まつきりん

松樹凛です。SF作家やってます。 noteの方は映画やアニメの感想記事メイン。 ☆受…

まつきりん

松樹凛です。SF作家やってます。 noteの方は映画やアニメの感想記事メイン。 ☆受賞歴☆ ・第62回「飛ぶ教室」佳作入選 ・第8回星新一賞 優秀賞 ・第12回創元SF短編賞 正賞 ・第4回百合文芸コンテスト pixiv賞、等。

最近の記事

【修正あり】近況報告とイベントのお知らせ

※SFカーニバルのサイン会の手順を勘違いしていたので、修正しました!(2024/04/26) 報告すること……、あんまりなし!! 早いものでデビュー作の刊行から1ヶ月ちょっと経ち、感想だったり書評だったりが届き始めております(近日中にまとめ記事書きたい…)。みんな読んでくれてありがとう。 売れ行きも悪くはないっぽい(ふんわりした表現)です。ありがとうございます。おかげさまで、次のお仕事のお話も色々とお声がけ頂いております。がんばります! が、平日はフルタイム+残業で働いて

    • 【祝】デビュー短編集『射手座の香る夏』、発売しました

      ワハハ(挨拶) このブログで私を知った方には、時々アニメとか映画の感想を書いてるオタクの人と思われがち(実際そう)なんですが、一応プロの小説家でもありまして。デビューしたのが短編の賞だったので、これまで単著がなかったのですが、この度ついに初の単著となる短編集『射手座の香る夏』が発売されました! 素敵なカバーイラストはhale(はれ)様、帯文と解説は飛浩隆様です。あまりにも「すべて」が良すぎて、中身がデビューほやほやの新人の小説であることがちょっと申し訳なくなるくらいなのです

      • 鏡の国と影の国──「劇場版SPY×FAMILY CODE:White」について

         100兆点!  予告編の段階から、すでに「ファミリー向け冬休み娯楽映画」の最大公約数といった趣きがぷんぷんしていた「劇場版SPY×FAMILY CODE: White」だったが、予想を遥かに超える素晴らしい「ファミリー向け冬休み娯楽映画」に仕上がっていた。「SPY×FAMILY」にはさして興味がなかった(原作はジャンプ+で読んでいるけどTVアニメは見たことがない、くらいのレベル)私でもここまで感動したのだから、世のアーニャ大好きキッズたちにとっては素晴らしい映画体験になっ

        • 「君たちはどう生きるか」における母と石と悪意のこと

           宮﨑駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」を観た。  最高。ぼくはそこまでジブリファンというわけでもなく、宮﨑駿という人についても語れるほど詳しくはないのだが、ともかく観ている間ずっとワクワクする映画だった。特に前半のお屋敷パートが異様に面白く、中でも盗んだタバコで使用人を買収して弓矢を作るところが素晴らしい。中盤に入って異世界での物語が始まると若干心配になったが、それでもちゃんと面白いのだからすごいと思う。この手の(精神分析ちっくな)異世界巡りは児童文学の王道ではあるが、

        【修正あり】近況報告とイベントのお知らせ

          「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を観た

           話題のマリオ映画を観てきた。最高!  単純に見ていて面白かったし、ピーチ姫が萌え萌えだった(こういう、”先輩転生者”ポジションのヒロインに弱い!)のもあるのだが、何より「ゲーム」の映画化について考えるうえで、色々と勉強になったように思う。  大抵の場合、ゲームを映画化するときには、「ゲームの世界観を下敷きにした物語」をやることになりがちである。最近の作品だと、「モンスターハンター」とか「名探偵ピカチュウ」あたりだろうか。もちろん、これはこれで面白いのだが、しかしゲームの「ゲ

          「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を観た

          MATSUKIN REVIEWS(1〜3月編)

           恐ろしいことに2023年も1/4が終わろうとしている。  おそらくこれは一年が12か月しかないことによるものだろうから、岸田総理には思い切って異次元の暦改革を行っていただき、一年を16か月とかにしてもらいたい。  今年は色々あってほとんど家から出ていないし、映画館にもあまり行けていない。おかげで見た映画の感想を全部書くことができるので、皮肉といえば皮肉だが……。 「アイカツ! 10th STORY 未来へのSTARWAY」  めちゃくちゃ良かった。個人的にアイカツの映画

          MATSUKIN REVIEWS(1〜3月編)

          2022年に書いたものまとめ

           とにかく忙しい一年だった。どれくらい忙しかったかというと、今年は日記をつけるぞ!と思ったものの全然つけられなかったくらい忙しかった。  特に仕事が完全に人手不足の状況でトラブル続きだったこともあり、1月から12月までひたすら終電で帰る生活が続いた。3月と4月が本当に最悪で、月の残業時間が100時間を超え、産業医との面談になったものの「まぁみんな頑張ってるから」と言われて終わった。産業医というのは本当に良い仕事だと思う。  しかし、一応そういう状況下でもなんとか執筆は続けられ

          2022年に書いたものまとめ

          北海道釣り旅行2022

           早いもので、(一応)SF作家としてデビューしてから、一年が経とうとしている。デビュー作の「射手座の香る夏」が収録された『GENESIS 時間飼ってみた』の出版が、昨年の10月末。その当時、自分が何をしていたのかを思い返してみると……、そう釣りに行っていた。3泊4日の釧路旅行である。  ならば、デビュー1周年を祝うためにも行くしかあるまいと思いたち、今年も北海道釣り旅行に出かけることにした。現在仕事が忙しく、毎月過労死ラインギリギリなのだが、それはそれ。無理矢理休みをねじ込ん

          北海道釣り旅行2022

          今まで書いたものまとめ(評論・感想系)

           今まで書いたアニメやら映画やらの感想記事がだいぶ溜まってきたので、一度主だったものをまとめてみる。これが、まつきりんセレクションだ! 「メアリと魔女の花」(2017) noteで一番初めに書いた記事。 今読み返すとまだ書き慣れておらず、文章が硬い。一応記念に貼っておく。 「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(2017)  2番目に書いた記事だが、なぜかこの作品だけ三分割されている。当時は何となく記事タイトルを「備忘録」で統一しようとしていたらしいことがわ

          今まで書いたものまとめ(評論・感想系)

          涸沢テント泊やってみた!

