

          麦刈日和2024年5月11日、風のある晴れた日。 シラサギが見守る中、ビール用の大麦を刈り取りました。 もちろんシラサギは餌にありつくために、待ち構えているのです。 コンバインが走ると、ネズミやカエル、バッタが飛び出してきます。 刈取りの目安は?開花時にはピンと上を向いていた穂が、充実してお辞儀すると刈り取りの目安になります。 今年は出穂以降の気温が高く、例年より10日ほど早い刈り取りです。 穂が短く、収量は少なかったです。 赤かび病は全く発生していませんでした。 他の地

        羊飼いの暮らし(読書感想)

          ミカン花付きの良し悪し

          桜が散って1ヶ月ほど経つと、ミカンの花が咲き始めます。 ちょうど、ゴールデンウィークが見頃です。 ミカン畑に入ると、花の香りが漂います。 青空の下でミカンの花付きを見回ります。 これがミカン栽培で最も楽しい作業です。 なぜなら、木の健康状態や剪定への反応がわかり、今年の作柄を予測できるからです。 花付きの良いミカンの木花付きの良いミカンは花と新芽の両方が着いた木です。 花と新芽の両方がある木がいいミカンの木です。 ミカン栽培では花と葉のバランスが大切なのです。 ミカンは2

          ミカン花付きの良し悪し

          ラジコン草刈機「赤丸」

          今年もラジコン草刈機の出番がやってきました。 勝手に「赤丸」と命名しております。 食いしん坊の頼りになる相棒です。 ミカン畑で膝より伸びた雑草。 赤丸の大好物です。 3月にミカンに与えた春肥で雑草も大きく成長しました。 雑草に赤丸が食いつきます。 赤丸はハイブリッドでガソリンエンジンとバッテリーを搭載しています。 刈り取りをエンジン、走行をバッテリーで行います。 エンジンが稼働するとバッテリーに給電されます。 このため、本体バッテリーの充電は不要です。 赤丸の操作はプロ

          ラジコン草刈機「赤丸」

          世界は経営でできている(読書感想)

          書籍の情報岩尾俊兵 講談社現代新書 2024年1月20日第1刷 目次 はじめに:日常は経営でできている 1 貧乏は経営でできている 2 家庭は経営でできている 3 恋愛は経営でできている 4 勉強は経営でできている 5 虚栄は経営でできている 6 心労は経営でできている 7 就活は経営でできている 8 仕事は経営でできている 9 憤怒は経営でできている 10 健康は経営でできている 11 孤独は経営でできている 12 老後は経営でできている 13 芸術は経営でできている

          世界は経営でできている(読書感想)

          麦の花が咲く

          春。 桜の散った後で、4月にひっそりと麦の花が咲きます。 小麦の花小麦では実の先端から白い葯(雄しべ)が出て、花粉を飛ばします。 穂が出揃う頃に開花し、1週間ほどで散ります。 大麦の花大麦はさらに地味です。 小麦と同様に実の先端から葯(雄しべ)を出しますが、黒いため分かりづらい。 芒(ぼう)というヒゲのような部位と実の付け根に黒い葯がわずかに出ます。 写真はビール用の2条大麦です。 穂では実が2列に並んでいるため、「2条」です。 農薬を使用しない方が危険?小麦、大麦とも

          麦の花が咲く

          イシューからはじめよ(読書感想)

          書籍の情報安宅和人 英治出版 2010年12月11日 第1版第1刷 目次 序章 この本の考え方 脱「犬の道」 第1章 イシュードリブン 「解く」前に「見極める」 第2章 仮説ドリブン① イシューを分解し、スタートラインを組み立てる 第3章 仮説ドリブン② ストーリーを絵コンテにする 第4章 アウトプットドリブン 実際の分析を進める 第5章 メッセージドリブン 「伝えるもの」をまとめる 読書感想本書の主張は次のとおりである。 「何に答えを出す必要があるのか」という議論か

          イシューからはじめよ(読書感想)

          ユーチューバーが消滅する未来(読書感想)

          書籍の情報岡田斗司夫 PHP新書 2018年11月29日 第1版第1刷 目次 序章  「未来格差」に備える 第1章 未来予測の3大法則 第2章 自分を「守る」時代 第3章 AIがユーチューバーを淘汰する 第4章 アイドルは新時代の貴族になる 第5章 アマゾンが不動産へ進出 第6章 バーチャルとリアルの恋愛の境界が消える 第7章 AIロボットが家族の代わりに 第8章 人工知能が政治を変える 終章  未来の幸福論 読書感想出版から5年が経過した2024年時点でも、本書の主

