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オーバートレーニング症候群


体調悪化への道

11月にツールド沖縄が終わり、ほぼ休みなくそのままマラソンシーズンとシクロクロスシーズンへ移行。

ツールド沖縄直後の11月末までは調子が良かった。(ツールド沖縄自体は加齢と寒さにやられて死んだが)

10月11月の安静時心拍数は37前後

しかし12月から明らかなパフォーマンスの低下。これは仕事上の繁忙、忘年会続きによる悪影響(体重増加)、ランニングを始めたことによる弊害もあったと思われ、あまり気にしていなかった。

1月は水曜日にランニングのポイント練、土曜日に高強度ブラックリーグ参加とランニング練、日曜にシクロクロス参加とランニング30km、合間の火曜木曜もそこそこの強度でローラー漕いだりして今思えば結構な無茶をしていて、自分でもやりすぎではないかと少し感じていた。

ブラックリーグ走ってもパワーがどんどん下がりシクロクロスに出るたびに走れなくなっているのは認識していたが、ランニングによる影響もあるだろうし、しょうがないとも思っていた。

2月上旬に胃腸炎に感染して急激に体調悪化。これもこれまでの無理が祟りかなり免疫力が低下していたのだと思う。胃腸炎は思いのほか治りが悪く、まともに治らないままに3月のフルマラソンに向けてランニングのウエイトを大きく増やして月に400kmくらいランニングしてしまった。

結果的にそれが仇となり疲労が抜けず膝の状態が悪いままフルマラソンに強行出場。

フルマラソンは途中で完全に脚がやられながら完走したものの、これで結構深刻なダメージを負ってしまう。(これについては別記事ご参照)

そこでまた休まずに自転車シーズンとトライアスロンシーズンの開始に向けて翌日から自転車と水泳も開始。

しかし、自転車についてはローラーで全くパワーが出ない。

これはランニングに軸足を置いていた影響だろうし経験則的に数週間で元に戻せるものと思い込んでいた。

しかし、しばらくやっても全然回復の兆しがない。

自分の中での心拍とパワーの感覚が全く合わない。具体的に言えば私の中では220wのL3強度は心拍140以下(180wが心拍120前後)くらいが通常なのだが心拍が跳ね上がり通常時より10以上高い。

低強度のロングをやっていないのもあるだろうし、やっているうちに戻るだろうと思って続けていたが心拍が跳ね上がる日が異常に多い。

そしてランニングでダメージを受けた膝の状態が悪く自転車漕ぐと30分くらいで痛みが出る状態が続く。

安静時心拍も不安定で高い時は47まで上がったりして良くない状態が続く。平均で見ても10月より6ほど高い。

日に日に状況は悪化

トドメは刺された

4月上旬に再び何かのウイルスに感染した。正直ここ数年はコロナ以外で風邪も引いてなかった気がするがこんなに頻繁に体調崩すのは相当に免疫が低下していたに違いない。

異常な倦怠感と微熱が続き喉の痛みも結構出ていて医者にも行ったがコロナでもインフルでもなく何かの感染だろうと抗生剤4日分もらって終わった。

その状態でも軽いトレーニングはやめることはせずに、抗生剤飲み終わり、この症状が少し改善しかけたところで4月10日にVo2Maxトレーニングをやってしまった。

メニューは強度10%引きながら完遂したもののその後から体調が猛烈に悪化して、物凄い倦怠感で一日中ガーミンのストレス数字が異常状態を示していた。

その後に黄色から黄緑の鼻水が止まることなく出続けて倦怠感と微熱が続きどうしようもなくなり、会社を早退したり、病院に行ったりもした。

しばらくこの状態が続き、完全にメンタルも含めてダウン。

流石にこれはまずいと思い、心拍が上がりやすい自転車とランは完全停止を決断。膝痛も治すためにはやむを得ない。

その代わりに身体に優しい水泳はボチボチやろうと思ってスイムにシフト。しかし何かスイムの心拍も昨年に比べてやけに高いなーという感じはしていた。

それとランニング(ウォーキング)筋肉は最低限維持するようにトレッドミルで時速8.5kmくらいで脚を動かすことはやったりしていたが簡単に心拍が130くらいまで上がってしまい膝に違和感出たりして30分くらいが運動の限界値になっているような状態。

ドクターストップ

そんなことをブログに書いていたらGWに入り主治医でもあり家族単位でもお世話になっている沖縄チャンプのマグロドクターから連絡をいただいた。

私が脚の痛みで動けなくなっていた時にも救っていただいたが、本当にいつもこんなおっさんを気にかけていただくドクターのお心の広さにおっさんは感動した。

現状をドクターに詳細に報告し相談に乗っていただいた。

オーバートレーニング症候群の兆候

3万文字以上のやり取りを続け、ドクターからのお言葉を要約すると
「オーバートレーニング症候群の全ての条件に該当し、かなり重症だと思わます。水泳も含めて全てやめて2週間以上の完全休養に入ってください。重度のトレーニング中毒であり、オーバートレーニング症候群であることをまずは受け入れてください。」

