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【忖度なし】蔦屋家電でSIGMAのカメラとレンズを触ってきたよ!【レビュー記事】

2023年11月5日(日)、二子玉川の蔦屋家電にて。
SIGMAのカメラとレンズを借りられるというスペシャルなイベントがありました。
そこで色々お借りしたので、私目線での率直な感想をしたためてみたいと思います。

まず初めに注意。大前提として、おさんぽを行うなかでフリー撮影した主観結果を掲載しています。何の定量性もないため、いち個人の感想ならびに参考情報としてご覧くださいませ。


お借りした機材

SIGMA fp + 50mm F2 DG DN
SIGMA fpL + EVF + 90mm F2.8 DG DN

撮影した画像をご紹介

すべてカメラ撮って出し。絞りも基本的には開放で撮影。

fp+50mm。カラーモード「パウダーブルー」
これでもう完成で良い
fp+50mm。カラーモード「スタンダード」
Tv1/125秒。フリッカーによる低周波の縞が見て取れます
fpL+90mm。カラーモード「シネマ」
凄まじい解像力。色合いもとても良い


fpL+90mm。カラーモード「シネマ」
しっとりとした質感も感じ取っていただけるのでは

良かった点

・とにかく軽くて小さい
・ボディ、レンズともにオシャレ
・特にIシリーズのレンズがバチクソ格好良い
・ボタンの操作性も良い
・グリッドが白/黒選べるのは地味に嬉しいところ
・スクリーンショットを撮れるのも良い
・撮影設定をQRコードで公開できる斬新さ
・QSボタンで呼び出せる設定が直感的で視覚的にわかりやすい
・TONE, COLORボタンが一等地にあってアクセス性が高い
・TONEの効果を視覚的にトーンカーブで示したりと、直感的
・COLORはそのままでも完成品にしても良いくらい、素晴らしい出来
・スタンダードは若干濃いが、好ましい彩度
・特にシネマ、パウダーブルーは私の好みドンピシャ
・カメラ内で再現像もでき、カラーモードで遊ぶだけでも楽しい
・1点AFと瞳優先AFを両立させられるのは使いやすい
・50mm, 90mmともに小型軽量にも関わらず解像力、ボケ味ともに良い
・特に90mmは、あのサイズ感であの解像力を実現したのは見事としか言いようがない
・50mm, 90mmともになだらかにボケていき、立体感のある表現が可能
・EVFの視認性も良く、LCDとかなり近い色再現性
・レンズが格好良い
・シャープネスの処理が丁寧。斜め線も綺麗
・デモザイキングが上手なのかも
・ノイズリダクションの処理も好印象で、粒状感のある心地良いノイズ感
・fpはISO3200までならすごくきれいで好印象。なんなら6400も〇
・fpLは画素ピッチが狭い分、手放しで綺麗に感じるのはISO1600まで
・ただし4Kモニタで等倍鑑賞した感想であり、Fit表示であればISO6400くらいまででも問題なさそう。fp/fpLともに
・一方でfpLの6100万画素の破壊力がえげつない
・APS-C用のレンズを付けてAPS-Cのカメラとしての運用も良さそう

fpL + 90mm F2開放で撮影
高像高にも関わらずこの解像感。お見事

イマイチな点

・AFが遅い
・顔AFや瞳AFを設定していても、横顔を追従するのが厳しい
・特に黒髪の後頭部に弱く、背景に抜けてしまう
・ローリングシャッター歪みが大きく、走り回る子の顔が大きく歪んでしまった(特にfpL)
・フリッカーに弱い(fpで確認)
・起動時間が長く、全体的にもっさりとしたレスポンス
・ボディとレンズともに手振れ補正がついていないため、意外とブレる
・画像再生時も、いったん荒い画像が表示されて即時性が低い
・バッテリーの減りも早い
・メニュー画面の遷移が煩雑。横のタブに移動するのに、いったん最上位までカーソルを戻さないといけない(回避手段もあったかも?)
・動画モードで23.98pで撮影したが、動画の待機画面は60pで駆動していて違和感。誤操作防止のため、記録レートと同じにした方が良いか
・カラーモード「スタンダード」でも、顔が若干彩度高く明度が低め。私はEOSの肌の色再現の方が好きでした
・特にカラーモード「パウダーブルー」で顔を撮ると、マゼンタやグリーンの色曲がりが局所的に発生したため、人物撮影にはあまり向かないかも
・TONEをプラスにすると結構のっぺりとする
・90mmは若干色収差が残る
・90mmは口径食も大き目。若干ぐるぐるボケっぽいが許容範囲