          ユーチューバーが消滅する未来(読書感想)

          桜の後はミカン

          すっかり桜が散ってしまいました。 この時期だけの美しさが桜の魅力でもありますね。 耕起した畑が桜の絨毯になっていました。 一方で、温州ミカンの畑では蕾が見え始めました。 前年に結実しなかった枝では直花が付きます。 直花では結実しても小さな果実になりやすいです。 樹勢の強い枝では蕾と新芽の両方が付く有葉花が確認できました。 有葉花は結実すると大きな果実になりやすいです。 前年は表年だったため、今年は有葉花が多くなりそうです。 蕾が出てくると、いよいよ今年のミカン栽培が始ま

          桜の後はミカン

          ピーカンナッツにハートみっけ

          2年生になりました2023年にピーカンナッツ(ペカンナッツ)の1年生の実生苗を植えました。 実生苗とは種を発芽させた苗です。 新緑の季節。 1年生の苗の太さは小指ほどで細かったのですが、2年生になり人差し指くらいに成長しました。 写真はいずれも2024年3月31日時点のものです。 トゲのように見えるのがが新芽です。 冬の間に少しずつ膨らんできました。 まさにこれから 3月末はまさに展葉始めです。 枝の先端からわずかに若葉が覗いている株もあります。 ハートみっけ新芽

          ピーカンナッツにハートみっけ

          接ぎ木の極意(現代農業より)

          現代農業 2024年3月号 農文協 本誌で「接ぎ木の極意」が記載されていたので紹介します。 192ページ 「サンショウの苗木づくりに挑戦」 〜成功率95%! ブドウサンショウの接ぎ方〜 仲里長浩 そもそも、接ぎ木とは? 接木のイメージは、別々の個体である地下部(根)と地上部(枝)をつなげて1つの植物体を形成することです。 なんで接木をするの?「2つの品種のイイトコどりをする」ため。 台木は土壌病害に強い品種が選ばれます。 一方、接ぎ穂は果実品質の良い品種が選ばれま

          接ぎ木の極意(現代農業より)

          山上のパン屋に人が集まるわけ(読書感想)

          わざわざ代表取締役 平田はる香(著) サイボウズ式ブックス 1023年4月28日 第1刷発行 感想 本書では 山の上のパン屋「わざわざ」の軌跡が、代表取締役である平田はる香さんの思想とともに記してある。 そして 「人間らしい健康な生活とは何か?」 をパン屋として社会に問いかける。 「自分の見た目と中身をいつも一致させたい」 「限られた人生を自分なりに運転して、まっすぐに生きたい」 「人や物に対して対等に接する」 「モノを大切に長く使う」 彼女の価値観とエピソードから、

          山上のパン屋に人が集まるわけ(読書感想)

          農家が教える田畑の排水術(読書感想)

          別冊現代農業2024年4月号 農家が教える田畑の排水術 農文協 2024年4月1日発行 書籍の目次 第一章 まずは縦穴で排水! 第二章 明渠で地表の水を逃す 第三章 暗渠で地下水を抜く 第四章 「大地の再生」で空気と水を通す 以下、感想 何から取り組むべきか? 野菜や果樹などの畑作物の栽培において、土壌の排水を考えることはまず最初に取り組むべき課題である。 私は次の順に取り組むのが費用対効果が高いと考える。 表面排水(溝を掘る) 地下浸透(縦穴を掘る) 地下排水

          農家が教える田畑の排水術(読書感想)

          ビジネスの未来(読書要約)

          山口 周(著) プレジデント社 2020年12月21日 第1刷発行 要約 資本主義はその目的であった物質的豊かさをもたらし、文明化をほぼ達成した。 これは本来祝うべきことであるはずである。 しかし、多くの人々が「低成長は悪である」というGDP至上主義によって、現状を「停滞の暗い谷間」へ向かっていると捉えている。 一方、著者は現状を「成熟の明るい高原」へと向かっているとする。 そしてこの「高原」が「真に豊かで生きるに値する社会」になるためにはどうすればよいのかを提案している

          ビジネスの未来(読書要約)