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北海道 岩内小旅行_EPSON R-D1Sで撮るとても静かな世界

今年のGWは10連休。
前半は妻の実家で98歳のおばあちゃんの誕生日をお祝いする予定だったのだけれど、私がコロナになってしまいキャンセル。しばらく自宅療養していた。

熱も引いて医者から自宅にいるように言われた期間もあけたけれど、今から改めて広島に行くのも飛行機代がものすごい金額になるので、近場で小旅行できる場所を探してみた。

見つけたたのは積丹半島の先にある岩内いわないというまち。家の前のバス停から1時間おきに高速バスが出ていて2時間半のところ。ゴールデンウィーク中日の平日はまだ宿も空いていて、たまたま改修工事中で眺望に制約の出るホテルが格安で空いていたのでそこに一泊してきた。高速バスに自転車を積み込んで、お昼前に出発。

久しぶりに写真も沢山とったので旅の記録として残しておきたいと思う。カメラはエプソンのR-D1sという2004年製の600万画素のマニュアルフォーカスのレンジファインダーデジカメといういろいろな意味で奇特なカメラを使っている。もう修理も受け付けていないのでいつまで使えるか分からないけれど、個人的にはこれより高性能のカメラは必要ない(みんな何を写しているのだろうか)。レンズはフォクトレンダーのCOLOR-SKOPAR 21mm F4 Pという広角レンズとNOKTON classic 40mm F1.4という標準レンズ。どちらも中古で3万円くらいでかえるリーズナブルなレンズだ。このカメラにはライカのレンズがつけられるのだけれど、値段が10倍違うので私は持っていない(みんなそんな高いレンズで何を写しているのだろうか)。撮影はすべてJPEGでニコンのNXスタジオというソフトで明るさ、シャドー、ハイライトなどを微調整しただけで出力している(色調などは一切触っていない)ので、エプソンの奇特なデジカメとフォクトレンダーのレンズの写りに興味がある人の参考になれば。とても落ち着いた写りが(地味ともいう)、個人的にはとても気に入っている。

高速バスの車窓から

宿泊した「岩内高原ホテル」は築数十年のリゾートホテルで規模もこじんまりしていてお風呂も温泉ななのだけれど浴場は銭湯のような趣。部屋は小ぎれいで、フロントやロビーはいかにも昔のホテルと言う感じ。大規模で騒がしい観光地のホテルでもなく、気取った高級旅館でもないこんな古くてこじんまりした昭和の日本を感じることができるホテルは、これから需要が出てくるのではと思った。

昼ごはんはスープカレー屋さんに行った。民家を改修したお店。本場の札幌顔負けの本格的なスープカレーで、エビのだしのスープカレーがとてもおいしかった。

民家です
内部も完全なる親戚の家の趣
カレーは本格的なスープカレー(ピンぼけすみません)


カレーを食べた後は持ってきた自転車にのってまちの周りをサイクリング。
岩内町には海も山もあり、とても自然豊かだ。

波消しブロックにとまるカモメ 奥は積丹半島と泊原発の原子炉の建屋。この町のどこからでも泊原発が見える。
石の海岸
まちのいたるところに水仙の花が群生している


サイクリングの途中でまちで一番大きな「岩内神社」に立ち寄る。ちょうど桜が満開だった。

夕焼けに染まる畑と山並み
夕焼けの積丹半島。日没のタイミングはちょうど自転車に乗っていて撮影できず。


夕食は、岩内のバスターミナル近くにあったまちの居酒屋「さくら亭」へ。階段を上るとカウンターとテーブル席が6つの小さな店を老夫婦が切り盛りしていた。オープン直後の17時に行ったらカウンターにはもう常連らしき夫婦がいる。注文したのは刺身の盛り合わせ(切り身が超でかい)、ブリカマ、いぶりがっことクリームチーズ、玉子焼き、玉子の海苔巻き(玉子が好きなのだ)。値段もとてもリーズナブル。せっかくだから寿司屋でもよかったのだけれど、そのまちの人たちがあつまる居酒屋でごはんを食べるのも小旅行の楽しみの一つだ。

19時過ぎにホテルにチェックイン。すぐ隣の地元のクラフトビールのブルワリーで一杯飲みたかったのだけれど、夕食を食べ過ぎたのでホテルの売店で瓶ビールを一本だけ買って飲んだ。ホップマシマシというIPA。うまい(私はビールなら何でもうまいのだけれど)。岩内町は日本で初めて野生のホップが発見された地として記録されている。岩内ビールはホップも栽培しているようだ。

部屋で一休みしてから温泉へ。

美肌の湯として知られる炭酸水素塩泉の源泉かけ流し。とても温まり、肌がすべすべになる。それが理由かわからないけれど、翌日になってもiPhoneの指紋認証が認識してくれず、すべすべになりすぎて指紋が無くなったのかと思った(復旧済)。

風呂に入ってすぐに寝てしまい、気が付けば翌日の朝4時半。カーテンを開けたらちょうど日が明け始めていた。写真を撮りに外にでる。まだ外はひんやりとしているけれど寒くて出歩けないほどではない。もう北海道も春だ。


ブルワリーの屋根にとまっていた猛禽類
夜明けの積丹半島
朝日に染まる岩内山
朝露でスニーカーがびしょびしょになった


朝日を見に行って冷えたからだを朝風呂で温めて、7時前にはチェックアウト。そのまま近くの森林公園を1時間ほど歩く。散策中、誰ともすれ違わなかった。苔の生えた道をひたすら歩く。見たことのないキツツキがいたり、聞いたことのない鳥の声が聞こえる。人の気配が全く無い森。静かな世界を堪能する。

道の先にいるのはクマ、ではなく妻
展望広場からの景色

朝の森林公園でマイナスイオンをたくさん浴び、バスターミナルへ。セイコーマートで山わさびハムサンドとコーヒーを買って9時過ぎの高速バスに乗り込んで札幌に戻った。

家に着いたのはちょうどお昼。一日ちょっとの小旅行。

温泉付きホテルは素泊まりで一人7500円。高速バスは往復4000円。GW中の旅行としてはささやかかもしれないけれど、騒がしい観光地に行って疲れてもどってくるのではなく、静かな場所でゆったりの過ごすことができて、とてもいいリフレッシュになった。


そのうち日本中のあらゆる場所に世界中から観光客が押しよせてくるかもしれない。

地域の活性化と
静かで自然豊かな地域を守ること。
その両立はとても難しいことなのだろうと思う。


今はまだ、こんなにも貴重な場所が
この日本のいろいろな場所に
ただ静かに残されている。

それがどれほどかけがえのない場所なのかを
私たちはそれを失ってからしか
気が付くことができないのだろうか。



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