【今週のアメリカ大学野球】アーカンソー大レギュラーシーズン優勝/ウィル・ベドナー8回無失点11K【14週目】

 こんにちは、あまなつ(@MattDavidson91)です。
2/19に開幕したアメリカ大学野球(NCAA1部)も、14週目が終了し、一部のカンファレンスを除きレギュラーシーズンが終了しました。
当面は、カレッジワールドシリーズ終了まで、毎週アメリカ大学野球の注目トピックを4-5つ紹介していきます。

1.アーカンソー大SECレギュラーシーズン優勝

 12週連続全米1位と開幕から好調なアーカンソー大(39勝10敗)は、今週全米8位のフロリダ大と対戦。
初戦は先発のパトリック・ウィックランダー(3年、LHP)6回 被安打3 与四球1 奪三振11 失点1と好投し、打線も3番のケイデン・ウォラス(1年、OF/3B)の2HRが飛び出し、いつも通りケビン・コップス(4年、RHP)の9アウトセーブで試合を締め、6-1で快勝しました。

●ウォラスの2HR

 2戦目は2回までに3点を失うも、裏に2点を返し中盤までは膠着状態。
8回裏2アウトからロバート・ムーア(2年、2B/SS)が値千金の同点ソロHRを放ち、土壇場で追いつきました。

 9回表には先日に続きコップスが登板し、3者連続三振の気迫の投球でチームを盛り上げます。
すると、裏にケイシー・オピッツが左中間を破る打球を打つと、CFのファビアンが打球処理にもたつく間に3塁まで陥れました。
そして、1アウトから代打の切り札チャーリー・ウェルク(3年、C)が、ライトの頭を超える打球を放ちサヨナラ勝ち。
見事最激戦区SEC(サウスイースタンカンファレンス)のレギュラーシーズンを最高の形で制しました。(2004年以来5度目)

●オピッツの二塁打

●ウェルクのサヨナラ打

 アーカンソー大は翌日も第3戦も9-3で勝利し、なんと14カード連続勝ち越しを達成。(SEC内10カード)
5/25から始まるSEC内のトーナメントはもちろん第1シードで、順調に勝ち進めば、今季直接対決がなかったバンダービルト大(39勝13敗、全米2位、第4シード)との黄金カードが実現します。

2.ウィル・ベドナー快投

 13週目に地区断トツ最下位のミズーリ大(13勝32敗)との3連戦で投手陣が打ち込まれ、1勝2敗と負け越したミシシッピ州立大(36勝13敗/全米6位)。
 ミシシッピ大と順位が入れ替わり、SEC地区トーナメントのシード権から外れる危機にありましたが、全米20位のチーム防御率3.63の強力な投手陣がチームを救いました。
 5/20のアラバマ大3連戦初戦は、クリスチャン・マクレオド(3年、LHP、MLB公式74位)タイラー・ラス(3年、RHP)の息の詰まる投手戦で、6回終了時0-1。
7回表に一挙4点を奪い逆転するも裏に1点を取られ2点差に迫られましたが、8回から絶対的クローザーのランドン・シムズ(2年、RHP)を投入。
2回 被安打1 与四球1 奪三振5で試合を締め、4-2で逃げ切りました。
そして、2戦目はウィル・ベドナー(ミシシッピ州立大2年、RHP/MLB公式36位)が、8回 被安打3 与四球2 奪三振11 失点0と、大一番で今季最高の投球を見せ、7-0で快勝。
3戦目は先発のジャクソン・フリスト(1年、RHP)が2回3失点で降板するも、その後は3人の継投で0に抑え、味方も5回表に4点を奪い逆転し、6回にも3点追加。
この日もシムズが試合を締め、7-3で勝利し3連勝。
見事地区トーナメントの第3シードを獲得しました

 べドナーの球種は93-95mph、MAX97mphの速球・スライダー・チェンジアップ。
速球は伸びがある球質で、スライダーも大きく横に滑る変化をする平均以上のボールで制球も○。
今季は頸部の故障で出遅れたものの、3/20から先発2番手に定着しました。
ちなみに、兄はPITのリリーフのウィル・ベドナーです。

3.ブロック・ウィルケンHR量産

 全米173位のチーム防御率5.53と投手陣が振るわず、今季20勝27敗・地区6位(7校中)でACC優勝決定トーナメントに進めずにシーズンを終えたウェイクフォレスト大。
来季に向け課題は山積みですが、いくつか明るい話題もあり、その1つがブロック・ウィルケン(1年/3B)の活躍です。
ウィルケンは193cm102kgと非常に恵まれた体格のパワーヒッター。
開幕6試合で3HRを放つと、1年生ながら3月下旬に3番に定着。
3月・4月各5HRと毎月安定してHRを打ち、14週目も4試合で2HRを記録し、今季17HRは現在1年生トップです。

●17号HR

 ウィルケンはパワーヒッターにありがちなコンタクト面の難もなく、47試合で36三振。
46試合で11失策・守備率.908と守備に課題はありますが、強肩でグラブ捌きも柔らかい選手です。

ウィルケン

4.太刀岡蓮選手自身初の2HR

 太刀岡蓮選手(インディアンヒルズコミュニティカレッジ1年/NJCAA1部)が、好調です。
高校野球が好きな方はご存知だと思いますが、太刀岡選手は2017年の夏の甲子園で花咲徳栄高校の1番センターとして活躍し、同校の初優勝に大きく貢献した選手です。
 そして、卒業後は駒沢大に進学したものの、諸事情で退部。
MLBでプレーする夢を追い求め、同大に進学しました。
 しかし、渡米1年目は全試合1番打者としてプレーしたものの、打率.190&長打なしと、本来の力を発揮できず。
9番打者として再起を図った今季は、開幕戦で短大初HRを記録し、開幕2試合で7打点を記録。
シーズン途中から1番に定着し、地区(4校中)のベストナインを獲得しました。

 また、5/20のポストシーズン初戦で自身初の1試合2HR含む4打数3安打3打点1盗塁の大活躍。
そして、22日のカレッジワールドシリーズ進出が掛かったダブルヘッダーでは2試合で計10打数5安打1打点を記録。
53勝3敗&16連勝中の全米No.1校ウォバシュバレーカレッジに2連勝で、04年以来14度目の短大CWS出場が決定しました。

●優勝の瞬間

 太刀岡選手は現在22歳で、全米33位の28盗塁・出塁率.478を記録(ポストシーズンの成績は未反映)。
まだ進学先は決まっていないようですが、これからの活躍が非常に楽しみです。

太刀岡

5.14週目終了時点のMLB公式2021年ドラフトプロスペクトランキング投手・野手成績

●投手

14週目投手

●野手

14週目野手

6.その他印象的に残った出来事

●ディラン・クルーズ(ルイジアナ州立大1年、OF)55試合で100mph超の打球74本

MLB最多はブラディミール・ゲレーロJr.の44試合/57本です。
恐ろしい1年生ですね…

クルーズ


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