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ベトナムでハロン湾の景色を眺めていたら涙が出てきた話

2022年12月、約1週間ほどベトナム北部のハノイとその周辺都市に足を運んでいました。今まで幾度となく一人旅を経験してきた僕ですが、この旅の中では何にも形容しがたい感動体験を得ることができたので、そのときの気持ちを今更ながら言語化してみたいと思っています。

さて、約3年ぶりとなる海外旅行となったわけですが、ベトナムを選んだ理由は至ってシンプルで、「コロナ前最後に行ったのもベトナムで、思い入れのある大好きな国だから」「航空券代が安かったから」「ワクチン3回接種が義務づけられていない国だから」といったところが渡航の動機となります。(※2023年2月現在は3回接種済み)

あとは、「久しぶりに海外に行ったら自分はどんな感情になるのか?」の興味本位。色々ありすぎた2022年の総括も兼ねて、日本よりも少し開放的な環境に身を置いて羽を伸ばしてまいりました。

1.ハノイという街について

2022年12月9日、成田空港からベトジェットエアに乗ってベトナムの首都ハノイに到着。南部のホーチミンや中部のダナンと違って“四季”のある都市としても有名なハノイは、日本の冬よりかは幾分かマシだけれども相当な肌寒さを感じるほどの気候で、着いて早々にビックリしました。

人生2回目のベトジェット。前回(2020年3月)は羽田からダナンへ。

タクシーで空港から市内へ移動し、まさに“東南アジアのそれ”と思わせられる景色を早速目の当たりに。

大量のバイク、排気ガスのにおい、肌寒くも少し湿ったい空気。
ASEAN全10ヶ国を渡航してきましたが、何度訪問してもこの独特な雰囲気はたまりません。

タクシーから見たハノイ市内の光景。

着いてからの2日間はフォーを食べたり、ホアンキエム湖周辺を散策したり、ナイトマーケットで買い物をしたり、名物の水上人形劇を楽しんだり、カフェでまったりしたり。そもそもが旅先で計画を立てるのが嫌いなタイプなので、いつも通り観光っぽいことはせずに、ただだらだらとハノイの空気感を楽しんでいました。

観光客にも人気のPho Thinというお店のフォー。
ハンダオ通りのナイトマーケットはウィークエンドのみの開催。
ハノイ名物の水上人形劇。

2.奇石(奇跡)が連続するハロン湾

3日目、「絶対に行こう」と決めていた世界遺産・ハロン湾のバスツアーに参加。英語ガイド+昼食付きで5,000円ほど。

ハノイ市内から港までは専用バスで約2時間。特に景色を楽しむこともなく、熟睡していたらいつの間にかクルーズ乗り場に到着していました。

そしていよいよハロン湾クルーズ出発です。

クルーズはツアーごとに貸切。

エメラルドグリーンの海水、海にそびえる熱帯雨林、大小2000もの奇石が連なっているハロン湾。あいにくの曇天でエメラルドグリーンとは程遠い海の色ではありましたが、それでも船上から見える絶景の数々には思わず一人で感嘆の声を漏らしてしまうほど。

海路は奇石の畝を目の当たりにしながら進んでいきます。

そして、しばらく船を乗るととある島に降り立ち、スンソット洞窟というハロン湾屈指の鍾乳洞へ。圧倒的な光景が目の前に広がっていきます。

面積約12,200㎡の広大な鍾乳洞。

奥の方に進んでいくとカメの形をした岩が現れ、ガイドさん曰くカメの頭を撫でると「お金持ちになれる」「頭がよくなる」とのことだったので、どちらのご利益もつけられるよう2回ほど撫で回してみました。

カメ岩。頭の近くにベトナムドン札がばら撒かれています。

スンソット洞窟を他の参加者の方々と同じペースで回り、しばらくすると洞窟の出口にたどり着きました。ガイドさんが「ここが一番の絶景スポットだ!」と興奮した様子で案内してくれて、言われるがままにスマホのカメラを構える僕。

それは確かにとてつもなく美しい景色で、まさに教科書で見ていたハロン湾の写真そのもの。ここで不思議なことに、僕はぽろぽろと涙を流していました

他の観光船も集まるスンソットの港。
今まで感じたこともない不思議な感情に。

なぜ涙が出たのかはいまだによく分かっていません。
ただ一つだけ言えるのは、「生きてて良かった」という感情が芽生えたということです。

本当にこの2年間ぐらいは上手くいかないことだらけで、特に2022年は自分でも恥ずかしいぐらいの挫折の連続を経験。下半期こそ持ち直したものの、自分の中の負の感情は癒えることなく残り続けていました。

そんな中、久しぶりの海外、久しぶりのベトナムで目撃した圧倒的な光景の数々に、“生”に対する意欲を掻き立てられたのは確かです。「あ、自分の時間って尊いんだな」と瞬時に感じられた結果が、スンソット洞窟での涙に繋がったのかもしれません。

スンソットの港。

涙をしまったあとは、カヤックの体験をしたり、ティートップ島の観光をしたりしながらハロン湾での時間を過ごしました。

カヌーとカヤックを選べるシステム。

そして再び船に乗って港に戻り、バスで市内へ戻ってツアーは終了。ガイドさんもすごくいい方で、総じて満足度の高すぎるツアーとなりました。

夜は観光船のライトアップが綺麗でした。

その後の3日間はワーケーションをしたりクリスマスマーケットを楽しんだりといつも通りの旅を満喫。最終日には、ハノイから50kmほど離れたドンラム村にもGrab(配車アプリ)で足を運び、帰りの手段を失って人生初のヒッチハイクも経験しました。(まさかの開始5分で成功)

現地の方々の優しさにも触れ、本当に素晴らしいベトナム旅だったなと。

ドンラム村はレンガ造りの街並みが特徴。
このときの所持金は10,000VND(=50円)。
村にはATMもなければ、Grabもタクシーもない。
ゆえに、このような国道でハノイ市内までのヒッチハイクを試みました。

3.まとめ

先日、29歳の誕生日に投稿した記事にも書きましたが、こういった経験を経た上で「今が人生で最も楽しい」と感じられるようになりました。

2019年から2022年末までの約3年半は、他人に投資していた時間があまりにも多かったなと感じていて、自分としてもちょっと疲れてしまったんだなと振り返っています。

スンソット洞窟で涙を出してから日本に戻るまでの時間で内省を試みた結果、今は自分のために時間を使うことが先決だと。もちろん、友人あっての僕で、家族あっての僕ではあることは大前提ではありますが、もう少し自分を大切にしていこうと改めて思えるようになりました。

いつだって、旅が自分を成長させてくれているし、アラサー目前に迫った今でも一人で旅ができていることは本当に幸せなことなんだなって。

ありがとう、自分。これからも、よろしく。

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