正直該当しかない

その辺の医者に言われていたら「そんなことないだろう。ただのトレーニング不足なんだ。」と思ってしまいそうだ。

しかし、長年一緒に走り何度も診察いただき、私の性格なども100%把握しているプロの経験豊かなスポーツドクターに本当の親身でアドバイスいただくと素直に受け入れることが出来た。言いにくいことを言葉を選びながら言ってくださるドクターに感謝しかなかった。

20年振り返ると

競技として走り20年間。
オーバートレーニングになるなんてことは思いもしなかった。趣味として走るのにオフなんて要らないだろうと思っていたし、まともにトレーニングしなかった日なんて1年に3日もない。

私が最もパフォーマンスを発揮していた2019年あたりは仕事が最繁忙を極め、朝の8時から夜の23時まで勤務して毎朝4時45分に起きて80分のトレーニングして土日は150kmから200km高強度トレーニングをして月に2000km以上走るのは通常でそれが普通でやれてこれていた。

その中で子供と遊び、仕事もそれなりに頑張り、今思えばまさしくギリギリ状態でやってきていた。

現在40代中盤になりその時の感覚から変わらずにやろうとすることに無理があったのだと思う。

加えて自転車以外のランニングと水泳という身体の負荷を考慮できていなかった。

心拍数以外の筋肉やメンタル面にかかる負荷を甘く見ていたように思う。

ランニングの筋肉にかかる負荷は自転車の比ではないし、水泳も筋肉に優しいと思っていても私のような素人がやると、これまでやっていない動きや呼吸となるため相応のストレスがかかるもの。また経験者のように泳げないメンタル面の苦痛もありスポーツの楽しさを感じられないことによる心理的なストレスもあった。

そんな一つ一つをドクターと会話しながら解きほぐしていき、いろんなダメージが身体に蓄積していることに腹落ちした。

実際、現在脹脛の筋肉を触ってみても固いゴムのような固さで良い状態とは間違っても言えない。

今後のプラン

診断では終わらず、ドクターは私の復活プランも考えてくださっていた。

要約するとトライアスロンはやめた方が良く、一種目に絞った方が良い。我々のメンタルでやると自転車と同じレベルでランもスイムもやろうとするので身体は壊すし、三種目全て共倒れになる。

秋以降のレースに絞って復活を考えよう。
具体的にはツールド沖縄に向けて復活を考えるプランとランニングに絞って目標を達成するいうことを一緒に考えてくださった。

トライアスロンは水泳がある以上、私レベルが上位に入ることはあり得ず、目標が完走となり目標として弱く現段階においてはそれほど優先順位は高くない。水泳という苦手種目に割かれる時間とメンタル面のデメリットの方が大きい。 

ランニングも遺伝要素があるし、私は陸上短距離選手なのでそもそもマラソンで到達できる最高水準目標がサブスリー、サブエガ到達レベルなので目標としては弱くもう少し先の目標にしても良いのではないか。

一つ一つ話していくうちに頭が整理されて、結論的にはもう一度ドクターと共にツールド沖縄を目指し、シクロクロスにおいても復活を遂げようというプランニングで行こうと思えるようになった。

話す前は適当に自己満足で出来る範囲のトレーニングを程々にして余生をすごそうと思っていたメンタル状態であったが、再び頑張ろうと思えるメンタル状態にまで救っていただいた。

敵は自分自身

まずは休めるかということ。
性格的に何もしないということが一番出来ない。

30代が全く時間がない中で生きてきたので、少し時間できたらローラー乗ってしまうような習慣がある。

そうやって何とかパフォーマンスを維持してきた経緯があるので、やらないことが一番辛い重度のトレーニング中毒であるということを受け入れなければならない。

正直、アル中が禁酒してもすぐに酒を飲んでしまうのと、ギャンブル中毒がすぐにパチンコ行ってしまうのと何ら変わらないレベルの病気である。

この病気を根本的に治せるかというのも今回の重大テーマだ。

そして再開後は時間をかけて他人に惑わされずに過去の自分を乗り越えるべく頑張るということ。

しばらくはまともに走れない期間が続くだろうが、それは受け入れざるを得ない。

復活に向けては弱さを受け入れて、走れない状態からじわじわと戻すことを考えないといけない。

SNSやSTRAVAなどは見ると焦りや自己否定感に繋がるので現在一切見ないようにしている。(これはこれで現代人の多くが抱えるSNS依存から脱却できる副次効果があると思っている。)

自転車に関しては過去の膨大なデータがあるので過去のトレーニング指標を見ながら現状のパフォーマンスと年齢を加味しながら焦らず少しずつ戻していくようにしたい。

おっさんは気をつけよう

私のような中年おじさんで何でもやりたがるヒトは特に注意が必要なのかもしれない。

過去の体力レベルで何でも出来ると勘違いしているとこういうことになる。回復力が20代30代のそれとは全く別次元だし、同じダメージでも元の状態に戻るまでの時間がとんでもなく長くなっている。

人間の身体は劣化するという当たり前のことを受け入れないといけない。

そして人間の身体はちゃんと休養を挟んだ方が強くなることをしっかり考えないといけない。

過去を踏まえて考えると入院や数日のレストが強制的に入った時の数ヶ月後に強くなっていたように思うのでしっかりとした波を作ることを考えた方が良いですね。

皆さんやりすぎは気をつけましょう。



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