          【最高の夏、計画編】  最高の夏をやろう、という話になった。「最高の夏」とは文字通り最高の夏を指す言葉で、具体的には青い空、川のせせらぎ、夕立と雨上がりの湿った匂い、テントを揺らす夜風と小さなランタンの灯り…等の要素から構成される。標高が高ければ尚良い。(現代の日本では、最高の夏は標高2000m以上にしか存在しない)。  というわけで、涸沢である。前々から「涸沢はいいぞ〜〜」という話を聞いて気になっていたのだが、昨年は富士山チャレンジをしたので何となく行けず終いになっており

          涸沢テント泊やってみた!

          ONE PIECE FILM REDの話をしよう

          「ONE PIECE FILM RED」、初日に見てきました。正直そこまで期待してなかったし、なんなら本当は初日に行くつもりもなくて、「ラストサマーウォーズ」を見たかったけど上映館が全然なかったので諦めてその代わりだったというか。舐めてました。最高。傑作です。 ウタ、最高  とりあえずウタの台詞ベスト3を書いておきますね。 3位 「いつの間にか、ルフィの方が背が高くなってたんだね」 2位 「出た〜〜!負け惜しみ〜♡」 1位 「当てる気もないくせに」  3位の台詞は歳

          ONE PIECE FILM REDの話をしよう

          「劇場版からかい上手の高木さん」について(続) ──フェリー、花火、ペットショップ

          前回の記事はこちら。  映画のおおまかな内容については上記の記事で書き切った(何しろ1万字くらいある)のだが、その後再び劇場に足を運んだり、友人たちと話したりしたことで、色々と細かい部分についても書きたくなってしまった。  というわけで、今回は小ネタ集です。 ・教室の窓  映画の冒頭、高木さんが西片を相合傘でからかうシーンでは、教室の窓が二人の姿を反射して、鏡の機能を果たしている。これは「からかい」中の2人がいる空間の閉鎖性を表しているのだが、雲が切れ、青空が広がるのと

          「劇場版からかい上手の高木さん」について(続) ──フェリー、花火、ペットショップ

          恋の終わり、「からかい」の死──「劇場版からかい上手の高木さん」について【ネタバレあり】

           白状すると、そこまで期待していたわけではなかった。というより、期待しないようにしていた、という方が正しいだろう。アニメ3期の結末から鑑みるに、おそらく「高木さん」のアニメシリーズはこの劇場版をもって終わる。それがもしつまらなかったら……と思うと、とても耐えられなかった。実際、予告編が出た時は、「あ、これダメかもな…」と思ったりもした。(中3の夏に子猫を拾います、というあらすじで面白くなるとはあんまり思えなかったのだ)。  けれど、それは杞憂だった。「劇場版からかい上手の高木

          恋の終わり、「からかい」の死──「劇場版からかい上手の高木さん」について【ネタバレあり】

          2022年1月〜4月まとめ

           何だか最近、文章を書く量が減ってしまった気がする。別にサボっているわけではないのだが、商業用の原稿というのは何回も書き直して世に出すため、形になって発信できる文章というのは、トータルで見ると結構少ないのだ。Twitterなんかも、もう少し小説家っぽいことを呟いたら?とよく言われるのだが、これがなかなか呟くことがない。あんまり自作の話をするのもネタバレになりかねないし、そもそも読み手からしても鬱陶しいだろう。必然、ちいかわの話をし続けることになる。(それはそれで鬱陶しいだろと

          2022年1月〜4月まとめ

          映画「犬王」についての小さな違和感

           タイトル通り「犬王」を観た。映像作品としては傑作だろうし、事実絶賛の感想も非常に多い。にもかかわらず、ぼくはどこか話にノリきることが出来なかった。  本作は間違いなく面白い。アニメーション表現としては超一級品だろう。脚本だって悪くはない。音楽も良かった。しかし、どうしても喉の奥に小骨が引っかかったような、小さな違和感を拭うことができないのだ。  最も違和感を覚えたのは、終盤の展開である。将軍たちへの猿楽披露を終えた犬王たちだが、それと同じタイミングで平家物語の「正典」の編

          映画「犬王」についての小さな違和感

          さようなら、キラッとプリ☆チャン

           ※この記事は昨年末のC99で頒布した本の最後に載せていたものです。   2021年5月30日、アニメ「キラッとプリ☆チャン」が終わった。153話だった。そのことは、僕に久しく忘れていた感情を思い出させた。  アニメが終わるのはつらい。  いい最終回だったと思う。けれど、良い最終回だったという感想は、アニメが終わるという事実そのものを帳消しにしてくれるわけではない。  それでも、時は流れていった。最終回から半年近くが経ち、新シリーズも始まった。単独ライブも終わり、通販で頼ん

          さようなら、キラッとプリ☆チャン