気になる点

レンズ光学補正の機能の一つに、カラーシェーディングを補正するものがあるようですが、これはLマウントレンズをfp/fpLに装着した際に自動的に発動するようです。
たとえば、SONYのカメラでIシリーズを使用した場合、あるいは、PanasonicのカメラでIシリーズを使用した場合に同等の補正はされるのでしょうか。同じレンズを使ったとしても、使用するカメラ(メーカー)によって周辺部の色付きが異なる可能性も?

そんなことよりも大切なこと

メーカーの優しさがすごい

今回、二子玉川の蔦屋家電にて、カメラやレンズの貸し出しイベントが行われました。
11/4(土)はXマウントとEマウントのSIGMAレンズの貸し出し。
11/5(日)はなんとfp/fpLとSIGMAレンズの貸し出し。
身分証明書の提出で、2時間も借りられました。しかも無料で。

レンタル用機材の搬入出だったり、スタッフの方も休日出勤でご対応いただいたり、そもそも蔦屋家電の一等地の使用料だったりと、今回のイベントには多大なリソースを割かれたはず。

セバスさん(@SebasPSA)に画像をご提供いただきました!

メーカー公式で機材貸し出しイベントをやるのは極めて異例なのではないでしょうか。良い意味で狂っています(もちろん、最大の褒め言葉)。

貸し出しにあたり、2人の社員さんともお話させていただきましたが、どちらの方もとても優しくて、カメラへの愛や知識も存分に感じられ、ものすごく頼もしく感じました。
営業の方はメーカーとユーザーの架け橋を担う、とても重要な存在です。こういった方々と楽しくお話ができて、一人のカメラ好きとして大変有意義な時間を過ごすことができました。

品質保証への圧倒的なプライド

機材を借りるにあたり、SIGMAの生産工場の所在地、会津工場を中心に撮影されたイメージ映像を視聴させていただきました。

工業製品というものは、様々な要因に伴い、多様なバラツキを持って世に出されるものです。一般的に、そのバラツキを含めた品質を保証するために、量産品の一部を抜き出して検査を行う工程がありますが、SIGMAさんは一部ではなく、全数検品しているとのお話を伺いました。当然、検品を行うには人の手や時間などのリソース、つまりは生産者側としては相応のコストを支払う必要があります。こういった事情を勘案すると、やはり狂っているとしか私の拙い語彙力ではその姿勢を形容することができませんでした(最大の褒め言葉再掲)。

レンズの生産者側からしたら、数万本のうちの1本に過ぎませんが、ユーザーとしては、一生に一度しか手にすることがないであろう、かけがえのない1本です。そんな1本が、確実に検品され、所定の規格内に収まる性能が保証されているというのは、ものすごい安心感に繋がります。

ユーザーの横のつながりも強い

10名のfp/fpLユーザーが集まり、写真展を開催するという物珍しい企画が執り行われました。その名も「10p10fp展」。
私はこの10名のうち、PIKOさん(@designpiko)というお方と面識があったご縁で、X(旧twitter)スペースで10p10fp展についてお話を伺うこととなりました。スペースの録音はこちら。

その流れで10p10fp展に足を運んだり、二子玉川でお話をしたり、多くの言葉を交わす中で、みなさんのSIGMAへの愛の強さをこれでもかと感じました。
私のようにSIGMAユーザーでもなんでもない人に対しても分け隔てなく優しく迎え入れてくれる懐の深さについては、感謝してもしきれません。

私自身、写真を始めて10年ほど経ちますが、いままで身近にあまりカメラ仲間がおらず、SNSでも特に交流を図ったりもせず、独りぼっちで漫然と写真を撮る日々が続いていました。
自分一人で写真と向き合えるほど、私は強くもなく、自身の写真にも自信がなかったため、世の中の圧倒的な写真を目にしては辟易し、写真を辞めようと思ったシーンが幾度となくありました。

それに対して他の方と交流を持つことで、自身の写真を見てもらえるきっかけや学び、刺激も多く得られるようになりました。ともに歩む仲間のような存在がいた方が絶対に良いですね。こんな簡単なことに気付くのに、10年近くかかってしまいました。

XにはSIGMAユーザーのコミュニティもありますし、ご存知でない方は是非足を踏み入れてみてください。物凄く居心地の良い空間がそこに広がっているはずです。
Xコミュニティ「SIGMA Lovers / シグマ愛好会」の入り口はこちら。
(JavaScript is not ~ と表示されていても、クリックすれば飛べます)

10p10fp展のようす

総評

撮影用途やカメラに求めるものによって、fp/fpLに対する評価は大きく変わってきそうです。

私は日頃、キヤノンの EOS R6 を使用していますが、このカメラはまさに隙がなく、レスポンスも早ければAF性能も抜群に高いです。また、伝統的に「人肌のキヤノン」などと評されることも多く、確かに撮って出しでもすごく自然で健康的な肌の色を吐き出してくれます。こういったAF性能や色再現、そして少ないローリングシャッター歪みなどの観点からすると、特に動きの激しいシーン(私の場合、走り回る子どもなど)でバシっと撮影するには、fp/fpLでは力不足だと感じてしまいました。
私は副業で出張撮影も行っていますので、そういった立場からすると逆説的に EOS R6 の快適さを再認識するに至りました。

一方で、fp/fpLは確かに力不足な点もいくつか見受けられましたが、その不器用さが心地良い場合もあるなと感じたのも確かです。
不自由であるが故に、自分がカメラを能動的にコントロールしている感覚が強く、「自分で写真を撮っている」という想いを強く感じることができました。また、カメラ側が期待に応えてくれたときの感動もひとしおでした。

そしてカラーモードも、現代の流行りを見事にキャッチアップした仕上がりのものからクセの強いものまで、パッと見でワクワクするような写真を簡単に撮れる点においては、初心者にこそ楽しんでもらいたい機能だとも感じました。

さらに、fp/fpLおよびIシリーズのスタイリッシュな出で立ち、軽さ、小ささは多大なる所有欲を満たしてくれ、また日々の暮らしの中でカメラを持ち出すための大きな動機を提供してくれます。
fpを被写体として撮影したいくらい、美しいと感じるほど。
またEVFやグリップなどの高いカスタマイズ性も、ガジェット感が強く、ガチャガチャと組み替えて「世界に一つの自分だけのfp/fpL」を作り上げられる幸福感は、他の何物にも代えがたい体験となることでしょう。

こんな人にオススメ!

以下について、半分以上の点で共感出来たらfp/fpLを購入することで幸せになれると思います。

・基本的なカメラ操作に慣れている
・動きの激しい被写体をメインで撮りたい訳ではない
・AFがバチバチに合わない場面があっても許せる
・若干もっさり動作であっても許せる
・オールラウンダーよりもピーキーな方が好きだ
・他の人と違うカメラを使いたい
・自分だけのカメラにカスタマイズしたい
・ガジェットが好きだ
・カラーモードが好きだ
・「写真を撮る」という行為自体が好きだ
・1枚1枚、現像やレタッチするのは面倒だ
・とにかく格好良いカメラやレンズを触りたい
・「全数検品」などのモノづくりへのこだわりに弱い
・写真をきっかけに新たな交流が欲しい
・腰が弱い

おわりに。あなたの熱量をぶつけてみませんか?

実は私、2週間に1回、Xにて対談スペースなるものを主催しています。
毎回、漫画家やイラストレーター、写真家など多方面で活躍されている方と対談し、お相手の活動の深堀りを行う、といったものです。

対談スペース「東海道中まつ栗毛」のアーカイブはこちら。

かれこれ1年弱、こういった活動を続けてきており、おかげさまで傾聴力や進行力に対して、高評価をいただくまでに至りました。

薄々お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、ずばり、あなたの写真やカメラのこだわりについて、私にお話してみませんか?

私のスペースに上がることで、ささやかではありますがメリットも。
・そもそも私に、ご自身の写真についてたくさん語れる
・リスナーさんに、ご自身のことを認識してもらえる
・これを機に新たな道が開ける可能性もある
・言葉にして発信することで、ご自身の頭の整理にもなる

もしピンと来た方がいらしたら、是非お声がけくださいね。
では、約4000文字にも及ぶ記事にお付き合いくださり、ありがとうございました。

共に良い写真ライフを!


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